2018年12月1日 更新
【体験ルポ19】気分はアジアン☆芸術的足ツボに酔いしれた夜|新宿三丁目・杏林康楽庵 編
非日常って意外と近くにあるんだ
三島由紀夫や黒澤明も愛した新宿三丁目最古といわれる酒場、『どん底』のそばに、本格整体と足ツボの専門店がある。
金曜夜7時半。外国人もわんさか、店の外まではみ出して豪快に飲み騒ぐ男女を尻目に向かった先は、繁華街のど真ん中、雑居ビルの5階にある杏林康楽庵(きょうりんこうらくあん)さん。
店に入ると外界の喧噪は見事にシャットアウトされ、ここだけ時が止まっているかのようだ。思わず、「防音、すごいですね」と、どうでもいいことを口走ってしまう。
本日、編集部員Fがネット予約したコースは足ツボ60分(初回限定4,500円)。
『アジアンテイストたっぷりで、異国に迷い込んだような雰囲気』『非日常空間なのに、なぜかとっても落ち着く』という口コミにすっかり旅スイッチを刺激され、1週間の終わりに新宿で逃避行しようと思い立ったのである。
キター!感涙レベルの足ツボ。しかも完全個室で!
で、肝心の施術はどうだったのか?
結論からいおう。かつて狂ったようにアジア各国を訪れ、旅先で必ずといってよいほど足ツボマッサージを受けてきたが、ここ杏林康楽庵さんの足ツボは、自分がこれまで経験した中でトップクラスのクオリティだ。
まず、ホスピタリティがすごい。足ツボ単体のコースなのに、まさにアジアンテイストのゆったりとした個室で、ベッドで寝ながら施術を受けることができ、可愛らしい着替えも無料で借りられる。
さらに施術の前後には温かいお茶のサービス。バラの花びらが浮かんだ足湯でリラックスできるのもうれしい。
もちろん技術も申し分なし! 足にたっぷりジェルをつけると、担当の趙さんは指の腹、関節、手のひらなど、あらゆる場所を巧みに使って縦に横に、そして円を描いたり、げんこつでかかとをトントンしたりと、よどみのない動きでツボというツボを丁寧に刺激していく。まさに技のデパート状態!
空いている足は、冷えないようタオルで包みビニールシートでラッピングするという細やかさだ。
そして、この店の人気を底支えしているのが、施術者の人柄だといっていいだろう。
足裏の内側のヘリを押されたとき、思わずイタタ…と声を上げると、「腰ですね」と一言。それ以外、余計なことは一切話さない職人気質の趙さんは、新宿三丁目の高倉健と呼びたくなる人。
しかもその沈黙に威圧感は全くなく、店全体がほんわか温かなムードに包まれているのだ。
フィナーレは熱く、艶やかに!!
さて、ひととおりツボ刺激が終わると、蒸しタオル+ビニールシートで足全体をスチームパック。そしてとどめのもみほぐし。タオルがクッションになって気持ちい~♪ しかも、タオルの上からなのに、まったくツボを外さない。足三里、しっかり効いてまーす!!
足を包んでいたタオルで丁寧にジェルをふき取り、いよいよ終わりかと思いきや、趙さん、両手を合わせて足全体を豪快にタッピング。さっきまでの静寂を破り、健さんがスカパラに変身した瞬間だ。
キレのある軽快なサウンドが店じゅうに鳴り響く。艶やかなフィナーレ!! さすが健さん、いや趙さん。見せ場作るな~
着替えを済ませて個室を出ると、「どうでしたか?」と満面の笑みで迎えてくれたので、私も趙さんに倣ってミニマルな言葉でこう告げる。
「最高でした!!」。
パンパンだった足はすっきり、しっとり。憑き物が落ちたように軽くなった体で店を出ると、三丁目界隈はさらにパワーを増している。
しかし、そのパワーに負けない自分がそこにいる。つい2時間前は老人のように疲れ果てていたのに、今はまっすぐ帰りたくないティーンエイジャーの心境だ(この表現がすでにティーンエイジャーではないのだが)。
つくづく思う。マッサージって体を楽にしてくれるだけじゃない。心ごと、魂ごとリセットしてくれるんだなって。
帰り道、末広亭の前を通るとイケてる若者の行列が……。
平成生まれの若きアーティストたちが、末広亭の“深夜寄席”を一夜限りジャックし、ヒップホップイベントを行うようだ。やるな~、末広亭♪
街灯もかわいいぞ!
本日受けたコース
【初回限定】 足ツボ60分 4,500円(税込)
◆立地と内容を考えると、この料金は良心的!
◆夜型人間にも優しい朝5時までの営業!
◆着替えの無料貸出あり!
<サロンはサイト掲載を終了しております>