「バンザイ体操」のすすめ
普段、自分は姿勢が悪いと自覚しているは、一日1回は、壁にに背を着けて立って、ニュートラルポジション(横から見ると、耳、肩、大転子が一直線で繋がっている状態の姿勢)を確認することをオススメします。そのときバンザイをします。腕がちゃんと耳のところまでいっているかどうかをチェックします。いまできていなくても、続けていけば必ず伸びるようになります。
バンザイには多くの効果があります。身体の中心にきれいなS字をつくること、肩から背中の筋肉をつけること、丸まった背中や腰をのばすこと。それに、肩こり、首の痛み、頭痛、腰痛、みんなこのストレッチが有効です。
では、始めてみましょう。壁に背中をつけたときの姿勢のまま、壁から離れて立ちます。バンザイをしてみましょう。腕は、できればまっすぐより後ろに。上から吊り上げられているように、両腕をしっかりグーッと上に伸ばし、肘もしっかり伸ばします。その状態のまま、顎を引いて、顎を引いたまま、上を向きます。できましたか?むずかしいですか?首の後ろを硬い感じがしますか?その辺りが硬い人は正しく上を向くことができていません。いつも楽な姿勢でいる人は、下の頚椎が前に曲って、上の頸椎でグッと顔を持ちあげているからです。頭を後ろに反らせるときは、頚椎7個がきれいにそろって反っていないといけないのです。硬い人は上の頚椎だけで上を見ているのです。
どうすれば、曲がった頚椎がきれいに揃って、上を向くことができるか。そのためには、下から、つまり胸椎からつくり上げていかないと曲がりません。首だけでは上は向けないのです。
もっと言ってしまえば腰椎からつくり上げないといけません。腰椎が硬い人は、その上の胸椎も硬くなるからです。腰痛のストレッチは次の機会で紹介します。ここでは腰椎より上の話をします。
まず、胸椎から反って上げるためにバンザイをします。バンザイをして胸椎から反った状態をつくり上げてから、下の頸椎を柔らかくします。曲がった頸椎を伸ばすためには顎を引きます。顎を引くことで下の頚椎は後ろに反ります。
しっかりと顎を引いたまま、ゆっくりと後頭部を後ろに倒していきます。口は開けてかまいません。これがバンザイから上を向く流れです。
次に、上を向いた状態で、口をとがらせます。うーんと口をとがらせて1、2、3。そして口をもどします。
今度は口をとがらせたまま首を右に傾け、1、2、3。それから左に傾け、1、2、3。首筋の筋肉を伸ばすつもりで、とがらせたまま、首だけを動かします。滑らかな動きで左右交互に。
上を向いて口をとがらせるなんて動きは、日常ではまずありません。普段使っていないところを使っているな、という感じがするはずです。顎の下のたるみの予防にもなります。口をとがらせたまま、真ん中に戻したら、次はへの字口にして、首筋の筋肉が張るように力を入れながら、頭を前に戻します。
首の痛い方や、ストレートネックの方は戻すときに滑らかに戻せず、痛みを伴うことがあるので、首の下の筋肉に手伝ってもらいます。首筋の筋肉の広頚筋は、鎖骨あたりから顎のあたりについているので、力を入れることで、ボウリングの球くらい重い頭を戻すのを助けてくれます。
戻りました。まだ顎は引いたままです。今度は右を向いて、1、2、3。左を向いて、1、2、3。戻りました。この間、ずっとバンザイをしています。今度は、バンザイの腕がちょっと邪魔になりますが、横に倒します。首の横の筋肉を伸ばすつもりで行いましょう。右に倒して、1、2、3。戻して、左に倒して、1、2、3。戻します。
最後は、自分の脇を覗き込むように、頭を斜め前に下げます。右に1、2、3。戻して、左に1、2、3。戻します。これでバンザイした腕を下ろしてください。これがバンザイ体操のバリエーションです。
まだ終わりではありません。終わった後に背筋が伸びた感じがしたのではないでしょか。筋力が落ちている人は首や肩や背中に疲れも感じていると思います。もし途中で腕が疲れたり、しびれてきたら、無理せず休憩を挟んでください。もし余裕がある方は、さらに柔軟性が必要な次の方法も試してみてください。手を組んだままバンザイをして、手のひらを天井に向けた状態で同じことをしてみましょう。
これを1日1~2回行なってみてください。普段使わない筋肉の血行が良くなり、こりや痛みが緩和されます。