ボキボキ鳴らす整体は危険?首・背中など避けるべき部位や効果を解説

腰から背中の整体施術シーン

整体院で自ら施術を受けたり、もしくはテレビで芸人が施術を受けたりしているのを見て、「ボキボキ」「パキパキ」「ポキッ」と体のどこかから音が鳴るのを聞いたことはありませんか?

「音が怖い」「痛そう」といったイメージを持たれているこの『ボキボキ整体』は本当に安全で、果たして効果が高いのでしょうか。

 

今回はボキボキ音の正体をはじめ、効果や安全性音をわざと鳴らす理由について解説します。

整体を受けるか迷っている方や、体へ悪影響がないか心配な方はぜひ参考にしてください。

1.整体でよくあるボキボキ音とは?

首の整体施術シーン

「整体の施術中に鳴るボキッて音は何なの?骨が折れたわけじゃないよね?体の歪みが一瞬で直った音?」と疑問に思いますよね。まずはそのボキボキ音の正体と、効果について解説します。

1-1.整体のボキボキ音の正体は「気泡が弾ける音」

後ほど詳しく説明しますが、ボキボキ音は「関節包の中で気泡が弾ける音」です。『クラッキング』とも呼ばれています。

身近な例でいえば、指の関節をポキポキ鳴らすのと同じ原理です。つまり、歪んでいた骨格や骨盤が元に戻ったり、骨や関節が折れたり、擦れたりしているわけではありません。

 

下のイラストをご覧ください。ボキボキ音が出現する、関節のつなぎ目です。

関節の基本構造

出典:くれないきりんのあしあと

イラストを見て分かるように、骨と骨のわずかな隙間には、動きをスムーズにするための関節液(潤滑液)があります。そして、液体の周りを関節包が覆っています。

ボキッという音は、関節をグッと曲げたり引っ張ったりして、関節が今現在の可動域(動かせる限界範囲)を超えた瞬間に鳴ります。関節包の内部が陰圧に(外部より圧力が低く)なって液体内に気泡が発生し、それが弾けることで音が生じる、というのがメカニズムです。

ちなみに施術の際は、ボキボキ音が必ず鳴るわけではありません。体格差や施術技法によって、鳴らないケースもあります。

 

ボキボキ音の正体は長らく不明でしたが、最近ようやく解明されてきました。X線やMRIで関節周辺を撮影した結果、音が鳴った時に気泡像が現れ、その後気泡像が消えることが分かったのです。

ちなみに、一度ボキッと鳴った後にしばらく鳴らせないのは、破裂した気泡の細かい粒がまだ液体内に残っているため陰圧にならず、新たな気泡を生み出しにくいからといわれています。

 

以下にボキボキ音の参考動画を載せておきます。音が苦手かもしれない方は注意してください。頭、首、腕、背中、腰、足指と、関節がある場所ならどこでもバキッと鳴らせることがわかります。

1-2.実は音を鳴らさなくても効果は同じ

「一瞬で体の歪みが直った!」と効果絶大に感じられるボキボキ整体ですが、実は音を鳴らさない「ソフト整体」と効果はさほど変わりません。

なぜなら音を鳴らすことに効果はなく、あくまで矯正をおこなう過程でただ音が鳴っているに過ぎないからです。

 

このボキッという音が鳴る矯正法は、「スラスト」「高速スラスト」「高速低振幅操作(HVLA)」などと呼ばれています。関節部分を強く引っ張ったり、素早く回転させたり、曲げたりする技法です。

ボキボキと音を鳴らす矯正法の一番の目的は、関節の可動域を広げることです。加えて、筋肉を緩める、体液の循環を良くするといった目的もあります。筋肉や関節を揉んだり揺らしたりして優しく矯正するソフト整体と、目的はまったく同じです。

だとしたら、異なるのは“音が鳴るか鳴らないか”という点だけです。

 

つまり、音を鳴らしても体への直接的な効果がないとしたら、ボキボキ整体とソフト整体の効果に差はないといえます。ボキボキ音が苦手なら、音を鳴らさないソフト整体を選べばいいのです。

 2.ボキボキ整体の安全性について

首や腰が痛い男性

ネット上には「ボキボキ整体は危険」という意見が多く見られます。本章ではボキボキ整体の安全性や、施術を避けるべき人の特徴をお伝えします。

2-1.首や背中を無理やり鳴らすのは危険!

ボキボキ整体は、やや衝撃はあるものの意外と痛みはなく、基本的に安全性が高い施術です。気泡が弾けるからといって、必ずしも体に悪影響が及ぶわけではありません。

しかし、力任せに関節を曲げたり、同じ動作を何度も繰り返したりして、首や背中で無理やり音を鳴らす施術は危険です。

 

実際、スラスト法による首の施術の一部(専門用語では“頚椎の急激な回転伸展操作”といいます)は、人体に損傷を与える危険性が高いため、厚生労働省によって禁止されています。過去には、アメリカでカイロプラクティックの首の施術を受けた男性が、脳卒中および半身まひになってしまった事例もあります。

 

また、禁止とはされていないものの、背中から腰あたりに強い衝撃を何度も与え、無理にボキッと鳴らそうとする施術もたいへん危険です。首や背中には「頚髄(けいずい)」「脊髄(せきずい)」という重要な神経が通っており、これらが損傷すると麻痺やしびれ、感覚障害など、重大な障害が生じる可能性があります。血管まで傷ついてしまうと、脳卒中や脳梗塞を起こすリスクも出てきます。

 

とはいえ、教育を受けて正しい知識を身に付け、経験を積んでいる整体師であれば、このような危険な行為は避けるべきだと理解しているので、基本的には安心して任せましょう。教育を受けていれば、特に首の回転・伸展操作は絶対にNGだと教え込まれています。

より安心して施術を受けたいなら、どのような施術をおこなうのか整体師に聞いてみるといいでしょう。また、思わず「痛い、痛い」と感じる施術だった場合は、遠慮せずにその旨を伝え、すぐに施術を中止しましょう。

2-2.ボキボキ整体を受けないほうがいい人の特徴

ほとんどの方は心配ありませんが、高齢者や妊婦の方、もしくは音そのものが怖い方には、残念ながらボキボキ整体は適していません。

 

高齢者や妊婦に対しては、体への負担が懸念されます。例えば高齢者であれば、加齢によって関節がすり減ったり、骨がもろくなったりしてします。中には、関節リュウマチや骨関節変形、骨粗鬆症になっている方もいるでしょう。関節を急激に動かす矯正法は、関節や骨に負担が掛かる恐れがあるため、避けましょう。

同じように、胎児のいる腹部への影響を考えると妊娠中の方にもボキボキ整体は向いていません。

 

また、ボキッという音が怖く感じる方も、無理して受ける必要はありません。人は恐怖を感じると体にムダな力が入ってしまい、筋肉が硬直してしまいます。矯正によって筋肉をほぐしたいのに、体に力が入っているせいでうまく緩められなかったら、中途半端な施術で終わってしまうかもしれません。怖い思いをして頑張っても不調が改善されなかったら、お金と時間のムダですよね。

 

どうしても整体を受けたいのであれば、ボキッという音を鳴らさず、優しい手技で体への負担を考慮した「ソフト整体」をおすすめします。ボキボキ整体をウリにしていても、要望があれば音を鳴らさないように工夫してくれる整体院もあるので、一度整体師に相談してみましょう。

3.整体でわざと体をボキボキ鳴らす理由

首の整体施術シーン

ボキボキ整体は、音を鳴らさないソフト整体と比べて、実は効果にほとんど差がありません。

では、なぜ音を鳴らすのでしょう。その理由を探りました。

3-1.長年の施術方法を変えられないから

これまでずっとボキボキ鳴らす施術法に取り組んできたから、今更変えられない、という整体院は数多くあります。

 

これには一理あり、ボキボキ整体とソフト整体の目的や効果が変わらないとしたら、体の不調を改善できるかどうかは、もちろん知識があるのは大前提ですが、整体師個人の細かい技術に左右されますよね。

そのため、長年の経験で培った技術にとても自信があり、体の不調を解消するためにはボキボキ鳴らす施術が必要、と整体師が考えているのであれば、ボキボキ整体をやめるわけにはいかないのです。

 

ちなみにボキボキ鳴らす矯正法は専門用語で「スラスト法」と呼ばれていますが、これは国内外の整体院で古くから取り入れられているテクニックです。歴史ある技法だからこそ、効果に対しての信頼があるとも考えられます。

3-2.パフォーマンス目的

良い悪いは別として、実はボキボキ音をパフォーマンスにしている、つまりウリにしている整体院もあります。

これは3-3「お客さん側の要望があるから」で解説する内容にも少し関わるのですが、お客さん側に「おおっすごい!劇的に体が良くなった気がする!」と思ってもらうための、マジックのようなものです。

 

薄々気付いている方もいるでしょうが、これは有名な心理学「プラシーボ効果」を利用しています。過去の様々な実験によって、プラシーボ効果は体に大きな影響を与えるとわかっています。整体院側の工夫でわざと音を鳴らすことで、音を鳴らさない施術よりも大きな効果があった、とお客さんは思うわけです。

無理やり力任せに関節を引っ張ったりして、間違った方法で音を鳴らすのは絶対にNGですが、正しい方法で鳴らした結果心身が健康になるのであれば、ある程度のパフォーマンスも必要といえます。

3-3.お客さん側の要望があるから

整体院側の理由ではなく、実はお客さんから要望があって、わざと音を鳴らすケースもあります。ボキボキ音をリクエストする理由は、前述したように大きな効果を感じられるからです。同時に、ボキッと鳴らす施術が快感でクセになっている方も大勢います。

 

そもそもボキボキさせる施術の一番の目的は関節の可動域を広げることなので、ボキッと鳴った後は少なからず、今までより体の曲げ伸ばしなどが楽になるはずです。加えて音が鳴ったことで、「えっ一瞬で体が楽になった!すごい!」と感じるのが、お客さんがボキボキ整体にハマるきっかけです。

そして、例えば「指ポキ」「首ポキ」を自分で繰り返しているといつの間にか習慣化しているように、ボキボキ整体の爽快感がクセになるケースが数多くあります。そのうち、ボキボキ鳴らしてくれる整体院しか行きたくない、と完全にハマッてしまうのです。

4.まとめ

腰が痛くて両手で押さえる男性

整体でのボキボキ音の正体は、関節を急激に動かした時に、関節の潤滑液の中で気泡が弾ける音です。

簡単にいえば、自分でおこなう「指ポキ」「首ポキ」と同じ原理で、骨や関節が折れたり、擦れたりしているわけではありません。

 

実はソフト整体と効果は変わりませんが「ボキッ」と音を鳴らす爽快感にハマる方が多く、昔から根強い人気を誇っている施術です。

高齢者や妊婦、音が怖い方を除けば、施術を受けることに問題はありません。ただし首や背中で無理やり音を鳴らすのは危険を伴うので要注意です。音が怖い方は「音を鳴らさないでほしい」と要望を伝えれば、対応してくれるケースもあります。

 

気になった方はぜひボキボキ整体を試してみてください。逆に怖いと感じた方には、音を鳴らさないソフト整体がおすすめです。

自分に合った整体院を見つけて、肩こりや腰痛など気になる不調をケアしましょう。

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