子供の成長を支える栄養と食事〜中学生〜(2023年01月12日 12時00分) ボディケアYAT's

こんにちは!
江東区ボディケアYAT's大島駅前店です!
管理栄養士の矢村さんのコラムです!
ご一読し、参考にして下さい!

今回は中学生頃の食事と栄養についてです。子供は普段の生活にかかるエネルギーと栄養素の他に、「成長」にも使われますので、不足しないよう食事をしていくことが大切です。

男子は身長の伸びがピークとなりますし、女子は生理によって失う栄養素があります。運動部などで活動量が増える子供の場合はエネルギー不足の心配もあり、食事からの栄養補給は重要な役割を持つことをまずは心に留めておきましょう。
その中でも総摂取エネルギー量の確保と、そのエネルギーを構成する一つであるたんぱく質の重要性はコラム「子供の成長に必要な栄養と食事」をご参照ください。

●体を強く大きくするには思春期が勝負!

実は小学生〜高校生の骨折率は増加傾向が続いています。室内遊びが増えたことや、外出機会の減少で日光を浴びていないことが一つの要因だと言われています。
骨量は20歳前後でピークとなり、45歳以降は減少していくため、最大骨量を上げていくことが骨の一生の基盤となります。骨が強くなっていくのは身長の伸びがピークを迎えた後、女子は12〜14歳頃、男子は14〜16歳頃に骨を作る働きがピークとなりますが、この時期を過ぎると食事や運動でいくら努力しても大きく骨量が増えることはないと言われています。中学生の時期が勝負と言えそうです。
骨の発育を促すホルモンが不足しないようにするには、食事のエネルギー量とたんぱく質を十分に摂ることが必要で、その他にも大事な栄養素があります。

■カルシウム
骨の構成要素の一つで、体内のカルシウムの99%は骨や歯に存在しています。その他にも筋肉の収縮にも役立っていて、体を元気に動かし、成長させていくのにとても大切な栄養素です。
食品では、ヨーグルト・チーズなどの乳製品、煮干し・ししゃもなどの魚介類、ひじき、高野豆腐、小松菜などにも含まれています。

■マグネシウム
こちらも骨の構成要素の一つで、神経伝達や各酵素の働きを活性化する役割も持ちます。女の子では生理痛の緩和にも役立ちますよ。
食品では、しらす干し、わかめ、油揚げ、切り干し大根、ごま、アーモンドなどに含まれます。しらす干しや切り干し大根は、お味噌汁に入れても美味しいのでぜひお試しください。アーモンドをおやつの選択肢に入れるのもお勧めです。

■ビタミンD
カルシウムの吸収を助けたり、血液中のカルシウム濃度を保ったりしています。食品では、舞茸・しいたけといったきのこ類、イワシや鮭などの魚介類、卵黄に含まれています。日光に当たることでも作られるため、外での活動も増やしていけるとなお良いですね。

■D H A・E P A
脳の発育や、炎症を抑えることで知られていますが、最新の研究で骨密度を育むことがわかっています。
食品では、さば、さんま、ぶり、鮭、しらす干しなどの魚介類、特に青魚に多く含まれており、上記の栄養素を含む食品とも重なりますので、1日1回は魚類を食べる意識を持ちましょう。

あれもこれも考えると大変になりますので、学校給食がある場合は、給食のメニューもチェックして補い合えると良いですね。

●成長を支える生活3本柱

中学生になってくると、生活スタイルががらりと変わってきます。親の保護下から徐々に離れ、学校や部活動、塾やお友達同士で過ごす時間も増えてきます。食だけでなく考え方にも多様性が生まれ、親としての関わり方も変わってくるのではないでしょうか。
心掛けたいのは、もちろん生活の基本となる「食事・運動・睡眠」です。どれも健全な発育には不可欠。睡眠時間は中学生でも7時間以上が必要になってきます。
負荷がかかる運動も骨を強くしますので、体を動かして日光を浴びるといった基本的なことですが、少ないなと感じる場合は、良い睡眠にもつながりますので、声をかけていきましょう。親子で取り組めることがあると楽しんで続けていけるかもしれませんね。
女子では、ダイエット行動へのケアも重要です。思春期の不適切なダイエットは、メンタルの不安定や、生理が止まる、将来の骨折リスクを高めるなど、良いことはあまりありません。子供の気持ちに寄り添いながらも、栄養をしっかりとって体を作る大切さも伝えていきたいですね。


参考文献:
柴崎真木「食べて速くなる!スイマーの栄養と食事」ベースボール・マガジン社(2022.10.30)
細川モモ・宇野薫「成功する子は食べ物が9割」主婦の友社(2017.12.31)
細川モモ「生理で知っておくべきこと」日経B P(2021.5.6)
「消化・吸収・代謝と栄養素のすべてがわかるイラスト図鑑」MCメディカ社(2020.9.1)