この間、理学療法士さんと話をしていて、「〇〇さん、クローヌスが出てて」と言われました。「そうなんだ、クローヌスが出てるんだ。私の時はあまり出ないけど、どうしてだろうね?」と何事もないかのように答えたんですが、正直、内心では(クローヌスってなんだったっけ?)って思っておりました。
こういうのは意外とあるあるで、職種によって当然知っているだろう知識(=常識)が違ってくるので、その場では何事もなかったかのように受け流しておいて、後でしっかり調べておくというのが半ばルーティンになっています。勿論、その場で何か分かっていないと支障が出てくるような場面では、恥を忍んで「クローヌスってなんですか?」って聞きますけど。この時は、そういう場面ではなかったんです。
クローヌスというのはほんの少しの刺激で筋肉がぴくぴくと動いてしまう現象のことで、動かそうとすると勝手に手足が震えてしまったりします。これは上位ニューロン障害というもので、脳血管障害や脊髄損傷みたいな中枢神経疾患で引き起こされてしまう、運動の抑制が効かなくなってしまった状態です。眠りに落ちる時に身体がビクッとするような、健康な人でもままある現象はミオクローヌスと言います。マッサージをしていてもこのビクッがよく出る方がいらっしゃるのですが、そういう時は疲れていらっしゃるんだなあと内心思っております。(筋疲労でも出ることがある症状です) そうではなくて病的にこのビクッが出る方もいらっしゃって、原因がはっきりしていればそれはそれ、原因が明らかになっていなくても代謝性の疾患や何らかの病気がマスクされている場合もあるので注意が必要ですね。あまり続くようだったり、急にその症状が出てきたなら、専門医にかかった方が良いですと助言することもある症状です。加齢によって出やすくなったりもするので、直ちに病気とつなげて考えるのも違うとは思いますが。
理学療法士さんはクローヌスと表現されていましたが、私自身は下肢に限局した間代性の痙攣とか、運動時に不随意運動が出現するとか表現することの方が多いようです。一つの状態を表すにも色々な表現方法があるので、単純に知識不足という事もあるのですが言葉って本当に難しいですよね。