脳と睡眠は深く関わっています。
脳には、海馬という領域が存在していて、記憶をつかさどっています。近年の研究で、記憶力は海馬の大きさに関係していることがわかっています。海馬が大きければ、記憶力が良く、一方で海馬が小さいと、記憶の定着が悪くなります。
海馬の大きさは、生まれつきのものではありません。海馬は自分の努力で大きくすることができます。人間の脳にある神経細胞は、生まれてから死ぬまで、右肩下がりで減っていきます。しかしその中でも海馬だけは例外で、増やすことができます。そしてその成長と深く関連しているのが睡眠になります。十分な睡眠は海馬を良く育て、睡眠不足は海馬を縮ませてしまいます。その1番の原因は、ストレスにあると考えられます。睡眠不足になると、自分がそう感じていなくても心身ともに大きなストレスがかかります。勉強や仕事などが、やる気に満ちていて、深夜まで集中力が続いていたとしても、心身は睡眠不足を感じている可能性があるのです。
睡眠は年齢によって適正とされている時間があります。しっかり睡眠をとることは、勉強や仕事の効率を上げるだけではなく、脳の健康維持や認知症の予防にもつながります。
今日まで睡眠不足の生活を続けてきたからといって、取り返しがつかないわけではなく、睡眠不足を改善すれば、海馬(脳)はまた成長を取り戻します。生涯にわたって脳の健康を保てるように、きちんと睡眠をとりましょう。