腰痛は人間の宿命?
二本足で生活する人間の骨格は、重たい上半身を腰(腰椎)で支えた不安定な構造になっています。このため腰に無理が積み重なると腰痛をおこしやすくなります。しかし、日常生活での注意や、軽い体操で予防できるので、宿命とあきらめることはありません。
腰痛はなぜ起こる
多い腰痛症・椎間板ヘルニア・変形性脊椎症
腰痛症
長い間座っていたり・立っていたりしていると痛くなる。重く張ったような、だるいような痛みが慢性におこる(慢性) 筋肉の疲れとか、スジの緊張がつみ重なっておきる。
ギックリ腰
(急性腰痛症)
物を持ち上げたり、ひねった後に激しい痛みがおこる(急性)。数日で痛みは治まる。 一種のねんざ、または肉ばなれからおこることが多い。
椎間板ヘルニア
はじめ腰の痛み、次に下肢のいたみ、しびれが続いておこる。立っているときは、腰を曲げないと痛みが強い。セキやクシャミで下肢に痛みがはしる。 椎間板の中心にある、髄核というやわらかい組織が、椎間板の後方に出てきて、腰や足にゆく神経を圧迫して痛みをおこす。
脊椎分離症すべり症
腰痛症と同じ。腰からお尻にかけての痛み、ときに下肢のしびれや痛み。 背骨の後ろの部分に切れ目があり(脊椎分離症)、分離より上が前にすべりだした状態(脊椎すべり症)
発育途中に無理な運動を繰り返すとおこる場合がある。
変形性脊椎症椎間板症
朝の起きかけや、明け方に痛む。起きて、からだを動かすうちに、痛みがやわらぐ。ちょっとした事で、ギックリ腰を起こしやすい。 老化のため椎間板の水分が少なくなり、弾力性がなくなる(椎間板症)。すると、骨のかどに「トゲ」ができる(変形性脊椎症)。
骨粗鬆症
全身の骨が弱くなるが、特に弱くなるのが背骨で、背のびをしたときのように、ちょっとした力が加わるだけで骨がつぶれて立てなくなる。 原因はまだよくわかっていないが、性腺や副腎などのホルモン分泌の異常やカルシウムのとりかたの不足が影響している。
腰痛予防4ヶ条
4つの項目を守って腰痛を予防しよう
ムリな姿勢が腰痛を起こす
安定感のあるよい姿勢を保つには、腹筋、背筋を強くし、背骨を支える事が大切
中腰で重いものを持たない
重いものを持ち上げるときは、物をからだの近くにもってきて、上体をまっすぐ伸ばしたまま持ち上げます。
ふかふかな布団・ベッドは大敵
不自然な姿勢で寝ると、腰によけいな負担がかかります。布団では、敷布団1枚が最適。
ベッドが柔らかすぎると、背のそりが強くなる
うつ伏せは首や腰に無理がかかる
高い枕は首に無理がかかる
いすの高さは足の長さにあわせる
自分の足の長さにあわせて、足首の関節、ひざの関節、股関節がだいたい直角になるのが最適です。