キレイのカギは朝にあり!「美腸」をつくる3つの朝習慣

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根本的な腸ケアに取り組んで美腸をつくりたくても、何から始めたらよいのかわからない人も多いはず。「腸のゴールデンタイム」の効果を最大限に発揮させるため、特に「朝の過ごし方」として心がけたいことを小野 咲さんに伺います。

■コラムテーマ
『人生を変える腸活』

小野 咲先生

国立成育医療研究センターPICU(小児集中治療室)勤務を経て、小林メディカルクリニック東京の便秘外来で腸について集中的に学ぶ。著書に『下がらないカラダ』(サンマーク出版)、『腸が変われば、人生変わる 美腸の教科書』(主婦の友社)がある。

【第4回】美腸のために必要な生活習慣について

「腸のゴールデンタイム」を生かして朝はトイレに!

編集部
大腸がんの罹患率が年々上昇しているという背景もあってか、世間一般の風潮としても、腸活に興味を持つ人が増えているように感じます。

小野
確かに、「少しずつ注目度が上がってきたかな」という印象を受けています。特に女性の間で「美しさを保つために本当に大切なのは、いわゆるインナービューティーだ」という考え方が広まってきたことも大きいのではないでしょうか。腸の調子が肌に影響するということは、感覚的にもわかりやすいですから。もっとも、医療従事者の立場からすれば、「内臓にトラブルがあるのに表面に現れてこない」という状態のほうが怖いのですが……。

編集部
何か腸に良いことをしようと決心しても、「ヨーグルトを食べる」くらいしか思いつかない人が大多数だと思います。実は私もそのひとりなのですが、生活のなかで「腸によいこと」を実践するためには、どんなことから取り組めばよいでしょうか?

小野
副交感神経が優位になり、腸がよく働く24時以降は、いわば「腸のゴールデンタイム」です。この時間帯にしっかりと眠ることで、腸が“翌朝の排便の準備”をしてくれます。その上で、朝をどう過ごすかが重要になってくるわけです。

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編集部
寝ている間に消化・吸収活動をしておいて、起きてから出すというわけですね。

小野
せっかく夜の間に腸が頑張ったのですから、朝になったら必ずトイレへ行き、ゆっくりと排便するための時間を作ってあげましょう。お腹をスッキリさせてから出かけたほうが気持ち良いですからね。

編集部
とはいえ、朝は何かと慌ただしいですし、便が出るまでトイレにこもっているのは難しそうです……。

小野
10分程度でもよいので時間をキープし、まずは便座に座ることから始めてみてください。徐々に習慣化することで、排便できる体に近づいていくはずです。日中は仕事などでトイレに行きづらい状況もあるでしょうから、出勤前に出してしまうのが一番! 貴重な朝の時間を割くだけの価値があるはずですよ。

「飲む」「食べる」「出す」の3ステップを朝の習慣にする

編集部
トイレへ行くタイミングは、起きてからすぐですか?

小野
起床直後ではまだ腸が目覚めておらず、うまく排便することは難しいでしょう。まずは起き抜けにコップ1杯の水を飲んでみましょう。水分が腸の蠕動運動を促してくれます。このとき、冷たい水では腸を冷やしてしまいますから、常温の水または白湯がよいでしょう。

編集部
水じゃないとダメですか? 私は、朝はコーヒー派なのですが……。

小野
睡眠中に汗をかいていることもあり、起き抜けの体はカラカラに乾いている状態です。利尿作用のあるコーヒーを飲むと余計に体から水分が出てしまうので、避けたほうがベターです。まずは水を体に取り入れて、コーヒーはその後にゆっくりと楽しめばよいのではないでしょうか。

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編集部
朝ご飯についてはどうですか? 正直、朝はあまり食欲がわかず、スルーしてしまうことも少なくありません。

小野
少しでもよいので、ぜひ食べてほしいです。起き抜けの水と同様、朝食も腸への適度な刺激となり、排便を促してくれます。朝のルーティンとして、「水を飲む」「朝食をとる」「トイレに行く」という3ステップを習慣化したいですね。朝に食欲がわかないのは、前日の夕食時間が遅すぎるのではないでしょうか。就眠3時間前までに夕食を済ませることが理想的ですよ。

美腸のために!今すぐ習慣化したい朝の3ステップ
STEP1水を飲む
STEP2朝食をとる
STEP3トイレに行く

編集部
小野さん自身は、どのように朝を過ごしていらっしゃいますか?

小野
出かける予定時刻の2時間前には起床して、朝陽を浴びてから水分補給し、朝食をとります。その後、すぐにトイレへ行くこともあれば、軽くストレッチしているうちに便意を感じることもあります。本来は1時間もあれば排便の時間は確保できると思いますが、できるだけ余裕を持ちたいので。

編集部
「朝陽を浴びる」というのも腸に関係あるのですか?

小野
実は、あります。日光には、体内時計をリセットする効果があります。夜間には副交感神経モードだった心と体を、交感神経優位の状態に切り替えてくれるのです。自律神経がバランス良く働くことで、腸の働きもスムーズになりますよ。

入浴で体の深部温度をアップさせよう

編集部
朝の過ごし方がいかに腸に作用するか、理解することができました。美腸を目指すため、他に日常生活で気をつけるべきことはありますか?

小野
お腹を温めることで腸の働きが活発になるため、入浴することも効果的です。38~40℃くらいのぬるめのお湯に15分程度浸かることで、体の深部温度がアップします。さらに副交感神経が優位になり、全身の代謝も良くなりますよ。入浴のタイミングは、就寝の1時間ほど前が理想的ですね。

編集部
入浴が体に良いことはわかるのですが、忙しくて毎日入るのは難しいという人も多いと思います。シャワー派の人でも、腸を改善することはできるでしょうか?

小野
例えば、手軽にできる足湯だけでも取り入れてみてはどうでしょうか。好みの香りのアロマオイルを入れたりして、リラックスタイムにすることもできますから、特にストレス性便秘の人にはおすすめです。シャワーを浴びることしかできないときでも、意識的にお腹を温めるようにしてみてください。

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編集部
そういえば「水洗式トイレのシャワーをお尻に当てると便が出る」という話を聞いたことがあります。それは問題ありませんか?

小野
あと少しで出そうなとき、肛門を刺激することで排便を促すということですね。弱めの水流で、1日に1~2回くらいなら大丈夫でしょう。あくまでも補助的な位置づけであれば、便秘解消の手段のひとつとして使えるかもしれません。

編集部
でも、水流を強くしすぎるのはNGですね?

小野
あまりに水の勢いが強いと、肛門内の粘膜が傷ついたり、皮膚がただれたりすることがあります。また、肛門を守る働きをしている常在菌が流されてしまうのも問題です。いずれにしても過度に依存するのは望ましくありませんから、より根本的な方法で便秘を解消するように考えてみてくださいね。

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お話を伺った人


小野 咲(おの さき)先生

 

大学卒業後、2007年より国立成育医療研究センターPICU(小児集中治療室)勤務。その後、小林メディカルクリニック東京の便秘外来に移り、腸について集中的に学ぶ。著書に『下がらないカラダ』(サンマーク出版)、『腸が変われば、人生変わる 美腸の教科書』(主婦の友社)がある。

撮影/山本美紗子 取材・文/中澤仁美(ナレッジリング)

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