睡眠時間をしっかり守っても、疲れが取れないように感じることがあります。しっかり深く眠れないと、疲労は解消されず、筋肉の成長や成長ホルモンも正常に分泌されなくなります。
睡眠は大きくノンレム睡眠とレム睡眠に分かれ、4回のサイクルを回るとされます。私たちが眠りについた直後はノンレム睡眠の1段階であり、非常に浅い眠りに入っています。次の段階は約25分間持続するノンレム睡眠2段階で、筋肉がリラックスして深い眠りに入る準備をします。筋肉が完全にリラックスすると、軽く叩いてもわからないほど深い眠りに入ったノンレム睡眠3段階に入り、この段階を過ぎるとレム睡眠に入ります。
1度眠りにつくと、この4段階のサイクルが4から5回ほど繰り返されますが、このうち、筋肉の回復と成長ホルモンが分泌される段階は深く眠ったノンレム睡眠3段階であり、睡眠の質を高めるためにはノンレム睡眠3段階の時間を増やすことが重要です。
ノンレム睡眠3段階を増やすためには、まず炭水化物の調節が必要です。論文によると、炭水化物摂取量と睡眠の質に対する相関関係を調べた結果、炭水化物を多く摂取した場合より少なく摂取した場合、徐波睡眠の時間と割合が高くなった。炭水化物を多く摂取した場合には、総睡眠時間に差はなかったが、レム睡眠の時間と割合が高くなったとされています。
2つ目は、ピンクノイズを流して寝ることです。ピンクノイズとは、「ザー」という雨音や滝の音などに例えられます。ホワイトノイズは同じ周波数の音を一定の強さで伝えるため、しばらく聞いていると疲れるという人もいるかもしれません。ピンクノイズは周波数が高い音ほど弱くなる特性がある低周波なので、ホワイトノイズよりも若干なめらかです。研究により、ピンクノイズには寝つきをよくするだけでなく、熟睡と記憶の定着を促す作用もあることが分かっています。
3つ目は、温水シャワーをあびることです。就寝1~2時間前に40~42度の温水でシャワーを浴びることは、睡眠の質を高めるとされています。
この他にも、神経系を覚醒させて筋肉の弛緩を妨げるカフェインは、最低就寝6時間前からは摂取を避けるべきとされ、30分以上の昼寝は睡眠の質に悪い影響を与える可能性があるとされています。
睡眠の質を高めるためにご自身の生活を見直してみましょう。