マタニティケアのすべてがわかる――セルフ編・サロン編と注意点

マタニティケア_ic

「マタニティケアって、よく聞くけど何だろう?」
「何をすれば、どのような効果があるのかな?」

妊娠してうれしい反面、つわりや体のだるさなど慣れない症状に戸惑い、こんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

マタニティケアとは、妊婦さんが健やかで心地よいマタニティライフを送るためのケア全般のことです。この記事では、自分で行うセルフ編と、専門家の施術を受けるサロン編に分けて、さまざまなマタニティケアをご紹介します。これを読めば、マタニティケアの全体像がつかめ、自分のニーズに合ったケアを選ぶことができます。

どうぞこの記事を読んで上手にマタニティケアを取り入れ、楽しいマタニティライフをお過ごしください。 

1.[セルフ編]マタニティケア

マタニティケア_01

自分でできるマタニティケアを、症状やニーズごとに次の6つのカテゴリーに分けてご紹介します。

(1)妊娠線予防・肌荒れ・乾燥のケア
(2)肩こり・足のむくみのケア
(3)寝苦しさのケア
(4)メンタルのケア
(5)ベビーのためのケア
(6)出産時に備えてのケア

気になるところをご覧いただければ、ケアの概要がわかりますので、ご参考になさってください。

1-1.妊娠線のケア

まず、妊娠線予防には、妊娠線予防クリームや妊娠線予防オイルがおすすめです。

妊娠線とは、急激に大きくなるお腹・胸・下半身・二の腕などに皮膚がついていけず、表皮の奥の真皮が裂けるようにヒビが入ってしまうことでできる赤みを帯びた線をいいます。やがて白い線に変わり目立たなくなりますが、一度できると消すことはかなり難しいです。

妊娠線の主な原因は皮膚の乾燥です。単なる肌荒れや乾燥だけであればベビーオイルや普通の保湿クリームでも対応できますが、妊娠線をしっかり予防したい場合には、肌の弾力や柔軟性を高める成分を豊富に含む妊娠線対策用のクリームやオイルが必要になります。

妊娠線予防のケアは、つわりの治まった4カ月ごろから産後3カ月ごろまで続けます。12回、朝とお風呂上りに、お腹・胸・下半身・二の腕などにクリームやオイルを塗り広げてマッサージすると効果的です。オイルの方がよく伸びて保湿効果も高いのですが、クリームよりべたつきが残りやすいです。はじめはクリームで、妊娠後期にお腹が大きくなってからはオイルにする人もいます。毎日必要なケアですから、効果が高くお好みの手触りや香りのものを選ぶようにしましょう。

[塗り方・マッサージの方法]

妊娠線の出やすいところには、クリームやオイルを手に出し、そっとマッサージしながら塗りましょう。下半身や二の腕は下から上になで上げるように塗ります。お腹と胸は次の図を参考にしてください。

<お腹>

お腹は、(1)クリームやオイルを手に付け、(2)下から上へ、(3)おへそから外へ、(4)円を描くように、それぞれ数回ずつゆっくり繰り返しながらマッサージします。マタニティケアイラスト_01     

<胸>

胸は、(1)乳首を中心に円を描いたり、(2)下から乳首に向けて持ち上げたり、上から乳首に向けてなでおろしたり、それぞれ数回ずつゆっくり繰り返しながらマッサージします。マタニティケアイラスト02

 

[おすすめのクリーム・オイル]

評判のよいクリームとオイルを2つずつご紹介します。このほかにもいろいろありますので、ご自分にあったものを見つけてくださいね。

<クリーム>

①ママ&キッズ ナチュラルマーククリーム
 
ナチュラルマーククリーム

特徴:高級植物オイルを使用。無香料で低刺激。潤いサポー
ト成分と、弾力・柔軟性サポート成分配合。150g: 初回限定 2,916円(税込)470g: 初回限定 7,850円(税込)
※通常 8,433円(税込)

出典:https://www.natural-s.jp/pickup/nmcream/

②アロベビー ボディマーククリーム

 

特徴:99%天然成分。微香。保湿効果が高く、かゆ
み・肌荒れもケア。200g: 特別価格 2,709円(税抜)
※通常 3,300円(税抜)

出典:https://www.alo-organic.com/shop/products/alo_120_1

<オイル>

①マザーズボディオイル

 

特徴:高品質のオイルが肌をしっかり保湿。ハリを与えるエキス配合。天然のエッセンルオイルの香り。ポンプ式。

100ml: 4,180円(税込)

出典: https://bit.ly/2fU0jw7

                                                                                                                            

②ボディオイル“トニック”

ボディオイルトニック

特徴:肌にハリ感としなやかさを与える植物由来のボディオイル。エッセンシャルオイルの香り。肌の引き締め効果も。
100ml: 8,140円(税込)

出典: https://bit.ly/2EObYd8

1-2.肩こり・足のむくみのケア

お腹が大きくなってくると、肩こり、脚のむくみなどに悩まされる妊婦さんも少なくありません。これは運動不足や大きくなった子宮が周囲の血管を圧迫して血行を悪くすることが一つの大きな原因です。だるい肩こりや脚のむくみがあるときは、マッサージをするのももちろんよいのですが、無理のない範囲でストレッチなどの運動をすることをお勧めします。

また、運動をすれば出産に必要な体力や柔軟性も身につき、気分転換になるのでストレスも解消されます。ウォーキングなどの有酸素運動を行えば体重増加を抑えることもできます。

とはいっても、妊婦さんは無理して運動するとお腹の張りを引き起こし、切迫早産になる危険も考えられるので、運動の仕方には注意が必要です。そこで、ここでは妊婦さんのために考え出された運動を3種類ご紹介します。

どれも安定期に入った16週ごろから始めるのがよいといわれます。もっとも、切迫早産・前置胎盤・妊娠高血圧症候群など、妊婦さんによっては運動を控えなければならない場合もありますので、運動の可否や開始時期については、必ず産科医に相談しましょう。

①マタニティエクササイズ

マタニティビクス・マタニティヨガ・マタニティピラティスなど様々なものがありますが、基本的にはストレッチを中心としたエクササイズになります。

スクールに行くのもよいですが、行かなくてもDVDYouTubeの動画を見ながら自宅で気軽に始められます。

たとえば、下記のYouTubeのサイトが参考になります。※どちらも、先生ご自身の妊娠の経過とともに59カ月のシリーズになったものの1回目です。

Lesson -1 マタニティヨガ 妊娠5ヵ月目with NAO先生

 

マタニティピラティス Vol.1 妊娠初期1[呼吸とストレッチ]

大切なのは無理をしないことです。食後30分以内やお腹が張っているときは避けましょう。また、転倒を防止するため、すべりにくい場所で行ってくださいね。

 

②マタニティウォーキング

気候のよい頃であれば、ウォーキングは妊婦にとって一番行いやすい運動です。適切なウォーキングは有酸素運動になります。※有酸素運動とは、酸素を使って体内の糖質や脂肪を燃やすことができる運動のこと。

また、妊婦さんがウォーキング中にしっかりと呼吸することで、赤ちゃんにも酸素が届けられます。マタニティウォーキングのコツは、以下の4つです。

1.背筋を伸ばすこと
2.まっすぐ前を見ること
3.腕を後ろに引くように振ること
4.足はつま先で蹴り上げて、かかとで着地すること

途中で水分補給や短い休憩をとりながら、30分ぐらい歩けるとよいでしょう。歩きやすいスニーカーを履いて、転ばないように充分注意してください。

 

③マタニティスイミング・アクアビクス

血行不良による肩こり・むくみなどの症状は、プールに入ることによって改善することがあります。水圧で血管が程よく圧迫され、血流がよくなるからです。

大手スポーツジムや地域のスポーツ施設には、妊婦さん向けのマタニティスイミングやアクアビクスのレッスンを行っているところがあります。

ジムやスクールには専門のインストラクターや助産師がいますので、指導の下で行うのが安全です。

マタニティスイミング・アクアビクスの内容は、水中ウォーキング・水中エクササイズ・フローティング(浮かぶ)などが中心になることが多いでしょう。出産時の呼吸法を指導してくれる場合もありますご興味があれば、まずは見学に行ってみてください。

 

1-3.寝苦しさのケア

妊娠後期になってお腹が大きくなると、仰向けに寝ている最中に大きくなった子宮が大きな静脈を圧迫して急激な低血圧を引き起こすこともあります。また、お腹の重さが気になって寝苦しく感じるようになるという妊婦さんも……。そんな悩みを改善してくれるのがシムス体位と呼ばれる寝方です。

19世紀アメリカのシムスという医師によって提唱された姿勢で、妊娠中の寝方として有名です。

具体的には、左向きで横になり、左の足を伸ばし、右足を曲げた姿勢をいいます。抱き枕やクッションを使って右足を乗せるといっそう楽になります。

マタニティケアイラスト_03

妊娠中に楽に寝られる!シムス体位図

ただ、必ずこれで寝なければならないわけではなく、その日の体調に合わせて楽な姿勢をとれば大丈夫です。

1-4.メンタルのケア

赤ちゃんを授かってうれしい反面、不安感やイライラや落ち込みに悩む人も多いです。このような情緒不安定な状況を「マタニティブルー」といいますが、その解消法をご紹介します。

①気分転換をする

友人とのおしゃべり、軽い運動、美容院、映画、コンサートなど、自分が楽しめることをして、気分転換しましょう。

②夫や家族と協力関係を確認する

出産や産後の子育てなどについて、不安なことについて夫や家族と話し合い、協力関係を確認しましょう。

③何もせず、ぼーっとする

忙しい人は、一日何もしないでぼーっとする日を持ちましょう。リラックスできる音楽や飲み物をのんびり楽しんだり、木々の緑を眺めたりするのもよいです。妊娠しているだけでも大仕事ですから、たまには自分を褒めてあげましょう。

④医師に相談する

マタニティブルーは病気ではありませんが、医師に相談すると気持ちが晴れることも多いです。また、産後2~3週間頃になって気分が落ち込んだり、理由もなく涙が出たりするような症状は「産後うつ」の可能性があります。適切な治療が必要なので、放っておかず病院で相談することをお勧めします。

 

1-5.ベビーのためのケア

ベビーのためのケアとして多くの妊婦が気にしていることが3つあります。

①葉酸サプリメントの摂取(特に妊娠初期)
②ビタミンAと水銀の過剰摂取への注意
③赤ちゃんへの胎教

特に①と②は厚生労働省が提唱していることですので、しっかり押さえておきましょう。

①葉酸サプリメントの摂取

厚生労働省は、妊娠前から妊娠3カ月までの妊婦さんに、通常時の240μg0.24mg/日に加え400μg0.4mg/日の付加的な葉酸摂取を勧めています。※葉酸とは、緑黄色野菜や果物にも含まれているビタミンBの一種。

葉酸は胎児の神経管閉鎖障害(脳や脊髄に関する生まれつきの障害)のリスクを大幅に軽減するとされているからです。

また、葉酸には妊婦さんの貧血を防止する効果もあるので、妊娠中期・後期・授乳中にも通常より多くの葉酸が必要となります。

葉酸は食事から充分に摂ることが難しいので、サプリメントで補うことが勧められます。厚労省は、妊娠前~妊娠前期は400μg/日、中期~後期は240μg/日、授乳期は100μg/日の付加的摂取を推奨しています。とはいえ、通常時必要な240μgでさえ十分に取れていない場合もあるので、少し多めでも大丈夫です。

葉酸摂取の上限は、1,300各サプリメントの規定の摂取量を守っていれば安心ですね。ただし、いくつかのサプリを組み合わせて摂るときは、どれだけの葉酸を摂取することになるのかしっかり確認しましょう。

いろいろな葉酸サプリメントが販売されていますが、選ぶ際には次の点に着目しましょう

選ぶ際の注意点
・天然葉酸ではなく、吸収のよい合成葉酸(モノグルタミン酸型)を必要量含んでいること

・GMP(Good Manufacturing Practice=適正製造規範)準拠基準工場で作られていること

・多くのサプリメントを服用しなくて済むよう、葉酸の吸収・働きを助けてくれるビタミンB12、ビタミンCや、その他妊婦に必要なカルシウムや鉄分などの栄養成分も含まれていること

これらを満たしていて評判のよい葉酸サプリメントを2つご紹介します。

☆メルミー葉酸サプリ
 メルミー葉酸サプリ

特徴:産婦人科医と栄養管理士のダブル監修。香料・着色料・保存料無添加。鉄・カルシウム・マグネシウム・ビタミンCなど妊婦に必要な17種の栄養成分を配合。30日分120粒:定期便初回2,980円(税込)2回目以降3,980円(税込)
通常6,580円(税込)

出典: https://na-shop.jp/mereme/lp/

 

☆はぐくみ葉酸

はぐくみ葉酸

 

特徴:レモンから絞った葉酸に、鉄・カルシウム・クロレラなど20種類ビタミン・ミネラルを配合。自然由来。栄養管理士による食事サポートも受けられる。30日分90粒:定期便初回1,980円(税込)2回目以降3,980円(税込)
通常6,980円(税込)

出典: https://www.hugkumiplus.net/yousan/

 

②ビタミンAと水銀の過剰摂取への注意

サプリメントはビタミンAを含むことが多いですが、妊娠前期には特に過剰摂取にならないよう注意が必要です。妊娠初期のビタミンA推奨量は650~700μgとされています。いくつかのサプリメントを服用する場合には、ビタミンAの合計量がこれを超えないようにしてください。

また、マグロ・カジキ・キンメダイなどに含まれる水銀についても過剰摂取に気をつけましょう。これらの魚の摂取は、1週間に80g(切り身1切れ)ぐらいに抑えるべきとされています。詳しくは、厚生労働省のパンフレットPDFこれからママになるあなたへ」が参考になりますので、ぜひご覧ください。

 

③胎教

胎教とは、「妊婦が精神的安定に努めて、胎児によい影響を与えようとすること」(小学館デジタル大辞泉)です。

音楽を聞かせる、絵本を読み聞かせるなど、さまざまな胎教が行われていますが、お腹の赤ちゃんへの実際の効果について科学的には証明されていません。

ただ、赤ちゃんのためにと思ってすることは楽しいですし、5カ月頃から赤ちゃんの脳や五感はどんどん発達するので、何らかの形で届いているとも思われます。

また、母親が赤ちゃんのことを思って穏やかで優しい気持ちになることは、赤ちゃんにとっても心地よいことです。具体的には、次のようなことを行うとよいでしょう。

・リラックスできる音楽を聞いたり、絵画・花・自然の景色など美しいものを鑑賞したりする。

・お腹の赤ちゃんに、「おはよう。」など優しく語りかけたり、お腹の上からなでたりする。

・絵本を読み聞かせたり、子守唄を歌ったりする。(出産後の練習にもなる。)

1-6.出産時に備えてのケア

お産の痛みを和らげるために妊娠中にできることとして、出産時の呼吸法の練習があります。有名な呼吸法は「ラマーズ法」と「ソフロロジー」です。どちらも、呼吸に集中することで痛みから意識をそらす効果や、緊張や痛さから呼吸が乱れて妊婦さんや赤ちゃんに酸素が届かなくなることを防ぐ効果があります。

「ラマーズ法」は痛みと戦う呼吸法、「ソフロロジー」は痛みを受け入れる呼吸法といわれています。どちらも陣痛が進むのにあわせて呼吸を少しずつ変えるのですが、文章で読むだけでコツをつかむことは難しいです。

出産時に助産婦や看護士が呼吸の手助けをすることが多いので、出産する産院でどのような呼吸法を採用しているか、まず聞いてみることをおすすめします。産院や母親学級で呼吸法の指導をしているところがありますので、一度きちんと指導を受けてから自宅で練習しましょう。

2.[サロン編]マタニティケア

マタニティケア_02

専門家の施術を受けるケアを、5つのカテゴリーに分けてご紹介します。

 (1)マタニティエステ
 (2)マタニティマッサージ
 (3)マタニティ整体
 (4)マタニティ鍼灸
 (5)マタニティケア教室

(5)は施術とは少し異なりますが、サロンで専門家の指導を受けるということで、ここに加えました。ご自分にあったカテゴリーを見つけて、ご参考になさってください。

2-1.マタニティエステ 

マタニティエステとは妊婦さんを対象にしたエステのことで、美容の目的と同時に、マッサージなどで血行を改善し、肩こりなどの不調を和らげリフレッシュする目的で利用する妊婦さんが多いです。

妊婦さんが気持ちよく過ごせるよう工夫されているので、リラックス・リフレッシュ効果が期待できます。妊娠線予防など妊娠中のお肌のセルフケアを補うために利用することもできます。

<内容>

通常のエステと同様、フェイシャルやボディーのマッサージやトリートメントがあるほか、妊娠線予防のマッサージが受けられる場合もあります。リンパマッサージやアロマオイルマッサージをするサロンもあります。

妊婦さん向けのクリームやオイルを使用したり、妊婦さんに楽な横向きの姿勢で受けられたり、安全で妊婦さんに負担のかからない内容になっています。

<価格>

施術時間や内容によっても異なりますが、だいたい5,000円から20,000円ぐらいでしょう。

<受けられる時期>

基本的には安定期に入った16週ごろから35週ごろまで受けられると言われていますが、必ず産科医に確認してから受けてください。

<サロンの選び方>

施術者の技術や内容はサロンごとにさまざまです。オイルマッサージのアロマオイルには子宮収縮を促す効果があるなど妊婦さんに禁忌のものもあるので、怪しいサロンは避けなければなりません。マタニティエステで定評のあるサロンを選び、あらかじめ電話等で内容が自分に合うかよく確認しましょう。

2-2.マタニティマッサージ

施術者の技術や内容はサロンごとにさまざまです。オイルマッサージのアロマオイルには子宮収縮を促す効果があるなど妊婦さんに禁忌のものもあるので、怪しいサロンは避けなければなりません。マタニティエステで定評のあるサロンを選び、あらかじめ電話等で内容が自分に合うかよく確認しましょう。

<内容>

通常のマッサージ・アロマオイルマッサージ・指圧・ストレッチ・フットケアなど、さまざまな施術があります。妊婦に楽な横向きの姿勢などで受けることができます。

<価格>

施術時間や内容によっても異なりますが、多くは5,000円から10,000円ぐらいでしょう。

<受けられる時期>

受けられる時期は妊娠初期から臨月直前までサロンごとに違います。あらかじめサロンに時期や内容を確認し、必ず産科医の許可を取ってから受けてください。

<サロンの選び方>

マタニティマッサージをする国家資格があるわけではありませんし、マッサージ店は全国に多数あり、マタニティマッサージ可と謳っていても技術はさまざまです。

肩こり・腰痛・むくみなどの症状改善のためであれば、まず産科医に相談しましょう。産科医がおすすめのマッサージサロンを紹介してくれる場合もあります。自分で探すときは、病院内でやっているものやマタニティ専門のサロンを選ぶほうが安心です。

2-3.マタニティ整体

マタニティ整体とは妊婦さんを対象にした整体で、妊娠による体のバランスの崩れや血行不良から起こる肩こり・むくみ・だるさなどの改善が期待できます。逆子を解消する目的で通う妊婦さんもいます。リラックス・リフレッシュ効果も得られます。

<内容>

体をほぐしながら骨の歪みや関節の歪みを整えます。骨盤矯正・姿勢矯正などもできます。妊娠中に骨盤矯正を行うと、歪んで固まった筋肉をほぐして骨盤を正しい方向に持っていくことで血流がよくなり、腰痛等の改善が期待できます。骨盤の歪みのため頭を下げられなかった赤ちゃんが、頭を下げられるようになり、逆子が解消することもあるとされています。

<価格>

施術時間や内容によっても異なりますが、多くは5,000円から10,000円ぐらいでしょう。

<受けられる時期>

施術を受けられるのは基本的には安定期にはいった16週ごろからですが、必ず産科医の許可を取りましょう。

<サロンの選び方>

マタニティ整体にも国家資格があるわけではありません。まず産科医に相談し、できれば産科医からサロンの紹介を受けるのが望ましいです。自分で探す場合は、マタニティ整体で定評のあるサロンを選びましょう。逆子を解消する目的であれば、逆子改善プログラムがあるかをあらかじめ確認しましょう。

2-4.マタニティ鍼灸

マタニティ鍼灸は、妊婦さんを対象に鍼・灸を行うもので、つわり・全身の倦怠感・冷え・むくみ・頭痛・腰痛などの改善が期待できるほか、逆子・横子の解消ケアを実施しているサロンもあります。

<内容>

妊婦の体に鍼や灸による施術を行います。

<価格>

施術時間や内容によっても異なりますが、多くは5,000円から10,000円ぐらいでしょう。

<受けられる時期>

施術を受けられる時期はサロンごとに異なります。必ず産科医の許可を取ってから受けてください。

<サロンの選び方>

東洋医学として病院内で行っている鍼灸のサロンや、マタニティ専門のサロンを選ぶとよいでしょう。

 

2-5.マタニティケア教室

マタニティケア教室・マタニティ教室・マタニティスクール・母親学級などさまざまな名前がつけられていますが、どれも妊娠中のエクササイズやセルフケア、出産準備等の指導をしてくれるサロンです。

 病院・産婦人科医院・市区町村・民間により開催されています。お産のための体力づくり、出産後のイメージ作り、リフレッシュ、友達作りなどを目的に通う人が多いです。

<内容>

内容は、妊婦さんが参加してストレッチ等を習うものから、夫婦で参加して赤ちゃんのお世話のしかたを学ぶものまでいろいろあります。1日で終わるものもあれば、数回通うものもあります。

<価格>

無料のものから、数回で1万円以上するものまであります。自治体の補助が出る場合もあります。

<受けられる時期>

安定期に入った16週目ぐらいから参加できる教室が多いです。エクササイズなどをする場合には産科医の許可が必要です。

<サロンの選び方>

まず、自分が通える範囲で情報を集め、自分にあったものを選びましょう。お産をする産婦人科で実施しているものは、受けておいたほうがよいでしょう。スクールに参加することは気分転換にもなりますし、他の妊婦さん達と情報交換する機会にもなります。

3.マタニティケアの注意点

マタニティケア_03

マタニティケア全般について、以下の3点に注意しましょう。

①ケアに入る前に必ずかかりつけの産科医に相談し、その後も産科医に状況報告しながら進めること

妊婦さんの状況は刻々と変化しています。セルフケア・サロンケアに関わらず、始めるときに許可を取るのはもちろん、健診のたびに、「マタニティスイミングをしていますが、継続して大丈夫ですか?」のように聞いておくと安心でしょう。

②調子が悪い日は無理にやらないこと

「今日は調子が悪いのだけど・・・」と思う日はスパッとやめて、無理をしないようにしましょう。体調が何より大切です。マタニティケアは、健やかで心地よいマタニティライフを過ごすためのものだからです。

③少しでも気分が悪くなったら、すぐに中断すること

最初は調子がよくても、途中から気分が悪くなることもあります。自分の体調は、自分が一番よくわかります。少しでも異変を感じたら、すぐに中断しましょう。しばらく休んで、調子が良くなれば再開すればよいです。あまりに調子が悪いときは病院に行きましょう。

以上を守って楽しくマタニティケアをしながら、お腹の赤ちゃんと一緒にいられる幸せなひとときを過ごしてくださいね。

4.まとめ

マタニティケアをセルフ編とサロン編に分けてご紹介しました。ご自身のニーズにあったマタニティケアが見つかりましたでしょうか。マタニティケア全般に共通する注意点として、以下の3つを守ってくださいね。

 ①まず産科医に相談すること
 ②調子が悪い日にはしないこと
 ③気分が悪くなったらすぐに中断すること

280日の妊娠期間、体調にもいろいろ変化があると思います。何か少しつらいなと思った時には、この記事を思い出して、ご参考にしていただければ光栄です。かわいい赤ちゃんに出会う日まで、どうぞ健やかに楽しくマタニティライフを過ごしてください。

 

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  • ◆◆監修

    成田亜希子先生
    内科医・公衆衛生医師
    成田亜希子(なりた あきこ)先生

    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。二児の母でもある。

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