「スマホ首」が急増中!? その首・肩のこり、うつむき姿勢が原因かも

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長時間のスマホ操作でうつむいた姿勢を続けることで、頚椎の正常なカーブが失われて生じる「スマホ首(ストレートネック)」。首まわりの筋肉が常に引っ張られて緊張した状態にあるため、スマホ首は首・肩のこりや頭痛、吐き気などの原因になることもあるといわれます。自身もスマホ首になりかけた(?)原田文植 医師が、日本の新国民病とも囁かれるスマホ首について、分かりやすく解説します。

■コラムテーマ
『言葉は身体のコントローラー』

医師・医学博士原田文植先生
1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。

情けない話だが、克服したはずの「肩こり」が最近復活している。
2ヶ月前からランニングを始めた。副作用としての「筋肉痛」と思っていた。
それにしては長引きすぎている。2ヶ月続く筋肉痛など聞いたことがない。
原因がわかった。
「スマホ」だ。
ランニング中に原稿を「口述筆記」することに味をしめた。「スマホ時間」が急激に長くなっていたのだ。
気づいてからはスマホ時間を短くしている。すると、たしかに症状は軽減している。

検診で肩こりを訴える若者が増えている。
「電車でスマホやってるやろ?」
若者はコクリとうなづく。
その姿勢だ!それがまさに首への過度の負担を強いている。

人間はもともと四足動物だ。赤ん坊を見ればわかる(うちの長男はついにハイハイしなかったが…)
よつん這いで前方を見る姿勢を試みて欲しい。座位でそれをすれば、顔のどこを向いている?天井だ。
車内でスマホをしている人はほぼ180度逆ポジションを取っていることになる。

頭の重さは大体ボーリングの球と同じ5~6kg。
ちなみに下を向くと、物理的に計算すると僧帽筋は30kgほどで引っ張られることになる。
こんな力を何時間もかけられるように僧帽筋はデザインされていない。
人間の脊柱は横から見ると、4ヶ所で軽く彎曲している(イラスト1)。これを正常彎曲 normal curvesと呼ぶ。胎児の彎曲は脊柱の全長にわたってただ一つだ。生後約3ヶ月で首がすわると、頸部の彎曲が作られる。その後、立ち上がり、歩き、腰部の彎曲が出現する(イラスト2)。

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人類は古今東西、同じように進化を遂げ、出来上がったのが現在の脊柱である。
21世紀の現代人はそこに、逆向きの負荷を長時間かけようとしている。
パソコンから始まり、スマホへ変遷をたどり、頚椎も筋肉も悲鳴状態だ。
将来、人体の構造にどのような影響をもたらすかはだれも知らない。
壮大な人体実験が現在進行系で行われているわけだ。

スマホ依存も問題視されるようになって久しい。予備軍を含めば、国内に推計70~80万人とも言われている。
スマホ依存の精神面での問題については今回ふれるつもりはない。
長時間使用してしまうことが依存症であるならば、肉体への影響は言わずもがなである。
子供の将来が危惧されるところだ。一体どんな未来が待っているのだろうか?
子供はまだ骨格が完成していない。
人類進化の歴史から推測すれば、適応していくことも考えられる。
真の「デジタルネイティブ」は誕生するのか?楽観的すぎるだろうか?
天に召されたスティーブ・ジョブズに訊いてみたいところだ。
スティーブ・ジョブズは生前、自分の子供にスマホは触らせなかったらしい。
おいおい、無責任でしょ!?

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◆執筆◆

原田プロフィール
医師・医学博士
原田文植(はらだ ふみうえ)先生

1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。2018年、医療と教育に特化したONE LOVEビルを建設。医療従事者向けに「日本メディカルコーチング研究所」、一般の患者向けに「よろず相談所 One Love」を開設。武道家・格闘家との交流、映画出演、音楽ライブ活動など幅広く活躍。著書に『病は口ぐせで治る!』(フォレスト出版)がある。

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