食べないダイエットは卒業!痩せたいならドラマティックに食しなさい

食べない-ダイエット

ダイエットの肝は食べないことではなく、どう食べるか。「ストレスこそダイエットの敵」「肥満している人は総じて早食い」という観点から、『文化的に!ドラマティックに食する』という新しいダイエット法を医師の原田文植氏が提唱。場や器にこだわり、1回の食事に魂の注入を!!

■コラムテーマ
『言葉は身体のコントローラー』

医師・医学博士原田文植先生
1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。

食欲の秋。食べ物が美味しい。体重増加を気にしている人も多いだろう。
痩せたいなら今すぐ、食事制限を止めなさい!
(どこかの著書のタイトルのようだ…)
断言する。
大いに食べた方がいい。好きなものを食べればいい。
ただし、食べ方の「お行儀」には、気をつけた方がいいかもしれない…

腹が減ると無性に食べたくなる。食べ物を摂取しないと人間は死んでしまうからだ。
当たり前?実は、獲得してきた能力かもしれない。

古来、「飢餓」は生物にとって最大のストレスだ。
空腹感を強くしないと、「捕食活動」をサボってしまう。生命維持に必要なカロリーが足りなくなる。
飢餓との戦いに勝利してきた種だけが、生き延びたのだ。
とりわけ人間は「農耕」と「貯蔵」という能力を得た。しっかり睡眠を摂れるようになり、脳が劇的に発達した。
それにより、人間としての「理性」や「文化」が発達した。

「飽食の時代」と呼ばれて久しい現代、新たな敵は「過食」だ。
生活習慣病などの慢性疾患だけでなく、ガンや認知症とも関係があると言われている。「摂食障害」という精神疾患はまさに食との戦いだ。
睡眠不足やストレス自体が摂食行動に走らせる。結果的に肥満あるいは摂食障害などの病気になってしまう。
ストレス下で分泌されるさまざまなホルモンを受け取った細胞が、飢餓状態と勘違いするのかもしれない。
細胞にとって、「飢餓」というトラウマはそれほど大きいのだ。

「寒さ」との戦いも忘れてはならない。
食欲の秋は、食べ物が美味しくなるだけではなく、身体も冬眠の準備を始める。代謝を下げることで。
余談だが、最近夏に太る人が多い。冷房機器の発達と水太りが原因ではないかと考えている。夏も冬眠準備をしているのかもしれない。

肥満をとがめることで、より過食に走り、心臓病などのリスクが上がるそうだ。
米ペンシルベニア大学の研究チームの発表だ。
肥満への偏見や既成概念によって、心身の健康を損ねると体内の炎症や、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加するというデータを得た。研究チームは、そのことで心臓病などの重篤な疾患につながるのだろうと考察している。
とすると、肥満者へのハラスメントは傷害罪と言っても過言ではない。
自分に向かえば、それは自傷行為だ。

飢餓と勘違いした「本能」には「理性」で対応するしかない。
人間は本能のみで生きる存在ではない。文化を創った。
先人に学ぶべきだ。
たとえば、英国や日本にはお茶の文化がある。
「場」や「器」にこだわる。
一期一会の精神を発揮し、今生の別れと思って食する。
「(生命を)いただきます」
肥満している人は総じて早食いだ。
文化的に、ドラマティックに食する。
泣きながら食べろ!(食えないって?)

とにかくダイエット自体がストレスになっては本末転倒だ。
人間が一年間に消化管を通過する量は約1トンだ。
1トンに物語を与える。
絶対に人間にしかできないし、間違いなくトラウマを克服した人類だろう。

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◆執筆◆

原田プロフィール
医師・医学博士
原田文植(はらだ ふみうえ)先生

1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。2018年、医療と教育に特化したONE LOVEビルを建設。医療従事者向けに「日本メディカルコーチング研究所」、一般の患者向けに「よろず相談所 One Love」を開設。武道家・格闘家との交流、映画出演、音楽ライブ活動など幅広く活躍。著書に『病は口ぐせで治る!』(フォレスト出版)がある。

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