「夏の肌の疲れが、秋口の肌トラブルや肌老化につながるって、ホントですか?」というご質問がありました。
『夏にたまった体の疲れは、秋の初めにどっと出る』などとよくいわれます。それは肌も同じ。
その背景には、紫外線などの外的なダメージだけでなく、体内リズムの乱れによる新陳代謝の低下があり、そのまま秋を迎えると、体の内側からも肌老化が進んでしまう心配があります。
そこで、この季節に知っておきたい肌の状態と、内外からの正しいケアについて、ご説明いたします。
【夏を過ごした肌の疲れは予想以上!!】
この季節になると気になるのが、肌の夏疲れ。紫外線による刺激や日焼け、エアコンによる乾燥が、シミや肌荒れの原因になることは多くの方がご存じの通りです。
しかし、そのダメージが秋口の肌トラブルや肌老化につながりやすいことは、あまり知られていません。
肌は強い紫外線から身を守るため、表皮の奥で紫外線を吸収するメラニンという色素を作っており、特殊な機器で見ると“シミのもと”ができている場合が少なくありません。
さらに肌の乾燥が進めば、外部の刺激から体を守る角層のバリア機能も低下して肌が荒れやすくなります。
また同時に、肌は体の健康状態を映し出す鏡でもあります。寝苦しさによる睡眠不足、栄養バランスの乱れ、冷たいものの摂り過ぎや冷房などによる冷え、ストレスなど、実は新陳代謝を低下させ肌の細胞が元気を失う大きな要因になります。
肌の夏疲れは、実は表面的なものだけでなく、体の深いところからのSOSと言えます。
【季節の変わり目は、自律神経の乱れも影響】
さらに朝と夜の気温差が大きくなる秋は、私たちの生命活動を司っている自律神経の働きが乱れやすい時季です。特に年齢を重ねると、副交感神経の働きが低下して、交感神経が優位な状態になりやすいといわれています。
交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮して血液循環が悪くなり、紫外線などのダメージによる新陳代謝の低下に拍車がかかり、肌のターンオーバーの周期が乱れやすくなります。
ターンオーバーが遅くなると、角層の古い細胞がはがれ落ちず厚くなるため、肌の透明感がなくなります。
それが、9~10月にくすみに悩む女性が増える大きな理由の一つと考えられます。
肌がゴワゴワした状態なので、バリア機能も当然弱くなり、下図のような“負のスパイラル”に陥る心配があります。
一方、肌荒れや炎症などでターンオーバーが早くなり過ぎるのもよくありません。通常よりも保湿力の弱い未熟な細胞が表面に出てきてしまうため、角層はカサカサに。肌の水分の蒸散を防ぐ皮脂膜もうまく形成できず、この場合もバリア機能の低下につながります。
そうなると、紫外線や顔に付着するほこりや花粉などの物質に対するガード力も弱くなり、肌の細胞が元気を失って、肌老化が進む心配があります。
【内外から正しくケアで美しい秋の肌に】
夏疲れの肌を癒やし、本来の健康な肌を取り戻すには、体内のリズムを安定させる内側からのケアが大切です。
そして、外側からは保湿によるケアが重要。そのために、下記のような生活習慣をぜひ取り入れてみてください。
いくつになっても、健康的な生活習慣と適切なケアを続ければ、体内の鏡である肌もすこやかな美しさを取り戻すでしょう。