最近は、カラダを温めて体調を整えていく、
『温活』
というワードが健康雑誌、美容雑誌などで取り上げられ、話題を呼んでいます。
その『温活』で注目されているのが、
お灸です。
お灸って、
カイロと何が違うの?
や、
本当に効果があるの?
と実際に患者さんから疑問の声を何度もいただきます。
また、
昔からのイメージで、
お灸は熱い、
痕が残る、
といった印象を持っている方も多い印象でした。
しかし、
お灸の効果は科学的にも証明されつつあり、
現在では、
心地よい温熱刺激のお灸が主流で、
身体に痕が残ることもありません。
今回は、お灸について取り上げていきます。
▶お灸とは
お灸とは、
もぐさを燃やし、
熱でツボと呼ばれる皮膚上のポイントを刺激することにより、
病気の症状や身体の不調を緩和する東洋医学の治療法です。
一般的にお灸に使われる“もぐさ”は、
ヨモギの葉の裏の綿毛(毛茸と腺毛)を精製したものです。
原料となるヨモギは日本全国に自生するキク科の多年草で、
さまざまな薬効成分(健胃、利尿、解熱、止血等)が含まれています。
なかでもヨモギの有効成分として着目したいのがシネオール。
ローズマリーやローリエなどの葉にも含まれているもので、
もぐさを燃やしたときの爽やかですっきりとした独特の香りには、
リラックス効果があるとも言われています。
▶お灸の効果
●血流改善・痛みの緩和
温熱刺激により周囲の毛細血管が拡がり、
血管を流れる血流量が増加することによって血液循環の改善に作用します。
また、
温熱効果によって血管が収縮・拡張することによって局所の充血やうっ血を調整し、
炎症をやわらげる効果もあります。
●免疫・代謝機能の向上
温熱刺激を与えることで、
サイトカインが分泌され、
白血球が活性化されることから、
免疫力が向上すると考えられています。
また、
皮膚の下にある筋肉や血管、
リンパ節が刺激されることで細胞が活性化し、
免疫作用がアップします。
リンパの流れが改善されるため、
むくみの解消にもつながります。
また、
熱刺激によるダメージを受けた細胞が修復する際に、
ヒートショックプロテインというタンパクが分泌され、
免疫細胞の働きを強化するとされています。
●腸内環境改善
東洋医学では、
皮膚表面と内臓を結ぶ情報伝達系のルートを経絡といい、
その上の特定の場所を経穴(ツボ)と呼びます。
その中には自律神経を整え、
胃や腸の運動を促すツボ、
腸のデトックスを促すツボなども。
これらのツボをお灸で刺激することにより、
胃腸の活動が活性化され、
結果として腸内環境の改善が期待できます。
⚫自律神経の正常化
灸は、モグサを燃焼させるため、
徐々に熱量が増して、
徐々に熱が冷めていきます。
すると、
熱量の増加に合わせて、
局所の血管は徐々に拡張し、
その後ゆっくりと時間をかけて収縮していきます。
このように、
熱刺激で血管に働きかけて、
血管の運動性を高めると、
血管を動かしている自律神経が本来の働きを思い出して、
正常に機能するようになります。
ただ温かいだけではなく、
様々な効果を持ち合わせているお灸。
皆さんも是非、
セルフケアとして取り入れてみてはいかがでしょうか。