こんにちは!
本日はバンカート損傷です。
バンカート損傷は肩関節脱臼に併発する症状のことで、脱臼した際に肩甲骨の関節窩にある関節唇を剥離したものをバンカート損傷、関節窩が骨折をしたものを骨性バンカート損傷と言います。
また、上腕骨頭側にも骨折が見られることもありこれはヒルサックス病変と言います。
前回ブログでも出てきた関節唇ですが働きを覚えていますでしょうか?
関節唇は関節窩の周辺に付着することで関節窩を深くしすることで安定性を高める働きがあります。
この関節唇が剥離すると不安定な関節となります。
肩関節脱臼は前方に多いので前方の関節唇の剥離が多く見られ、前方への不安定性が増してきます。
するとさらに前方へ抜けやすくなり反復性の肩関節脱臼となってしまいます。
良く言われる脱臼が癖になるやつです。
バンカート損傷の程度が軽度の場合は保存療法を行います。
肩甲骨周囲、腱板などを鍛え脱臼を防ぎます。
損傷がある程度ひどい場合は手術をすることも多々あります。
手術は鏡視下バンカート修復術などがあります。
剥離した関節唇を外し、靭帯を縫合、その後関節唇を縫いわせるといった手順となります。
術後は3週程度固定をしていきます。
三角巾などでよく見る内旋位固定が一般的でしたが近年は外旋位で固定した方が予後が良いとの報告もあります。
その後徐々にリハビリをしていき日常生活、スポーツ活動へ復帰といった流れです。
修復術後は腕を後ろに回さない、就寝時の姿勢などに配慮しなければなりません。
また、修復術を行ったからといってもう脱臼しないわけではないので常日頃から腱板に刺激を与え関節の安定化を図ることが大事です。
今回はここまでとします!
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