あなたは
ストレッチをしますか?
お風呂上がりの前屈。
テレビを見ながらの開脚。
仕事の合間の背伸びや肩回し。
ストレッチをして
体をリラックスさせているはずなのに、
朝から感じる疲労感
朝ベッドから起き上がるときの体の重さ
ずっと続く首や肩のコリ
足腰のダルさ
ひざなど関節の違和感
5年前から何ひとつ変わっていない…
むしろ悪化しているかも…
そう感じることはありませんか?
もしこの感覚に心当たりがあるなら
ストレッチの方法が
間違っているのかもしれません。
問題は、
伸ばしている「場所」ではなく
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伸ばしている「深さ」のズレです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
体は柔らかくなったけど
不調は続いている…
あんまりストレッチの効果を感じない…
自分のやり方って合ってるのかな…
そんなことを感じているなら
続きをお読みください
==================
伸びているのは脳の錯覚?
==================
まず、興味深い話からお伝えします。
ストレッチを続けて
以前より柔軟性がアップしたとき
私たちは「筋肉が伸びて柔らかくなった」と考えます。
ところが、
アメリカのリハビリ分野専門誌に載った
レビュー論文で
このようなことがまとめられました。
「ストレッチで筋肉そのものが
物理的に長くなる効果は一時的で、
しばらくすると元に戻る。」
といった内容です。
つまり
通常のストレッチで筋肉を伸ばす効果は
一時的だということ。
では、毎日続けて可動域が広がったのは、
何が変わったのか。
これはまだ研究段階ですが、
現在有力とされているのは
「伸ばされる感覚に対する
脳の許容範囲が広がっただけ」
という説明です。
たとえば
熱いお風呂に毎日入っていると、
同じ42度でも熱いと感じなくなります。
お湯の温度が下がったわけではなく
感じ方のほうが変わっただけです。
筋肉がやわらかくなったと感じるのも
これと同じだということ。
ストレッチを続けて
前屈で足のつま先に
指が届くようになったのも
筋肉が5センチ伸びるように
なったのではなく
「まだいける」
と脳が判断する地点が
5センチ先に移動しただけ
かもしれないのです。
ストレッチをして筋肉を
リラックスさせても
体の不調は改善しないと
感じる理由は、ここにあります。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
==================
筋肉には2つの層がある!?
==================
筋肉には
「浅い層」と「深い層」があるのを
知っていますか?
「浅い層」とは
太ももの裏、お尻や肩の表面の筋肉です。
前屈や背伸びで「伸びている」と感じるのは
皮膚のすぐ下にあるこれらの筋肉だけ。
手で触れることのできる
表層の筋肉です。
実はその奥に、もう一層あります。
「深い層」の筋肉とは、
・腸腰筋(背骨と太ももの骨をつなぐ筋肉)
・多裂筋(背骨に沿った細かい筋肉)
・骨盤底筋群
・斜角筋、肩甲挙筋(首や肩の筋肉)
など姿勢を支え続けている筋肉たちです。
この二つの層は、働き方が根本的に違います。
表層の筋肉は、
意識して動かせますし、
意識して休ませられます。
机の上のコップを取るときに
腕を伸ばす筋肉や
階段を上るときに
足をあげる筋肉です。
反対に、
深層の筋肉は、
意識しなくても
常に働き続けている筋肉です。
あなたが眠っている間も、
椅子に座っている間も、
ただ立っているだけのときも、
骨盤と背骨が崩れないよう支え続けています。
デスクワークでパソコンを触っている時も
首や肩が崩れないように支え続けています。
これらの筋肉は
休憩時間がありません。
一日中家から出なかった日も、
この筋肉たちだけは働き続けています。
「今日は動かなかったから
疲れていないはず」
と思っていても、
無意識に使われ続け
疲労している筋肉があるのです。
では、この疲労した深層の筋肉を
放置し続けるとどうなると思いますか?
=======================
「疲れ果てた筋肉」の問題点とは
=======================
常に使われ続け
疲労した筋肉は
ガチガチに硬くなっていきます。
硬く、うまく動かない筋肉の状態で
運動を続けると困ったことが起きます。
それは
筋肉のバランスが崩れ始める
ということ。
本来は深層の筋肉が担当している
「姿勢を保つ」
「関節をぐらつかせない」
という地味な仕事を、
表層の大きな筋肉が肩代わりし始めます。
太ももの前や、腰やひざの表面の筋肉です。
体を支える深い筋肉が
うまく働かないので、
使われやすい
〜〜〜〜〜〜
表の筋肉ばかりが
〜〜〜〜〜〜〜
消耗していきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「運動しているのに、以前より疲れやすい」
「歩いた翌日に太ももの前だけパンパンに張る」
という感覚はありませんか?
これらは全身の筋肉を
バランスよく使えていないことが
原因かもしれません。
ここでストレッチの方法が
間違っているかもしれない
という話に戻ります。
表面だけを伸ばすストレッチは、
シャツのシワを
手のひらでなでて
伸ばす作業に似ています。
見た目は整いますし、その場は気持ちいい。
ただ、
シワの原因が縫い目のねじれにある場合、
なでても翌朝また同じ場所に同じシワが寄ります。
つまり
浅い層の筋肉にしか効かない
ストレッチをしても
深い層は硬いままだということです。
毎日ストレッチしているのに
翌朝また同じところが硬くなっている…
なんか効いている気がしない…
これがその感覚の正体です。
ここからは少し怖い話かもしれません。
=================
体に訪れる故障のサイン
=================
奥の層が硬いままだと、
日常で何が起きるか。
床に落ちたものを拾う場面を
思い浮かべてください。
本来は股関節が深く折れて、
背中はそれほど丸めずに手が届きます。
ところが
股関節の奥の筋肉が
硬くなり自由に動かなくなると、
床に届かない分の角度を
どこかが肩代わりしなければなりません。
その担当が、腰と、ひざです。
一日一回なら、どうということはありません。
ただし
靴下を履く、
階段を上り下りする、
車に乗り降りする、
洗濯物を拾う、
しゃがんで棚の下のモノを取る。
これらの動作が
一日に何十回も繰り返されると、
話が変わってきます。
腰やひざへの負担が溜まり
やがて歩けないほどの痛みに
変わってしまうのです。
実際、慢性的な腰痛のある人は、
そうでない人に比べて
股関節の可動域が狭い傾向が
報告されています。
ではどうやって深層の筋肉を
柔らかくすればいいのでしょうか。
==================
深層の筋肉を刺激する方法
==================
深い筋肉層を刺激して
やわらかくする方法は、
「もっと強く、もっと長く伸ばす」
ではありません。
ポイントは3つです。
一つめは、伸ばす前に一度、軽く力を入れること。
二つめは、入れた力をフッと抜くこと。
この「入れてから力を抜く」方法は、
じっと30秒キープするやり方より
可動域が広がりやすいと、
複数の研究で一致しています。
三つめは、呼吸を合わせること。
深層の筋肉がギュッと締まっていく感覚と
息を吐くタイミングを合わせます。
手では届かない深層の筋肉も
呼吸と連動させると刺激できるのです。
カラダに痛みや違和感が出るなら
自己流はやめてください。
============
まとめ
============
今日の話をまとめると
・筋肉は「浅い層」と「深い層」
2つが存在する。
・ストレッチをしても
「浅い層」の筋肉しか刺激できていない
可能性がある。
・「深い層」の筋肉は
無意識のうちに疲労していく。
・それが筋肉や姿勢のバランスを崩し、
疲労や関節の不調の原因になる。
ということでした。
もし
体は柔らかいけど不調がある
慢性的な疲れがある
関節の痛みや違和感が続いている
そんなことを感じているなら
「深い層」の筋肉が
疲れているのかもしれません。
ストレッチや運動をするなら
「深い層」の筋肉を
意識してみてください。