日本人の睡眠時間は世界的に見て、1時間ほど短い睡眠不足大国です。
日本人が睡眠不足になる主な理由が3つあります。
・働きすぎ
日本人の労働時間は、年間では減少傾向にあるものの、平日1日あたりの労働時間は増えています。土日に休む分、残業時間が多く、米国やフランスの約3倍という報告もあります。
長時間労働で睡眠時間が削られ、結果的に生産性が低くなるという皮肉な状況になっています。
・長すぎる通勤時間
通勤時間の長さも一因です。都市部でその傾向が顕著で、通勤時間と睡眠時間が完全に逆相関しているのです。
平成28年の社会生活基本調査の結果ですが、通勤時間と睡眠時間の関係を分析すると、平日は、通勤時間が長い都市部の人ほど睡眠時間が短いです。休日については、どの都道府県でも平日より多く寝ていて地域差も小さくなっています。また、通勤時間が長い人ほど休日に長く寝ています。
通勤時間はビジネスパーソンにとって削ることはできません。都市部で働く人の多くは、通勤ラッシュと睡眠不足ストレスが重なるため、疲れやストレスが多くかかります。
・長すぎるスマホ利用
もう1つの大きな要因は、IT機器の使用時間が格段に増えたことです。
東京都が睡眠不足の人に原因をリサーチしたところ、過半数がスマホとパソコンを挙げています。特にスマホは起きている間、手離さず、近くにないと具合が悪くなるという声もあるほどです。
寝る時間が削られるだけではありません。IT機器の液晶画面から発せられるブルーライトは睡眠のリズムを乱すほど強力ではないとしても、寝る1~2時間前までSNSやメールなどネット上でのコミュニケーションをすれば感情が揺さぶられ覚醒度が高まり、眠りの質が低下します。
労働時間、通勤時間、スマホ時間、これらに個々の仕事や家庭の事情も加わって睡眠時間が圧迫され厳しい状況が生まれています。
ご自身の健康のためにも睡眠時間の確保はするようにしましょう。