糖質制限を無理なく続ける!ダイエットを効果的にする3つの方法

糖質制限方法_ic

「とにかく効果が実感できる!」、これが糖質制限の最大の魅力なのではないでしょうか。

かくいう筆者も、糖質制限を採り入れた食事を行っていますが、真っ先に感じたのは「食後に眠くならない」こと。

炭水化物、いわゆる主食をとるかどうかで劇的に違います。

これまで食後に眠くなる理由としては、「消化のために血液が脳に不足するから」「ホルモンの影響」などが考えられていましたが、食事という行為ではなくその内容で大きな違いが出るということは……?

この点について、岡田研吉医師がたっぷりと話してくれました。

1.食後に眠くなるのは当たり前、ではない!

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「食後の体に起こる変化のうち、血糖値に注目した場合、食べ物は大きく2種類に分けられます。

血糖値を上げる炭水化物などの糖質と、上げないたんぱく質や脂質ほか糖質以外です。

血糖値が上がるとすい臓からインスリンという血糖値を下げる働きのあるホルモンが分泌されますが、これが食後に眠くなる大きな要因なのではといわれています」(岡田先生、以下同)

私たち現代人の脳のおもな栄養源はブドウ糖ですが、食後一気に増えた血液中のブドウ糖を減らそうとインスリンが通常よりも大量に分泌されます。

すると反動で一時血糖値は通常より低くもなるため、脳への供給もダウンし、活動が低下する。つまり眠くなるというわけです。

2.糖質制限がダイエットに効果的な理由

前置きが長くなりましたが、実は「インスリンの分泌」こそが、糖質制限ダイエットの重要なポイントとなるのです。

「ごはんやパンなどの糖質を食べる食生活、いい換えれば食後にインスリンが大量に分泌されている状態では、余分な糖質は中性脂肪に変えられて脂肪細胞などに蓄積されます。

中性脂肪というのは私たちのエネルギー源のひとつで、肉類などの脂質が代謝されることでも生じますが、要約すればインスリンは食べ過ぎた糖質を脂肪に変える働きを持っているといえます。

またインスリンには既存の体内の脂肪の代謝を抑えてしまう働きもあるとされています」

なるほど。肉などの脂質も中性脂肪にはなるけれど、インスリンは分泌させない。

つまり、炭水化物を脂肪に変え、さらに今ある脂肪も減らさないインスリンが、というか、インスリンを出させてしまう唯一の栄養素、炭水化物が肥満の最大の要因だろうということなんですね。

でも、そこでひとつ気になることが。炭水化物を食べないと、脳の栄養源となるブドウ糖が足りなくなってしまうのでは?

「血液中のブドウ糖が不足した場合、私たちの体にはたんぱく質から糖をつくり出すこと(糖新生)などで血糖値を一定に保つ仕組みがあります」

脳の活動低下は、最悪、私たちの命にかかわる大問題。

それだけに、その主要な栄養源となるブドウ糖の供給システムがちゃんと体には備わってるんですね。

3.恐るべき糖質の魔力に打ち勝つための3つの方法…というか掟!

効果が実感しやすい糖質制限ダイエット、なんですが、これがなかなか続かない。数日ほど「断糖」してると、もう無性にご飯が恋しくて恋しくて。

「大盛り・おかわり自由」なんて看板が目に入ったが最後、気持ちを抑えきれず駆け込んで……先生、どうしたら糖質へのリバウンドなく続けられるんでしょうか?

そこで先生は方法、というか守らねばならない「オキテ(掟)」を教えてくれました。

第一のオキテ 【糖質の魔力を意識せよ】

「私が糖質制限をするようになって『変わったな』と思うのは「精神が落ち着いてきたこと」ですね。

昔からの知人にも「フラフラと浮ついた行動や発言が減った」と驚かれてます (笑) 糖は脳関門を通り抜けて直接脳に入れます。

つまり脳へダイレクトに影響を与える、具体的には強い快感をもたらすといわれています。

「甘いものを食べて幸せな気分になる」「糖質をいきなり極端に減らすとイライラする」といった状況は、要するに糖による中毒的な状態といえます。

私たち人間は自ら考え、行動しているつもりでも、実際は脳の出す命令を「自分がやりたいことだ」と感じてしまう生き物です。

だから、甘いケーキを食べてしまう。食べ過ぎれば、だるく、つらい状態が待っている。それが経験上わかっていても、どんどんと……。

こうした、糖質によって脳は喜ぶが、実は体はうれしくないという事実を認識したうえで、糖質制限への第一歩を踏み出してください」

当然のように主食が糖質だった私たちは、実は中毒であることにすら気づいていなかったと。

第二のオキテ 【必ず時間をかけて減らすべし】

「あくまでも『制限』ですから、断つのではなく、相対的に減らす傾向へ持っていく。この点が一番重要となります。

生真面目な人ほど一気に糖質ゼロにしてしまう傾向がありますが、ほとんどのリバウンドの原因はそれです。

今までが炭水化物漬けともいうべき体なのですから、慣れるまでに1年や2年はかかって当たり前。

絶対に急がず、たとえば、まずは1日1食分を炭水化物抜きにするとか、体に急激な負担を与えないよう、徐々に行うことが大事です。

体の代謝機能が低糖質食を理解するよう、感じとしては、抜き足、差し足、忍び足のように減糖していただきたいですね」

「ゆっくりでいいですよ♪」、ではなく、「ゆっくりじゃなきゃダメ」、なんですね。

第三のオキテ 【根本的な体質の改善とともに】

「肥満の要因としては、炭水化物もそうですが、便秘や冷え性など現在の体質もそのひとつと考えられます。

私の専門は漢方ですが、こうした症状の根本的な改善を図るための処方を糖質制限と合わせて用いることで、ダイエット自体に直接的な効果が得られます。

また、たとえば、もともとストレスに弱く、イライラしやすいタイプの人なら、その改善のための処方を用いることで、糖質制限を続けやすくするという間接的な効果もあげられます」

すでに多くの患者さんで糖質制限と漢方治療の相乗効果が上がっているそうです。

4.過信し過ぎず、自分なりのスタイルを見つけよう

さて、今回はとくに誇張することなく「糖質制限のいろいろな事実」を紹介してきたつもりですが、なんともいいことづくめで、メリットしか見当たらないような……。

でも、取材の最後に岡田先生が語ってくれました。

「もう少し長い目で見ることも必要でしょう。現状では確かにメリットが多いようです。

ただ少なくとも私たちの体は長い年月をかけて糖に慣れ親しんできてしまっているわけです。

たとえば、糖新生という体のシステムがあるから“究極的・最終的には糖質ゼロでもいい”という考えもあるようです。

しかし人間の体はいくつもの要素が合わさって全体を構成する完全な複雑系であり、一面的に捉えることはできません。

短期的によい面がたくさん見つかっても、長期的に見たらわからないことは多いにあると考えられます。

また、今回お話した内容は基本的に、糖尿病の治療などを行っている方ではない、健常者の方に向けてのものとなります」

メリットは大きいと考えられる一方で、わかっていないこともなくはない。

そんな事実を念頭に置いて、ゆっくり確実に、自分に合った糖質制限のスタイルを見つけていくのがよいでしょう。

取材協力:岡田研吉
医師、岡田医院院長。1972年、東邦大学医学部卒業。ドイツ・リューベック医科大学留学中に東洋医学を志す。帰国後、名古屋聖霊病院・藤枝市立病院に勤務する傍ら、国立東静病院で漢方療法を学ぶ。1982年に北京中医学院(現・北京中医薬大学)に1年間留学。東京・玉川学園で岡田医院を開業し、現在に至る。『素問次注集疏(上・下)』『傷寒論考注(上・下)』(学苑出版社)校点出版 『宋以前傷寒論考』(著書)など東洋医学の刊行物にもかかわる。

 

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