母乳マッサージの詳細解説と対象サロン予約

2種類の母乳マッサージでスムーズに授乳

母乳マッサージは2種類あります。まずは「乳房マッサージ」。母乳は血液からできています。この母乳のもととなる血液が流れている乳房の下側を、さするようによく動かします。こうして母乳をつくる血液の流れをよくすることで、母乳の出が良くなることが期待できます。もうひとつは「乳頭・乳輪マッサージ」です。こちらは乳頭・乳輪部をつまみ、ゆっくりと圧を加えるなどして刺激していくもの。赤ちゃんがうまく母乳を吸えていないように感じる場合、乳首が固くなっている可能性があります。

「乳頭・乳輪マッサージ」を行うことで、乳首をやわらかくして赤ちゃんが母乳を飲みやすくなるように導きます。刺激の弱い専用のオイルなどをつけて行います。どちらの母乳マッサージも、行う前に手と乳首を清潔にし、あせらずゆっくりとさすります。また母乳マッサージは湯船であたためながら、あるいは入浴後に行うのが効果的といわれています。血液の流れが悪くなっていることや、母乳自体が固まって詰まっていることがトラブルの原因と考えられるからです。入浴が難しい場合には乳房を蒸しタオルで温めるのもおすすめです。

見直されてきている母乳育児

近年、母乳育児が見直されています。そもそも戦前は母乳育児が主でした。しかし1950年頃から国をあげて安全なお産が推進され、病院での分娩が増えました。結果として母子別室の新生児管理が進み、出産直後から赤ちゃんと一緒ではないママは母乳の分泌が減ったとされています。また戦後の栄養不足、アメリカ式ミルク育児の流行、そして高度経済成長期でミルクでの育児が現代的であるという考え方が広がっていきました。

しかし不衛生なミルクによる事故が発生したり、母乳栄養の研究が進み始めたりしたことで、母乳の良さが見直されるように。1970年代に入り母乳哺育推進が世界的に広まっていきました。日本でも母乳育児が社会に再び増え、定着。現在では特別な理由がない限り、多くの病院で出産前に母乳育児の指導を行っているそうです。

母乳についての悩みは医療機関や助産所、助産院へ

厚生労働省が発表した『平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要』の中に「授乳について困ったこと」という設問があります。そこで最も多かったのが「母乳が足りているかどうかわからない」で、次いで「母乳が不足ぎみ」という回答でした。

同じ調査の中では実に9割以上のママが「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と答えていることから、世の中の多くのママが授乳にプレッシャーを感じており、母乳が満足に出ないことを悩んでいる様子がうかがえます。現在、医療機関や助産院などでは産後の授乳支援を行っています。これらの機関で指導を受けた上で、自分で母乳マッサージを行うママが多いようです。

セルフ母乳マッサージを避けたほうが良い場合

自分で母乳マッサージを行う場合、たとえ医療機関や助産院で指導を受けていても、力が入りすぎることもあります。また、誤った方法で行うことでつらさを助長するおそれもあります。特に乳房に強い痛みを感じる、また熱を持っているなどの場合はセルフケアを避け、まずは医療機関で受診するのが安心です。あるいは助産所または助産院や、「桶谷式」などの育児相談室で、助産師から適切な指導を受けてください。

※身体への影響には個人差があります。
※自分で母乳マッサージを行っても症状が改善しない、より体調が悪くなった、痛みが出たなどの場合は早急に医療機関を受診しましょう。