これまで「座るというのはお尻で身体を支える 」と考えてきた方にとっては、「座っているのに脚も支えとして参加している」というアイデアは頭では理解できても、感覚的にピンとこないかもしれません。
ここでは、それを簡単に体験できるワークをご紹介します。
一つ目は「お尻だけにかかっている重心を足裏にも移していく」方法です。
お尻から重心を脚に移していくためには、骨盤が椅子の上で自由に動けるようになる必要があります。
お尻(坐骨)に全部の重さをかけたままだと、骨盤は動かしにくいのでちょっとした工夫をします。
両手を太腿の裏側、坐骨より少し膝よりの部分と座面の間に挟むようにして入れてください。
骨盤が前後に動きやすくなったのがわかりますか。
これだけで背中や腰が軽くなった感じがする方もいるはずです。
骨盤がなめらかに前後に傾く動きができるようになるのを確認したら、そのままゆっくりと身体を前に傾けてください。
いわゆる「お辞儀」の動きです。
このとき肩や背中など身体全体の力を抜いて、その重さを足裏で受けとるような感覚を持ってください。
膝の真下に足裏の土踏まずがくるようにして、脛がまっすぐ立つようにします。
そして、ある程度前にかがんで足裏にしっかりと重さがかかったら、今度は足裏で地面を踏んで身体をゆっくり起こしてきてください。
このとき、背中の力を使って身体を起こさないようにしてください。
骨盤から上は脱力したまま、足裏で床を押す反作用で身体が起こされてくるのを感じながら、ゆっくり戻ってきてください。
両足裏とお尻の3点で身体(頭~骨盤)を支えているのが感じられますか?
お尻に座りこんでいたときに比べると上半身の力が抜けて、脚を含めた下半身がどっしりしているはずです。
この状態では、脚を組んだり、貧乏ゆすりをするという気はまったく起こらないはずです。
骨盤の動きがスム ーズになったら、今度は太腿の下に置いていた手を抜いて、腕を前にぶらさげるようにして前屈してみてください。
上半身の力がより抜けて、背骨がすっきり伸びるのが感じられたら、また先ほどと同様に床を足裏で踏んで起きあがってきます。
このとき、背骨がゆるんで伸びやかになっている状態を足裏で支えるように意識してください。
「楽に座る」というのは結局上半身をどこで捉えるか、という部分にかかってきます。
このワークを続けることで、上半身を骨盤の上に乗せる癖がつき、仕事中の無駄な肩・背中への緊張が無くなるため、疲れにくくなると思います。
こういった「ボディワーク」は、日本よりも海外で盛んに研究されています。
今回のやり方は「フェルデンクライス・メソッド」というものです。
日本だと「体は直してもらうもの」ですが、ヨーロッパのほうだと「身体は自分でコントロールするもの」という考えが強いので、セルフケアの手順がほぼ確立されています。
ほかにも「アレクサンダー・テクニーク」というものもあり、目指すのは「身体の統合・再教育」というものです。
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