活性酸素、ご存じでしょうか?
この活性酸素、疲労と大きく関係があるんです。
まず、疲労といってもその種類は様々で、運動などによる身体的な疲れ、ストレスなどによる精神的な疲れ、免疫力の低下などによる疲れがあり、実際はこれらが複合的に絡み合っていると考えられます。
一般的に、疲れはよくないというイメージもありますが、“休みなさい”という体が発するメッセージであり、生きていくために必要な警報です。
では、疲れている時に体の中ではどんなことが起きているのでしょう。実は、疲れの発生の際に中心的な役割を果たしているのが今回のタイトルでもある「活性酸素」です。
私たちの細胞には血液によって栄養と酸素が運ばれ、その栄養を酸素で燃やして、活動のためのエネルギーをつくっています。酸素が燃える時に生じるのが活性酸素です。
活性酸素は増え過ぎると細胞をさびさせて老化を進めますが、通常は体に備わっている抗酸化力が働いて、過剰な活性酸素を除去しています。
しかし、活動量が増えたり、ストレスや環境から心身に負担がかかったりすると、そのぶん細胞はがんばらなくてはならず、多くの酸素を使ってエネルギーをつくろうとします。
その結果、活性酸素も大量に発生。体内の抗酸化力が追いつかず、細胞自体がさびついていきます。そうなると、細胞の中で栄養をスムーズに燃やすことができず、エネルギーの産生が落ち、疲れを感じるようになります。
活性酸素が関与する主な疾患にほこういったものがあります。
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、胃潰瘍、肺炎、脳血管性痴呆症、アルツハイマー型痴呆症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、白内障、未熟児網膜症など。
活性酸素を減らすためにできること
・タバコを控える
タバコの煙には活性酸素や、その発生を助長する有害物質が数多く含まれています。血液中に入ると、動脈硬化の原因となる酸化LDLをつくる原因ともなります。
・アルコールをとり過ぎない
肝臓がアルコールを分解するときにも、活性酸素が発生します。飲む量の多い人、アルコールに弱い人は、とくに注意が必要です。
・軽めの運動をする
激しい運動をすると呼吸量が急増し、活性酸素の発生を促します。反対にウォーキングや水中歩行程度の軽めの運動は、抗酸化酵素の働きを高め、体の酸化を抑えます。
・ストレスをためない
ストレスを受けると一時的に血液の流れが悪くなり、これが元に戻るときに活性酸素が発生します。これを繰り返すことで、酸化が促進されます。
・紫外線をさける
紫外線に当たると、皮膚細胞でも活性酸素が生成され、シミやシワの原因となります。男性でも外出時は帽子をかぶる、日光に長時間当たらないなどの紫外線対策が必要です。
・抗酸化作用の高い食品を摂る
食べ物には、活性酸素の働きを抑えるさまざまな抗酸化成分が含まれています。たとえばキウイやイチゴ、トマトなどに多く含まれるビタミンCや、ナッツ類、大豆などに多いビタミンEなどのビタミン。
ビタミンCやEには、細胞の酸化(老化)を防ぐ働きがあるからです。
また、ここでは具体例はあげませんがポリフェノール、カテキン、βカロチン、リコペン、フラボノイド、セサミノール、含硫化合物、アスタキサンチンなどが含まれる食材にも抗酸化作用があるとされています。
体に備わる抗酸化力は、加齢とともに低下する傾向があるので、栄養補給では栄養バランスとともに、抗酸化成分を様々な食品から補う工夫が大切です。
身体を酸化させないように活性酸素を意識して生活や食習慣を変えて疲れにくい身体を作っていきましょう!