スウェーデン式トリートメント
1830年代に、“スウェーデン体操の父”として知られるバー・ヘンリック・リンによって考案されたとされるオイルトリートメントのひとつ。のちにアロマトリートメントの手法に大きく影響を及ぼしたといわれています。特徴的なのが、少量の天然植物オイルを使って表層のケアはもちろん、深部の筋組織までしっかりともみほぐすというスタイル。これによって、血液やリンパの流れを促して老廃物を排出させつつ、ストレス解消・リフレッシュへと導きます。また、皮膚に直接天然オイルを塗布して保湿することによる美肌効果も。スウェーデン式トリートメントは、リラクゼーションだけでなく筋骨格系に対しても効果的に働くため、欧米では医療現場でも広く活用されています。
スウェーデン式アロマトリートメント
福祉の国として知られるスウェーデンでは、老若男女ともに健康を保つ意識が高く、ボディケアも古くから広まっています。
スウェーデン式トリートメントは、現在世界で広く親しまれているトリートメント方法のひとつ。特にアメリカやヨーロッパで普及しており、ヨーロッパで行われているトリートメントの原点ともされています。
18～19世紀頃にスウェーデン式の治療体操をトリートメントに発展させたものが、スウェーデン式トリートメントの基礎となりました。その後、多くの研究者によりスウェーデン式トリートメントの研究が行われ、筋肉療法としての仕組みが構築されてきたのです。
本場スウェーデンでは疲労回復や健康維持のために日常的に活用されているほか、現在でもさまざまなエステティックやスポーツトリートメントなどのアロマオイルトリートメントの基本的な技法として世界中で発展を続けています。
計算しつくされた緻密で伝統的な技術
肌に負担をかけない程度の少量のオイルを塗布し、筋肉や骨格に沿ってゆっくりと深くもみほぐしていくのがスウェーデン式トリートメント。使用するオイルの量や浸透率、段階的なアプローチが綿密に計算され、それらのすべてに意味がある伝統的な技術です。オイルを使用するため摩擦による体への負担が少なく、通常のトリートメントに比べて強い痛みやもみ返しも起きにくいとされており、体の深部まで心地よくほぐすことができます。
また、適度な圧によって全身の筋肉の緊張を解く手技は、ストレスの解消や健康維持に最適。体の前面・背面から、腕、足、頭、顔と全身にくまなく適度な刺激を与えるため心身ともに満足感が得られるでしょう。痛みがある強い施術は苦手だけど、一般的なアロマトリートメントでは物足りないという人には特におすすめです。
筋肉や関節に対して作用するため、リラクゼーションサロンだけではなく医療の現場でも活用されています。
スウェーデン式トリートメントの意外な効果
スウェーデン式トリートメントの効果は、科学や医学が発展するにしたがって徐々に明らかになってきました。
こりや疲労の回復はもちろん、ホルモンバランスを整えたり免疫力の向上といった効果も報告されています。
ある研究結果によると、スウェーデンの小学校で子供たちが輪になって前の子の背中を擦るというタッチセラピーを行ったところ、子供たちの問題行動が激減したといい、手によって直接人と触れ合うことで癒しをもたらすという事例のひとつとして報告されています。
またアメリカでの研究では、スウェーデン式トリートメントを行うことで副交感神経が優位に働き、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンホルモンや、鎮痛効果の高いβエンドルフィンなどの分泌促進効果が確認され、改めて心と体を健康に保つトリートメントとして注目されています。
