栄養源となる食物織維が慢性的に足りない状況に追い込まれると、腸内細菌と腸内環境は、どう変わるのだろう。
「腸管のバリア機能が破綻し、それによりアレルギーや花粉症などを引き起こすこともあります」
腸管は、余分なものが体内に侵入するのをブロックするバリア機能を持ちます。それが崩壊すると、本来なら腸管が拒絶するような有害物が侵入。アレルギーなどのきっかけとなる。
なぜ食物繊維不足が、腸管バリアを壊してしまうのか。
腸内細菌は、腸管内を自由にフワフワと漂っているわけではない。腸管を作る細胞が分泌し、腸管を薄く覆う粘液層を棲み処にしている。
「この粘液層の主成分は糖質とタンパク質が結合した多糖類の一種。食物繊維が乏しくなると、腸内細菌はこの多糖類をエサとして食べ始めます。粘液層は腸管表面を守るバリアでもありますから、これが減ってバリアが薄くなれば、腸管をスルーして入り込む異物が急増。それでアレルギーや花粉症といったネガティブな症状が起こるのです。」