水に溶ける水溶性食物繊維は腸内をゆっくり移動して腹持ちを良くし、水に溶けない不溶性食物繊維は腸を刺激して便通を促す⋯⋯。
このように食物繊維は従来、どちらかというと物理的な性質で語られることが多かった。でも、現在は食物繊維の違った側面にスポットが当たるようになった。
キーワードは、"ファーメンタブル・ファイバー" 直訳すると「発酵性食物繊維」
食物繊維が役立つのは、腸内細菌がそれを発酵して有益な物質を作るか。分類はどうあれ、腸内細菌がどのくらい活発に発酵するかが重要だ。
ゆえに、発酵性を軸に食物繊維を評価する考えが主流になってきた。全粒穀物、海藻、イモなどに含まれる水溶性食物繊維は、総じて発酵性が高い。一方、葉野菜などに多い不溶性食物繊維のセルロース、植物の細胞壁に含まれるリグニンなどは、発酵されにくい。
ただし、不溶性でも、全粒穀物中のヘミセルロースやレジスタントスターチのように発酵されやすいものもある。もっぱら便通だけに絡めて語られる時期もあったが、今後は発酵のしやすさで食物織維をチョイスしよう。