■頑張りすぎが招く「リバウンド」という結末
食事は、私たちの体だけでなく、心にとっても大切な栄養補給の時間です。その時間が、「あれはダメ」「これもダメ」という禁止事項だらけの、緊張を強いられる義務になった瞬間、ダイエットは苦行へと変わります。
「食事=怖い、面倒」という感情は、強いストレスとなり、かえって食欲を乱す原因にもなりかねません。そして、何より「頑張りすぎるダイエット」は、絶対に長続きしません。
糸がプツンと切れたようにやめてしまった時、待っているのはリバウンドです。頑張って制限していた反動で、以前より食べてしまい、体重も心も大きく揺り戻されてしまうのです。そんな悲しい結末は、絶対に避けたいですよね。
■本当に頑張るべきことは、たった一つだけ
では、どうすればいいのでしょうか?
答えはシンプルです。一度、あなたが決めた複雑なルールや「〜べき」という考えを、すべて忘れてみてください。
ダイエットで本当に頑張るべきこと、意識すべきことは、究極的にはたった一つ。
「アンダーカロリー」の習慣をつくることです。
つまり、「摂取カロリー(食べる量)」が「消費カロリー(動く量)」を毎日少しだけ下回る状態を、無理なく続けていくこと。あなたが頑張るのは、この小さな差額を作ることだけで、それ以上頑張る必要は一切ありません。
例えば、
いつもランチで頼むご飯を、半分にしてみる。
毎日飲んでいた甘いカフェラテを、ブラックコーヒーに変えてみる。
夕食後のお菓子を、一個だけ減らしてみる。
こんなことでいいのです。この「ほんの少し」を毎日続けていれば、体は正直ですから、おのずと変化していきます。体重計の数字に一喜一憂せず、この習慣が続いている自分を褒めてあげてください。
■栄養バランスは、その後からで大丈夫
「でも、タンパク質とか、栄養バランスも考えないと…」
真面目なあなたほど、そう思うかもしれません。もちろん、栄養は大切です。しかし、ダイエット初心者が一度にすべてを完璧にやろうとすると、情報量が多すぎて必ずパンクしてしまいます。
まずは、最も重要な「アンダーカロリーの習慣化」という土台を作りましょう。
その習慣が当たり前になって、心に余裕が生まれてきたら、次のステップとして「ご飯を玄米にしてみようかな」「お肉を魚に変える日を作ろうかな」と、少しずつ知識を増やしていけばいいのです。焦る必要は全くありません。
■あなたの食事は、楽しいですか?
ダイエットは、我慢大会や短期決戦ではありません。あなたのこれからの人生を、より健康で豊かにするための、賢い「習慣づくり」です。
期間限定で始めるのでなく、これからの生活にずっと導入させるものですから、きついルールで縛りたくないですよね。
体重の変化は、すぐには現れないかもしれません。でも、今日の小さなアンダーカロリーが、確実に3ヶ月後のあなたを作っています。
どうか、食事の時間を「楽しい時間」に戻してあげてください。
「これを食べたら太る」ではなく、「これを食べたいから、その分どこかで調整しよう」と、前向きに食事と向き合う。その心の余裕こそが、リバウンドしないダイエットを成功させる一番の近道です。