本を読むのが好きという方の中でも、詩集を好んで読まれる方は少ないのではないでしょうか?
今日はそんな詩のお話です。
日本の詩人といえば、童話作家としても有名な宮沢賢治をご存知の方も多いことでしょう。岩手県が生んだ唯一無二の才能ともいえる彼独自の世界観は、今なお多くの人々を魅了し続けています。
『汚れちまった悲しみに』でおなじみの中原中也も独特の死生観をもった詩人でした。しかしこの中原中也も、宮沢賢治と同じく三十代の若さで早世しています。この二人に共通しているのは、早くにこの世を去り、また生前はあまり世の中で作品が評価されていなかった点ではないでしょうか。
ちなみに現役バリバリの日本の詩人としては、谷川俊太郎氏を挙げねばなりません。
谷川俊太郎氏の詩は、義務教育課程の国語では教科書に採択されているものもあるため、作品を知っている方も多いはず。しかし、彼の真骨頂は詩集にこそあると思います。
自由闊達なスタイルで様々な文章表現をする谷川俊太郎氏は、鋭い感性が魅力であると同時に、一般公開するのはどうかと思わせる背徳的な詩まで、幅広い作家性を持ち合わせています。
多くの作家が生み出す詩という文学は、ごく短い形式でありながら、そこには凝縮された感性があります。
その感性に触れたとき、新鮮な驚きを得るのが楽しみだと、私は思うのです。