朝目覚めたときに感じる「睡眠休養感」が、健康にとって重要であることが2022年に発表された研究でわかってきました。特に高齢者は寝床にいる時間が長く、睡眠休養感の低い人は死亡リスクが高くなることも判明しました。
睡眠休養感とは、睡眠の質を測る指標で、睡眠によって朝起きた時にどれだけ体が休まったと感じたかを評価したものです。研究では、健康には睡眠休養感と床上時間が関連していることが示されました。
床上時間とは、寝床で過ごす時間のことで、実際に寝ている睡眠時間に加えて、寝床に入ってから寝付くまでの時間や睡眠中の自覚のない覚醒を含めた時間をいいます。
研究で高齢者は、睡眠時間と死亡リスクの関連はみられませんでしたが、床上時間が長いほど死亡リスクが高くなることがわかりました。特に、睡眠休養感がなくて床上時間が8時間以上の人は、睡眠休養感があって床上時間が7時間ほどの人と比べて、死亡リスクが約1.5倍を超えていました。
一般的に必要な睡眠時間は加齢とともに短くなっていき、60歳では1日6時間ほどの睡眠時間で十分だとされています。しかし、若い頃と同じ睡眠時間を確保しようとして寝付けないのに無理に寝床に留まってしまう人もいます。このような場合、寝付けないことがストレスになって睡眠の質が下がってしまうことがあります。
・睡眠休養感の低下による影響
睡眠休養感の低下が健康に悪影響を与える理由はいくつか考えられます。1つは睡眠で休養がえられた感覚が低いと、日中に疲労感が残って活動量が低下することです。日中の活動量が低下すると、夜の寝付きが悪くなる悪循環に陥り、フレイル(加齢によって起こる心身の虚弱)の状態につながりやすくなり、さらに睡眠の必要量が低下しやすくなります。
睡眠休養感を向上させるには質の良い睡眠をとることが必要です。副交感神経が優位な状態になると眠りに陥りやすくなります。副交感神経は、食事中や睡眠時などの身体・気分が落ち着いているときに優位になり、心身共にリラックスした状態になります。
寝る直前に熱いお湯につかると、体を緊張させる交感神経が優位になり、夜の寝付きが悪くなってしまいます。寝る直前の激しい運動やスマートフォンやタブレットを見るのも交感神経を優位にしてしまうので避けましょう。
HANAReでは睡眠の質を向上させるための施術を行っています。
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