何もせずが脳を疲労させる(2024年04月02日 11時01分) ドライヘッドスパ HANARe

毎日の仕事や学校、家事など、忙しく疲れやストレスがたまりやすくなっていて、帰宅後や休日の時間に疲れを取るため、今日は家で何もせず過ごそうと考える人も多いと思います。

しかし、何もせずにぼーっとするという時間は最高のリラックス法のようで、実は疲れを取るという点から考えるとあまりおすすめできる方法ではありません。ぼーっとしている時間、体はエネルギーを使わずに済みますが、脳は休まらない状況に陥りやすいためです。

最近の研究で、何もせずぼーっとしているときの状態は、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という神経回路が活発化し、むしろ脳が疲れやすくなると考えられています。

DMNは、完全にエンジンが切れておらず、いつでも動き出す準備ができている状態です。エンジンはかかったままなため、DMNが活性化しているときは、脳の60～80%のエネルギーが使用されているともいわれています。

DMNが活性化していると、一切稼働していないときよりも脳が迅速に反応できるため、危機管理や新しいアイデアを生み出すのには効果的だと考えられています。また、DMNは体のリラックスや記憶の整理にも効果があるため、必ずしも悪いものとはいえません。しかし、その分脳のエネルギーは使われているので、「体は休まっているけれど脳の疲れは取れない」という状態に陥りやすいのです。

みなさんも、休日に何もせずゴロゴロと過ごしていたのに、何となく疲れが取れた感覚がしない、という経験はありませんか? これは何もせずにいることでDMNが活性化し、脳が疲労して疲れも取れない、という現象が起こっていると考えられます。

DMNが活性化していると、さまざまなアイデアが入ってくる反面、余計な情報が生み出されるリスクもあります。何もしないでいると、どうでもいいことを考えてしまったり、不安が強まったりすることがあると思います。これもまさにDMNの弊害といえます。

特に嫌なことが起こった後やストレスがたまっているときには、DMNによってマイナスの思考が強まる可能性が高くなります。そんなときは、ぼーっとするよりも散歩や軽い作業などに集中する時間を確保するようにしましょう。

DMNは悪者ではないのでゼロにする必要はありません。ただ、知らないうちに疲れをためてしまわないよう、何かに集中するときと体を休めてあげるとき、などメリハリをつけるようにしましょう。