無意識のうちに背中を丸めて作業をしていると、何時間か経つうちに背中や肩のあたりが張ってゴリゴリに固まってきますよね。
「あ~背中を思いっきり伸ばしてこりを解消したいけど、どんなストレッチがいいんだろう?」と思っていませんか?
そこで本稿では、自宅や職場で簡単に背中のこりを解消できるストレッチを3つご紹介します。
ストレッチのポイントや背中用の人気ストレッチグッズをはじめ、背中をストレッチするメリット、背中が凝る原因と日常対策までお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
1.ガチガチの背中のこりを解消!シーン別ストレッチ3選
では早速、ガチガチになった背中の筋肉を気持ちよく伸ばしてこりを解消するストレッチを3つ紹介します。
こりが気になるシーン(プライベートかビジネスか)や凝りやすい箇所(背中上部か下部か)に応じて、自分に合ったものを選んで実践してみてください。
1-1.寝ながらおこなう背中のストレッチ
自宅のベッドなどで寝転びながらできる背中のストレッチを紹介します。
こちらは肩甲骨周辺の筋肉に対して重点的にアプローチするため、特に背中上部が凝りやすい方におすすめです。
背中のストレッチ3種盛り【ガチガチの背中に!】
【手順】 ②四つんばいで肩甲骨の内側を伸ばす ③体育座りで足を掴み背中を後ろに倒す 【ポイント】 |
1-2.立った状態での背中のストレッチ
次に紹介するのは、自宅か職場か場所に関わらず立った状態でおこなう、ガチガチに凝り固まった背中や腰の筋肉を緩めていくストレッチです。
こちらは特に背中下部が凝りやすい方におすすめです。
指でお腹や背中の皮膚をつまんだままストレッチするのですが、このように筋膜を上に引っ張りながら体を伸ばすことで、筋肉と筋膜の癒着が緩和され筋肉が緩みやすくなります。
【背中こり、腰をゆるめる】筋膜リリースストレッチ|お家でできる腰痛対策
【手順】 ②背中の皮膚を上につまみながら足を後ろに引く 【ポイント】 |
1-3.座ったままできる背中のストレッチ
最後に紹介するのが、職場でデスクワークをしているときでも椅子に座ったままできる背中のストレッチです。
周囲に同僚がいるなかで、一人だけ大きな動きをするのは恥ずかしいと感じる方もいると思います。そこで動きが小さく、その場でこっそりと実践できるストレッチを紹介します。
首から背中、腰まで動かして張っていた筋肉を縮められるので、上部から下部まで背中全体が凝っている方におすすめです。
【座りながらできる】背中・腰の疲労解消ストレッチ
【手順】 ②頭の後ろで両手を組み頭を斜め下に倒す ③頭の後ろで両手を組み頭を斜め上に倒す 【ポイント】 |
2.ゴリゴリに凝り固まった背中のストレッチをする際のポイント
ゴリッゴリに凝ってしまった背中のストレッチをするときに意識したい、効果を高めるためのポイントを2つお伝えします。
2-1.凝っている箇所に応じて背中の筋肉を意識する
まずは背中の上部と下部、どちらにこりを感じるかをはっきりさせましょう。
そして、背中上部から肩や首にかけてこりが生じている場合は肩甲骨付近を、それより下の部分にこりを感じるなら背中下部や腰付近に伸びる筋肉を優先的にストレッチしましょう。
なぜかというと、背中は体の中でも面積が広く、大きいものから小さいものまで数多くの筋肉が広がっています。そこで、こりを感じる箇所から遠く離れた筋肉をストレッチしても、あまり効果は期待できません(中には効果が出るケースもあるとは思いますが)。
つまり、緊張してこわばっている筋肉を優先的にストレッチでほぐすことが大切です。
具体的には、背中上部が特に凝りやすい方は、背中上部の肩甲骨周辺にある筋肉、僧帽筋(そうぼうきん)や広背筋(こうはいきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、菱形筋(りょうけいきん)、大円筋(だいえんきん)を集中的にストレッチし、背中下部が凝りやすい方は広背筋や脊柱起立筋など、背中下部まで広がる筋肉を中心にストレッチするといいでしょう。
背中の筋肉
広背筋(こうはいきん)…背中上部・下部のこりに影響
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)…背中上部・下部のこりに影響
僧帽筋(そうぼうきん)…背中上部のこりに影響
菱形筋(りょうけいきん)…背中上部のこりに影響
大円筋(だいえんきん)…背中上部のこりに影響
2-2.痛いと感じるほど無理やり伸ばさない
ストレッチをおこなう際は、動きに反動をつけて痛いと感じるまで無理やり筋肉を伸ばすのはNGです。
これは背中だけでなく、足や股関節など、他の部位をストレッチするときも同じです。
人それぞれ関節の可動域(関節が動く範囲)は決まっています。筋肉を伸ばす際は関節も連動しているのですが、可動域内ならばスムーズに関節を動かせるものの、範囲外まで無理やり動かしてしまうと痛みを感じ、体に負担を掛けてしまいます。
例えば筋肉が損傷したり、炎症を起こしたりといった可能性もあり得ます。
つまり痛いと感じるほど無理にストレッチをするのは体に負担を掛け、ケガにつながる恐れがあるので避けましょう。
3.ラクラク簡単!背中用人気ストレッチグッズ3選
グッズを使う最大のメリットは、ストレッチが簡単になること。ただゴロゴロするだけでストレッチ効果が得られるぶん、ややこしい手順を覚える必要がありません。
そこで少し出費をしても楽にストレッチしたいという面倒くさがりの方に向けて、背中用の人気ストレッチグッズを3つ紹介します。
なお商品の選出基準は
- 2020年9月9日現在Amazonで購入可能
- Amazonでの口コミ投稿数が最低100件以上
- Amazonでの口コミ評価が★3.5以上
となっており、通販で今すぐに購入でき、評価が高く信頼できる売れ筋商品を厳選しました。
①グイ押しバックストレッチャー/シェモア 2,230円(税込)
出典:Amazon
本体を床に置き、突起部分を背中(肩甲骨付近)に当てるようにして、本体の上に仰向けに寝転がって背中をグーッと伸ばすだけ!
硬すぎず柔らかすぎない程よい弾力の素材と、16個のボコボコした突起、背中の広さに合わせたサイズ感が特徴。
位置を調整すれば、特に疲れている箇所をピンポイントに刺激できます。
重量:330g
サイズ:幅17.5cm×奥行33cm×高さ9.5cm
カラー:1色のみ
★3.8/5(450件中)
②グリッド フォームローラー/トリガーポイント 4,102円(税込)
出典:Amazon
筋膜リリース用グッズの定番、トリガーポイントのフォームローラー。
バイオメカニクス専門家が開発した特許取得製品で、筋膜リリースによって筋肉の癒着をはがし、柔軟性を向上し運動能力を高めることを目的とし、アスリートをはじめ一般的にも広く用いられている。
表面の突起が鋭くなく刺激が抑えられていて、フォームローラー初心者にもおすすめできる商品。やや高価なものの、表面のEVA素材と内側のABS樹脂により耐荷量が226kgまでとなっており、耐久性が高く長く使い続けられるのもポイント。
背中だけでなくふくらはぎや腰、お尻、太ももなどにも使用可能。
重量:650g
サイズ:14cm×33cm
カラー:5色展開
★4.6/5(10,492件中)
③フォームローラー/KOOLSEN 1,799円(税込)
出典:Amazon
指のようなチューブ形状、手のひらに近い平らな形状の2種類の突起が付いた筋膜リリース用のフォームローラー。
突起部分の面積がやや広く、体との設置面を調整すれば筋肉の間をゴリゴリと細かく刺激できる。
表面は弾力性のあるEVA素材、内側は超硬質PVC製で、耐荷量300kgとなっており、価格のわりに耐久性が高くコスパに優れた商品。
さらに収納袋も付属するので、本体を入れてジムなど外出先にも持ち運び可能。
重量:875g
サイズ:14cm×33cm
カラー:10色展開
★4.2/5(5,893件中)
※価格、口コミ評価や投稿数はすべて2020年9月9日時点の内容となります。
4. 本当にこりは解消できる?背中をストレッチするメリット
今まで習慣としていなかった方は、ストレッチを始めるのが多少面倒に感じるかもしれません。
そこで、改めて背中をストレッチするメリットを3つお伝えします。
4-1.背中のこりや張りが取れる
背筋をストレッチすると、背中のこりや張りが和らぎます。原因となっていた筋肉の緊張が解かれるからです。
こりや張りは長時間同じ姿勢を取り続けたり、同じ筋肉だけを酷使し続けたりすることで起こります。
一部の筋肉のみに負担が掛かってしまい、結果的に症状として張りやこりが現れるわけです。
つまりストレッチによって負担が掛かっていた筋肉の緊張状態を緩和してあげれば、こりや張りの不調も楽になります。
周囲の筋肉にも負担が分散され、重たく感じていた箇所がスッキリと軽くなるはずです。
4-2.深くゆったりと呼吸できるように
背中の筋肉は肺の動作に関わるため、ストレッチすることで深く息を吸い込みやすくなります。
普段、呼吸という動作は肺がおこなっています。ところが周りの筋肉が緊張していたり、姿勢が崩れがちだったりすると、肺が圧迫されて呼吸が浅くなってしまいます。
背中をストレッチして肩甲骨の位置が正常に戻れば、そのぶん背中と胸の筋肉がうまく使えるようになり、息を深く吸い込めるようになります。またストレッチには副交感神経を優位にして気持ちをリラックスさせる効果もあるため、その点でも深呼吸しやすくなるというメリットがあります。
4-3.こんな効果が!?猫背の改善やダイエットにも
実は背中のストレッチは、猫背の改善やダイエットにも役立ちます。
なぜ猫背に効果的かというと、背中にある菱形筋がうまく使えず、肩甲骨が左右に開いて背骨が丸まることで猫背になるからです。なので猫背が気になる方には、背筋の中でも特に菱形筋を意識してストレッチすることをおすすめします。ちなみに菱形筋と連動して対の動きをする胸の筋肉、大胸筋(だいきょうきん)を鍛えることでさらに猫背は改善できます。
また背中のストレッチはダイエットにもつながります。筋肉の動きがスムーズになると血行が良くなり、基礎代謝が向上して脂肪を燃焼しやすい体に変化するからです。
5.背中が張ってガチガチに凝る原因は?
背中が張ったり凝り固まったりする原因について、普段の生活で思い当たる節がないか確認しましょう。
5-1.姿勢の悪さ
背中のこりは、しばしば姿勢の悪さが原因で起こります。
よく見受けられるのが、デスクワーク中の不良姿勢で背中の筋肉を酷使し続け、筋肉疲労や血行不良が起きて、張りやこりが生じるケースです。
猫背や巻き肩などを長時間取り続けると、そのぶん一定箇所の筋肉に負担が掛かります。過度な緊張状態が続いて筋肉に大きな疲労が溜まり、血流も悪くなっていきます。
そうして背中がピンと張ったり、ゴリゴリと固くなったり、ピリッとした痛みを感じたりといった不調が現れます。
5-2.運動不足
先ほどは背中の筋肉を酷使し続けると不調が生じるとお伝えしましたが、逆に運動不足も張りやこりの原因になります。
それはなぜか。普段から筋肉を使えていないと、冷えやすく血液循環の悪い体になってしまい、筋肉が凝り固まってしまうからです。
たとえば姿勢に問題がない場合でも、背中の筋肉を使う機会がないと、肩甲骨や首、腰周辺の血行が滞り、体が冷えて筋肉が硬直してしまいます。
さらに、ほぼ使う機会のない筋肉をスポーツなどで急に動かすことがきっかけで張りやこり、痛みが出るケースもあります。
6.背中のこりや張りに効く日常対策
背中のこりや張りは予防できますし、症状が現れた後でも以下のようなケアで改善できます。
ここでは背中の張りやこりに有効な日常対策を大きく2つに分けて紹介します。
6-1.湯船に浸かる
背中の筋肉に疲労を感じたときは、1日の終わりに浴槽にお湯を溜めて、ゆっくりと湯船に浸かりましょう。
入浴には温熱作用、浮力作用があります。温熱作用によって全身の血流が良くなり、浮力作用が筋肉や関節の緊張をほぐすことで、こりや張りが楽になります。
なお、背中を含めた全身の疲労回復が目的の場合は、ぬるすぎず熱すぎない約40℃の程よい温度で、10分以上かけてゆっくり入浴するのがおすすめです。
熱すぎない温度で副交感神経が高まり、リラックス効果が得られます。また、ゆっくり時間をかけて深部体温を上げることで体の芯まで温まり、熱が体外に逃げにくくなるため、ポカポカとした血行の良い状態が長く続きます。
6-2.筋トレや軽い運動をする
運動不足の方は筋トレのほか、ウォーキングなどの軽い運動を日常に取り入れましょう。
弱った筋肉を強化してこまめに運動することで、血行が良くなり背中が凝りにくくなります。
普段から背筋を使えていない方は、背筋を鍛えましょう。弱った状態の筋肉を突然動かしてしまうと、張りやこり、痛みにつながる可能性があります。ただ、デスクワークなどで背中の筋肉を使いすぎている方は、無理して筋トレをする必要は全くありません。
また仕事や家事の合間など、スキマ時間を使ってこまめに運動するのもこりに有効です。
少し肩を回しながら歩いたりするだけでも筋肉がほぐれ、血行が良くなります。
7.まとめ
背中のこり、張りに効くストレッチを3つ紹介しました。
シーン別やこりが気になる箇所に応じて、自分に合ったものを選んで実践してみてください。
1-1.寝ながらおこなう背中のストレッチ
1-2.立った状態での背中のストレッチ
1-3.座ったままできる背中のストレッチ
実際に背中のストレッチをする際は背筋を意識し、痛みが出ない範囲でおこないましょう。
ストレッチによって背筋の動きがスムーズになり血行が良くなれば、こりや張りの解消だけでなく、猫背の改善やダイエット、呼吸がしやすくなるといった効果が得られます。
不良姿勢を長時間取り続けるのは避け、できるだけ湯船に浸かるようにしたり、筋トレをしたり、軽い運動を仕事の合間に挟むだけで背中の筋肉は凝りにくくなります。
自分のできる範囲で対策し、背中のこりに悩まない健康的な体を手に入れましょう。
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