抗不安薬はその名の通り、不安、緊張を和らげる薬です。
日常生活に多大な支障が出るほど、不安や緊張が強い不安障害の場合に処方されます。
ここでは代表的な抗不安薬である「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」についてお伝えしていきます。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用機序には「GABA」と呼ばれる物質が関わっています。
GABAは脳内に多く存在し、興奮を抑え、精神を安定させる神経伝達物質です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬にはGABAの脳内作用を増強する働きがあります。
つまり、ベンゾジアゼピン系抗不安薬がGABAの働きを強めることで、脳内の活動が抑制され、それが心の不安・緊張を和らげることになるのです。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の種類は、服用した薬の濃度が体内で薄まったことを示す「半減期」によって、短時間型、中間型、長時間型、超長時間型に分類されます。
半減期が短いということは、薬物が素早く代謝・排泄されることを示しており、薬の効き目も短いです。
反対に半減期が長ければ、薬が体内で作用する時間が長いことを意味します。
それぞれおおよその作用時間と代表的な抗不安薬もあわせてご紹介していきます。
○短時間型:効果のピークは1時間未満、作用時間は3~6時間
(グランダキシン・リーゼ・デパス)
○中間型:効果のピークは1~3時間、作用時間は12~20時間
(ワイパックス・ソラナックス・レキソタン)
○長時間型:効果のピークは1~8時間、作用時間は20~100時間
(セルシン/ホリゾン・セパゾン・リボトリール/ランドセン)
○超長時間型:作用時間は100時間~
(メイラックス・レスタス)
実際の不安症状に対しては、例えば、急に強まってきた不安症状に対しては、速やかに症状を改善させるべく、短時間型の抗不安薬が適していて、また、不安症状が持続するような場合には、血液中の薬物濃度を安定に保つべく、長時間型の抗不安薬が適しています。
上記のように不安の程度により、使い分けていきます。
いかがでしたでしょうか?
抗不安薬は状態によって処方される薬が違います。
知識として持っておくことで、どのような目的で処方されたがわかりますね。
ご自身の状態に合わせて処方されているかどうか、確り確認してください。
お医者さんが、あなたの状態を理解して処方してくれているか、確認する事が重要です。
薬漬けでお薬に依存した生活にならぬよう、お薬と上手にお付き合いして欲しいと思います。