【 インナーマッスルとは? 】
筋肉は大きく2種類に分類されます。
外側から見える身体の表層部にある骨格筋が「アウターマッスル」と呼ばれ、ウェイトトレーニングなどで鍛えられる筋肉です。
それに対して、胴体の深層部で内臓を支えている筋肉を「インナーマッスル」と呼びます。
インナーマッスルという呼び方はトレーニングやエクササイズの用語として使われることが多いですが、「インナーマッスルってどこにある筋肉?」と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、インナーマッスルの種類やインナーマッスルの鍛え方、インナーマッスルが衰えるとどのような影響があるのかなどをご紹介します。
ーーーーーーー
< 目次 >
1.インナーマッスルとは?
2.インナーマッスルの種類
3.インナーマッスルの鍛え方
ーーーーーーー
【 1.インナーマッスルとは? 】
「インナーマッスル」は、一般的には体の深部に位置する筋肉を指す言葉です。
インナーマッスルは、外部からは見えにくく、主に身体の安定性やバランス、姿勢の維持などの機能に関与しています。
インナーマッスルは体幹筋のことを指していると思われがちですが、身体の奥に位置している筋肉の総称であり、したかがって、体幹筋(主にお腹周辺の筋肉)のことだけを指しているわけではありません。
体幹だけでなく、上肢・下肢の筋肉の深層筋もインナーマッスルに含まれます。
インナーマッスルを適切にトレーニングすることで、全体的な身体の健康や機能性の向上に効果があると期待されています。
< インナーマッスルの役割 >
★関節や内臓を安定させる
★姿勢の保持やサポートする
★内臓の正しい働きを促す
★アウターマッスルの動きをサポートする
ーーーーーーー
【 2.インナーマッスルの種類 】
< 代表的なインナーマッスル >
①腹横筋
②腸腰筋
③骨盤底筋
④菱形筋
⑤回旋筋腱板
⑥多裂筋
①腹横筋
→
体幹の深部の筋肉で、背骨や内臓を支える「コルセット」の役割をしています。
10代をピークに徐々に筋力が低下し、特に女性は出産を期に、加速度的に衰えてしまいます。
衰えると猫背・腰痛・膝痛・肩首のコリ・お腹のたるみなど、さまざまなお悩みの原因となります
②腸腰筋
→
腸腰筋は、骨盤と大腿骨をつなげて、骨盤のねじれや、回転をサポートしています。
歩くとき、足を上げるとき、姿勢を維持するのに重要です。激しい運動をするアスリートは、この腸腰筋がとても良く発達しています。
また、脊柱の自然なS字の湾曲を支え、お尻の筋肉を引き上げて骨盤を正常な位置に保ちます。特に高齢者は衰えると、筋繊維が顕著に細くなり、転倒などの原因になります。
③骨盤底筋
→
骨盤の底は空洞です。そこに骨盤底筋群がハンモックのように広がり、大腸、膀胱、子宮といった臓器が落ち込まないように支えています。尿道、肛門をギュッとしめる際に働く筋肉でもあります。
頻尿・尿漏れなどのトラブルは、この骨盤底筋の機能低下が原因となる場合が多いです。
④菱形筋
→
背部の深部の筋肉で、肩甲骨を背骨側に引き寄せる働きをする筋肉です。肩甲骨が背骨側に寄るので、胸が開けるようになります。
衰えると、肩甲骨が前に引っ張られ肩が前に出て丸くなってしまい、猫背の原因となります。猫背改善にはこの筋肉の動きを良くすることが重要です。
⑤回旋筋腱板(ローテーターカフ=棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)
→
肩甲骨にくっついている、4つの深部の筋肉の総称で、肩甲骨だけでなく上腕骨にも作用する筋肉群です。別名ローテーターカフと呼ばれます。
肩甲骨の動きに関わる筋肉群ですので、衰えると肩が前に出やすくなります。また、五十肩や四十肩といった肩の痛みも誘発する筋肉群となります。
⑥多裂筋
→
多裂筋は背骨の深層筋で、小さな筋肉が連なって背骨を支えています。背骨を真っすぐ保つポーズでは常に働いて脊柱の安定性を保っています。
ブレない軸を支える強い背骨をつくる筋肉です。
ーーーーーーー
【 3.インナーマッスルの鍛え方 】
★コアトレーニング
→
腹横筋、深層背筋群などのコアの筋肉を強化するトレーニングが有効です。
プランクやサイドプランク、バイシクルクランチなどのコアエクササイズを取り入れましょう。
★ピラティス・ヨガ
→
ピラティスやヨガは、コアを中心にしたエクササイズが豊富で、インナーマッスルを効果的に鍛えるのに適しています。
★呼吸法のトレーニング
→
横隔膜を強化するために、腹横筋を意識した深くゆっくりとした呼吸法を練習することでインナーマッスルが強化されます。
★バランストレーニング
→
バランスボールなどを使ったトレーニングは、体幹の安定性を向上させるのに効果的です。
★EMSトレーニング
→
EMSは運動が苦手な方、運動をなかなか習慣にできないという方、体力に自信のない方でも無理なく筋肉に負荷を与えることができるトレーニング方法です。
トレーニングを行う際には、正しいフォームと安全な範囲で行うことが重要です。
また、無理な負荷をかける前に十分なウォームアップを行い、怪我の予防に努めましょう。