自律神経の乱れとか自律神経失調症という言葉は
聞いた事があると思います。
今回はより深く、興味深い話をしたいと思います。
一般的なイメージは図の左のように活動時は交感神経優位、
リラックスしてる時は副交感神経優位の関係だと思います。
副交感神経はさらに「腹側迷走神経」「背側迷走神経」があります。
神経学者スティーブン・ポージェス博士が提唱した
「ポリヴェーガル理論」では
自律神経系が安全・ストレス・生命の危機に応じて
3つの神経回路を切り替えることで、
環境に適応すると説明されています。
それが右の図のようなピラミッド構造です。
土台が「腹側迷走神経」で社会的交流に肯定的で落ち着いて
会話したり表情や声が柔らかく、呼吸が深い状態です。
次に人がストレスを感じた時「交感神経=闘争/逃走反応」に切り替わり
血管が収縮しすぐに攻撃、もしくは逃げるために血圧・脈拍が
上がり末梢部に血液が集まります。
一方、臓器の活動は優先度が低くなり抑制されます。
交感神経が興奮すると背中が硬くなり興奮状態が長時間続くと
酸欠状態や慢性痛の原因となります。
やがてストレスが限界を超えると「背側迷走神経」に切り替わり
身体は強制シャットダウンになります。
無気力、だるさ、動けない感覚、抑うつ行動になります。
これは怠けではなく身体が選んだ防御反応であるということです。
この自律神経系の問題により身体の不調、精神の不安定が関係してくる為、
自律神経の調整の施術は慢性痛や頭痛、不定愁訴の改善には欠かせません。
心と身体が繋がっており身体のみならず心のケアも必要なのは
こういう背景もあります。