「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「ぐっすり眠った気がしない」など、不眠のタイプはさまざま。いずれにしても、充分な睡眠が取れていないと心身の疲労が取れずに日中のパフォーマンスも大きく低下するだけでなく、肌荒れや肥満、高血圧やイライラなどを招きやすくなります。
そこで、プロトレーナーの坂詰真二先生に、寝る前の数分で簡単にできる不眠改善のためのストレッチを教えていただきました。
デスクワークなどで緊張した筋肉を効率よくほぐしながら、ゆったりとした呼吸で心を落ち着かせて、眠りモードへ導きます。
■コラムテーマ
動画つき★『こり・痛み・だるさスッキリ!30歳からのお悩み別ストレッチ』
スポーツ&サイエンス代表 坂詰真二先生
1966年新潟県生まれ。NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。25年を超えるプロトレーナー活動の中で育成したトレーナーは3,000人以上。メディア出演は1,500回以上を数える。書籍・雑誌の監修、テレビ出演など、さまざまな媒体で各年代に応じたコンディショニングを指導。近著(共著)に『世界最新のボディメイク エキセントリックトレーニング』(日本文芸社)。
超簡単!不眠予防ストレッチをやってみよう
ご紹介するのは、座ったままだと硬くなりやすい「お尻」や「ももの裏」の筋肉を、仰向けに寝て伸ばすストレッチ。動作中に頭と肩が上がると充分に筋肉が緩まないので、頭の下に枕やクッションを置きましょう。
「ひとつの動きで下半身の大きな筋肉を伸ばせるのが、このストレッチの特徴です。心理的なリラックス効果も非常に大きいので、忙しい方こそ寝る前の儀式として取り入れてほしいですね」(坂詰先生)。
【1分動画】で全体の流れ&細かい動きをチェック!
プロトレーナーの坂詰真二先生が、実際にモデルさんに不眠予防ストレッチをレクチャー。全体の流れ、細かい動きをチェックしたい人はこちらから!
上げた足は軽く緩めましょう
STEP1: 仰向けに寝て、左足を右膝の上へ
仰向けに寝て右膝を立て、その上に左の足首を乗せます。頭の下には枕やクッションを置きます。
STEP2:左足を抱えて手前に引き寄せます
両手で左足を抱えて、手前に引き寄せましょう。左膝を軽く曲げた状態で10秒キープ。膝を軽く曲げることで、お尻とももの裏を伸ばしやすくなります。逆も同様に。痛みのない範囲で楽に呼吸をしながら3セット行います。
これはNG!
頭と肩が上がり、力が入ってしまっているNG例。頭の下に枕やクッションを置くことで、リラックスできます。
伸ばすのはココ!
ひとつの動きで『大臀筋(だいでんきん)』『ハムストリングス』など、大きな筋肉を同時に伸ばすことができるストレッチです。
休むだけでは、疲れが取れない
ストレッチの大きな目的のひとつは、疲労回復を促すことです。
しかし、その疲労にもタイプがあります。肉体的な疲労として代表的なのが、スポーツをしたり、たくさん歩いたり、重いものを持ち上げたりした後の疲れで、これらは筋肉を動かすために大量のエネルギーが使われ、疲労物質がたまるなどが原因で起こります。
一方、デスクワークのようにほとんど運動をしていなくても、肉体的な疲労は発生します。「座っているだけだから、さほど疲れていないはず」と思いがちですが、長時間同じ姿勢を保つために筋肉は緊張し続けることに。それによって血行が阻害されて疲労物質がたまるのです。
ともにストレッチが疲労の緩和・回復に有効ですが、とくに後者の場合、じっとしているよりも軽く体を動かす方が、疲れは抜けやすくなります。運動不足で滞っていた血行が促進され、疲労物質がスムーズに除去されるからです。
同じ姿勢を続けたら、1時間に1回はストレッチをする。さらに、帰宅後は40度のお湯で10~15分全身浴をした後でストレッチを行えば、入眠もスムーズになり、高い疲労回復効果が期待できます。
坂詰式ストレッチ★5つのオキテ
●その2呼吸を止めずにリラックスして
●その3 ときどき長くより、毎日短時間
●その4ストレッチのゴールデンタイムは入浴後と運動後
●その5 伸ばしたい筋肉を意識しない
◆監修◆
スポーツ&サイエンス代表
坂詰真二(さかづめ しんじ)先生
スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。25年を超えるプロトレーナー活動の中で育成したトレーナーは3,000人以上。メディア出演は1,500回以上を数える。『世界一やせるスクワット』『世界最新のボディメイク エキセントリックトレーニング』(日本文芸社)、『やってはいけない筋トレ』(青春出版社)、『人生100年時代を元気に楽しむための還暦筋トレ(山と渓谷社)』、『1日1分、階段を下りるだけ美骨トレ』(マガジンハウス)など著書多数。