すべての疲れは脳が決めている|医学博士インタビュー⑦

■コラムテーマ
女性の5大不調 ~その原因とリセット法

学博士・健康科学アドバイザー 福田千晶先生
1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。

福田千晶先生インタビュー【第7回目】は、『疲れ』のメカニズムと疲れのタイプ別ケアについて

同じ時間、体を使っても、ドッと疲れてしまう場合と、まったく疲れを感じないときがあります。

その違いはどこにあるのでしょうか? そもそも、疲れってどこから来るのでしょう。

「疲れ」のメカニズムや種類、そして疲れのタイプ別ケアまで、医学博士・健康科学アドバイザーの福田千晶先生に教えていただきます!

楽しいと、疲れないのはなぜ?

編集部
今回のテーマは「疲れ」です。
EPARKリラク&エステを見てくださっている方の中にも、
慢性的に疲れを感じている人は少なくないと思います。
ただ、ひとくちに疲れといっても種類はさまざまかなと。

福田
そうですね、大きく分けると、スポーツをした後のような肉体的な疲労
肩こりや首のこりが発生するような、オーバーワークによる疲れ
そして、飲みすぎや食べ過ぎによる、胃腸(内臓)の疲れですね。
さらに意外と侮れないのが、脳の疲れや心の疲れ
メンタルの不調が、「疲労」という形で出てくることがあります。

編集部
確かに、スポーツの後の疲れは心地良かったりもしますが、
心底疲れたと感じるのは、案外メンタルの部分が大きいのかなと感じます。

福田
たとえば、好きなアーティストのコンサートで立ちっぱなしなのは平気だけど、
「今日一日、ここに立って受付業務をやってください」といわれると、うんとつらいという。

編集部
確かに、好きでやっていることと、やらされていることでは、
疲れ方がまったく違ってきます。

福田
肝心なのは、脳がどうジャッジするか。
同じ時間、体を動かしても、楽しければ疲れと感じないし、
それが苦痛であれば、脳は「疲れた」と判断します。

編集部
……となると、単に体を休めれば、疲れが取れるわけではないと。

福田
肉体的な疲れは睡眠や休養、それこそマッサージやリラクゼーションといった
体のケアで解決することが多いのですが、
精神的な疲れはそれだけでは解決しないことも多いのです。
心のケアというのは、ざっくりいうとストレスとどう向き合うか
ということになってくると思うんですね。

体の疲れと心の疲れ

編集部
まず、肉体的な疲れが起きるメカニズムですが、これは肩こりなどと同様に、
筋肉のハリなどによって血の巡りが悪くなり、
疲労物質が流れにくくなることで、感じやすくなるのでしょうか。

福田
そうですね、ふだんから運動をしていて「体力がある」といわれる方たちは、
筋肉の毛細血管が発達しています
だから酸素や栄養分が体のすみずみまで届き、
さらに、筋肉を使うことで発生した老廃物の一種である乳酸も、
血流によってすみやかに取り除かれます。
なので、少し動いた程度では疲れを感じずにすむのです。

一方、筋肉が少なく体が冷えやすい、血行が悪い方は、
老廃物の除去がうまくいかないので、疲れを感じやすいんですね。

編集部
そうなると、ほどよく筋肉のついた、代謝のよい体を維持することが、
肉体的な疲れの根本ケアになるということですね。

福田
そういうことになります。

編集部
目の前の肉体疲労に対するリセット法としては、
酷使した筋肉を休めてあげるという意味でも
まずは「睡眠」ということになるでしょうか。

福田
はい、先ほども申しましたが、肉体的な疲れは、
睡眠やマッサージ、リラクゼーションなどで
ある程度、癒すことができると思います。

編集部
心の疲れについては、どうケアしていけばよいでしょう。
ストレスが体によくないことは、おそらく多くの人が分っていて……。
ただ、ストレスをケアするのが最も難しいかもしれません。

福田
精神的なストレスは、原因もリセット法も人それぞれだと思うので、
自分が好きなこと、心地良いと感じることをするのが一番でしょう。
たとえば、美しい景色を見に行くとか、音楽を聴くとか。
最近は、SNSやブログで他人の“リア充”ぶりを見て、
「家でだら~っとしているのはよくない人生」と
勘違いしている方もいるかと思いますが、
家で心底リラックスできるのも、本当に素敵なことだったりね。
どんなときに、自分が楽になれるのかを知って、
それを生活の中に上手に取り入れていくといいですね。
あとは、ストレスの現場から離れる、人にゆだねることも大切。
これについては、のちほど詳しくお伝えします。

                           
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  • お話を伺った人

    福田プロフィール
    医学博士・健康科学アドバイザー
    福田千晶(ふくだ ちあき)先生

    • 1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年より、フリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。医療機関での診療、企業の産業医活動も行う。『自分でスッキリ消せる! 肩こり・腰痛・ひざの痛み』(永岡書店)、『心も体もきれいになる!その場で「あたため」ストレッチ』(講談社+α文庫)、『花粉症がみるみるよくなる62の対策』(日東書院)、『1日10分! 足の悩みは自分で治せる』 (実業之日本社) など著書・監修書多数。

      ホームページ

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