外反母趾
母趾中足趾節(ぼしちゅうそくしせつ)関節(MTP関節、足の親指の付け根の関節)が腓骨(ひこつ)側へ外反している状態、すなわち親指のつけ根が外側を向き、第1中足骨頭が内側に向いた状態で通常、痛みを伴う疾患である。発生の原因として先天性あるいは遺伝性の解剖学的要素と、足の指に外から加わる環境因子とが組み合わさり発生したり、関節リウマチなどの病気で発生する。
解剖学的要素とは、親指が人差指より長いエジプト型前足部であったり、第1中足骨頭が巨大であったり、扁平(へんぺい)足であったり、中足骨が内反していたり、腱、筋などの走行に異常があった場合などに出現します。
環境因子は窮屈な履物の常用であり、また路面や床面が硬くなったことが原因としてあげられます。男女の発生では女性が男性の10倍ぐらい発生し、好発年齢は初経期(13~14歳頃)と閉経期(50歳代)の2つのピークがみられます。また前者には高頻度の家族内発生がみられる。
<症状>
親指MP関節において親指のそれより先端が外反し、関節の内側が飛び出しバニオン(滑腋包の腫脹=bunion)を形成して痛みを引き起こす。そして外反変形が進むと親指が人差指の底側に入りこみ、人差指・中指のMTP関節の底側に痛みを伴うタコを形成する。発症の初期には窮屈な履物をはいて行動した時しか親指の基部に痛みは生じないが、症状が進むと裸足で立っているだけで疼痛(とうつう)がでるようになる。また症例によっては、親指以外の他の足指の中足骨骨頭部が痛んだり、痛みのあるタコができたりする。
種類
靭帯性外反母趾
足先の横幅(横アーチ)を支えている横中足靭帯(中足関節)が伸びたり、緩んでしまい親指が小指側に曲がる。