【大腰筋のはなし】
こんにちは^_^
整体×ヨガのプライベートサロン
Refresh Labo R.I.T.整体師の伊藤です^_^
今回は【大腰筋】について書いていきます。
前回【腸骨筋】の記事でも大腰筋には触れていますが、
大腰筋は中々奥深い筋肉ですので今回はその辺りのことを記事にしていきます。
大腰筋の主な働き
大腰筋の主な働きは以下の通りです。
大腰筋の働き
・股関節屈曲0° : 大体骨頭を求心位にする
・股関節屈曲〜45° : 脊椎の前弯(直立)
・股関節屈曲45°〜 : 股関節屈曲の求心性収縮
少しややこしいですね…
補足としてこちらを頭に入れておくと分かりやすいかと思います。
【求心位】…骨頭の中心と関節窩の中心が合わさっている状態
【求心性収縮】…筋の起始と停止が近づくように短縮し収縮すること
【遠心性収縮】…筋が収縮しているにも関わらず、結果として引き伸ばされて筋が長くなる状態
大腰筋の働きは
股関節の角度によって変化します。
0°〜45°は遠心性収縮
45°〜は求心性収縮となります。
求心性収縮は分かりやすいですね。
例えば上腕二頭筋で例えると
ダンベルを持ち上げる状態です。
遠心性収縮は持ち上げた重いダンベルを、
ゆっくりと降ろしていく動きになります。
大腰筋の走行
大腰筋は胸椎の12番〜腰椎5番から起始し
大腿骨小転子に停止します。
人の身体には600を超える筋肉がありますが、脊椎〜下肢まで伸びる筋肉は大腰筋のみです。
それだけ聞いても重要な筋肉の感じがぷんぷんしますね!
大腰筋は、起始部から停止部まで至る過程で
恥骨結節を跨ぐ形で通ります。
ココが面白いポイントで、大腰筋は
恥骨結節を「てこ」としてパワーを発揮します。
走行を横から見たら分かりやすいです。
(下の画像参照)
このような走行をしていることで
股関節の角度によって収縮の仕方が変わる仕組みになっており、
大腰筋が幅広い役割を担うことが伺えますね。
大腰筋と日常生活
大腰筋は股関節屈曲0°〜45°で遠心性の収縮を行います。
ここで、日常生活を思い浮かべてみてください。
例えば歩いてるとき、股関節を45°以上に曲げるタイミングはあまり多くないと思います。
そう考えると普段の生活で大腰筋が発揮するのは
遠心性収縮の方がメインになります。
大腰筋は体幹の深くにあるインナーマッスルとして
重力に逆らう形で直立する身体を支えるため(抗重力筋)
股関節を安定させ、腰椎を前弯させることで歩行時の重心移動をサポートしたり、
横隔膜の張力を高め腹圧を高めることで体幹を安定させてくれています。
大腰筋と関連性の高い部位
大腰筋(腸腰筋)とハムストリングス
股関節屈曲を行う大腰筋(腸腰筋)の拮抗筋としては
股関節伸展を担うハムストリングスが挙げられます。
例えば歩行時には大腰筋の遠心性収縮と
ハムストリングスや臀部の筋肉との連動性が重要となります。
荷重がかかった側の股関節を大腰筋が安定、腰椎を前腕することで重心の移動
ハムストリングスの股関節伸展作用によって前進。といった具合に
連動があることでスムーズに歩行することができます。
ここでいずれかの筋肉がうまく働かない場合、
周りの他の筋肉でカバーして動くため(代償動作)
周りの筋肉に余計な負担がかかってしまい、股関節のねじれや骨盤のゆがみにつながってしまいます。
大腰筋のケアやトレーニング、歩行動作の修正などを考える上では
ハムストリングスや臀部の筋肉との連動を高める視点も重要となります。
大腰筋(腸腰筋)と横隔膜
大腰筋は位置関係的に横隔膜と関連性が強い筋肉です。
横隔膜は呼吸筋として重要なだけでなく、身体の内圧をコントロールし体幹の安定性を維持したり
結果として自律神経にも強く関わりのある重要な筋肉です。
(横隔膜についてはこちら)
大腰筋は腰椎を前弯させる作用をもつことから、
横隔膜の張力を高める機能を担っています。
横隔膜の張力が高まれば、腹圧は高まり体幹の安定性は向上します。
また、肋骨を下げ呼気を深くすることに繋がるため
深い呼吸を行い副交感神経の亢進にもつながります。
(=自律神経のケア)
間接的ではありますが、大腰筋の影響は自律神経にまで及ぶということになります。
大腰筋(腸腰筋)と腰方形筋
大腰筋は腰方形筋とも密接な位置関係にあります。
腰方形筋は腰痛時に痛みを感じやすいポイントの筋肉です。
腰方形筋は体幹の側屈や体幹を安定させる働きを持つ筋肉です。
大腰筋と腰方形筋は密接な位置関係にあるため、
腰痛が起こった際に大腰筋は高い確率で関連性を持ちます。
腰方形筋は
・体幹の側屈
・腰椎の伸展
・呼吸筋としての役割
など担っていますが、それぞれに発揮するパワーは弱く、
体幹を安定させる役割のほうが大きいため、筋単体で腰痛を引き起こすことは考えにくいです。
施術をするうえで、腰痛の原因には臀部やハムストリングスの過緊張によるものが多いですが、
それら筋肉の拮抗筋である大腰筋の活性度合いも重要となってきます。
腰痛改善を目指す上では大腰筋は大切なポイントです。
大腰筋(腸腰筋)と内臓
大腰筋は脊椎付近を走る深層の筋肉なため
位置関係的に内臓とも関連性が考えられます。
腸の下を通る大腰筋(腸腰筋)の働きが良ければ
腸に刺激がいくため蠕動運動を助けることになったり、
逆に腸の動きが悪く、腸腰筋に重く乗りかかるような状態であれば
筋肉の働きを邪魔してしまう可能性も考えられます。
また、臓器の中でも腎臓は腹膜の後ろ側に位置しているため(腹膜後器官)
腸など他の臓器が腹膜に包まれているのと違って
腎臓は大腰筋とダイレクトに密接しており
互いに影響を及ぼしあっていると考えられます。
このように大腰筋(腸腰筋)は内臓とも繋がりが深い部位です。
互いに影響を及ぼし合うため、可能ならば相乗効果で身体を好転方向にしていきたいところですよね。
内臓を自分で意識的に動かすことはできません。
であれば大腰筋(腸腰筋)をしっかり使ってあげることが重要となります。
大腰筋(腸腰筋)はかなり深層にあるインナーマッスルですので意識的に動かすのは難しい筋肉ではありますが、
筋肉の走行や機能を知っておけば結果的に筋の活性化につながるケアを行うことは可能です。
そういったセルフケアもまた投稿していきますね(*^^)
大腰筋のはなし まとめ
【大腰筋】いかがだったでしょうか。
何か参考にしていただけると幸いです。
気付けば2000文字を超える文章になってしまいました。。
ここまで読み進めてくれる人がいることを願います。(笑)
また、この文章は自分でも色々な文献等読み漁って勉強しながら、
整体施術での経験も踏まえながら書き進めています。
間違った認識や不備などもあるかもしれません。
その時はどうかコメントでご指摘いただけますと嬉しいです。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
また見に来てね~(^^)
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伊藤