更年期に入ると、「最近、夜はよく眠っているのに、昼間に眠くて仕方がない」「夜なかなか寝付けず、昼間とても眠い」と、眠気に悩まされる人が増えてきます。この眠気などの睡眠の変化は、更年期症状の可能性があります。しかし、活動しなければならない日中の眠気はつらいものです。そこで今回は、なぜ更年期には眠気が起こりやすいのか、眠気を軽減するための対策やケア方法をご紹介します。
原因は、自律神経の乱れです。男性も女性も、更年期には性ホルモンが急激に低下します。性ホルモンの急低下によって、脳がパニックを起こし、自律神経が乱れてしまいます。自律神経の役目は、体温から血圧、心拍、消化など、生命活動の根幹をコントロールすることです。その自律神経が乱れると体にさまざまな症状が現れてきます。
その1つが、睡眠のバランスの乱れです。そのため、日中の眠気や夜なかなか寝付けないなどの睡眠に関する症状が起こるのです。睡眠に関する症状の対策として集中力を高める呼吸と、血流アップさせるストレッチがあります。
・集中力を高める「ボックス呼吸法」
日中眠いと感じたときに試してほしいのが、ボックス呼吸法です。腹式呼吸が意識できるよう両方の手をおなかに当て、おなかがふくらんだりへこんだりするのを感じながら行います。
1.鼻からゆっくり4秒かけて息を吸う。
2.そのまま4秒キープする。
3.4秒かけて口からゆっくりと息を吐く。
4.息を吐ききったまま4秒キープする。
1~4の一定のリズムの呼吸を5回程度繰り返します。この呼吸法は、自律神経のうち、興奮させる作用をもつ交感神経と、リラックスさせる作用をもつ副交感神経のバランスを整え、眠くなったときに集中力を高める効果があります。
・ストレッチで血流をアップして目を覚ます
椅子に座りながらできる眠気対策ストレッチを紹介します。
1.椅子に座り、背筋を伸ばす。
2.両手を頭の後ろで組む。
3.肘を後ろに引いて胸を開き、5秒キープする。
この時、肩甲骨を寄せながら、肘が耳より後ろにいくくらい開きましょう。
4. ゆっくりと戻す。
数回繰り返すことで、上半身がポカポカしてきて、頭がすっきりしてきます。肩周りや頭への血流がよくなることで、眠気を抑えて集中力を発揮できるようになります。
日中の仕事などのパフォーマンス低下を防ぐために是非実践してみてください。