今回のテーマは、「疲れ目」。なぜ、目が疲れるのか? パソコンやスマホの操作で、目がショボショボしたときにするべきことは……?
医学博士・健康科学アドバイザーの福田千晶先生に聞く、『女性の5大不調~その原因とリセット法』。意外と知られていない疲れ目のメカニズムや、その場でカンタンにできる目のストレッチなどをご紹介します!
■コラムテーマ
女性の5大不調 ~その原因とリセット法
福田千晶先生
1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。
福田千晶先生インタビュー【第3回目】は、疲れ目の原因と対策について
「あえて焦点を合わせない」というリラックス法
編集部
体の疲れを感じている人の約9割が、
目の疲れや痛みも感じているといいます。
目の疲れというのも、一種の筋肉疲労なのでしょうか。
福田
そうですね。たとえばパソコンの画面をジーッと見ているというのは、
腕の筋肉に例えると、腕にバッグを提げて静止しているような状態。
つまり、目の筋肉が緊張しているわけです。
編集部
あぁ、すごい負担ですね。
福田
はい、それによって目も、首や肩のこりと同じような痛みや重だるさ、不快感などを招いてしまうことがあります。
編集部
筋肉が緊張した場合、肩こりだったら首を回したり、
立ち上がって伸びをするといった方法がありますが、
目の疲れの場合、何かエクササイズ的なものはありますか?
福田
目の疲れのリセット法としては、肩こりや首のこりと同様に、
凝り固まった目の周りの筋肉をゆるめてあげることです。
眼鏡をかけている方なら、眼鏡を外しただけでかなりぼんやりするので、
あえて焦点を合わせないで、目の筋肉をふんふんふ~んと、ゆるめておく。
編集部
それが、いいんですか。
福田
それがリラックスになる。
編集部
あえて焦点を合わせない。
福田
そう、合わせない。目を半開きにして“ぼんやり見る”というのが大事で、
このとき筋肉はリラックスしている状態なんですね。
「遠近ストレッチ」で、疲れにくい目を育てる
福田
あとは、近くを見た後に、遠くを眺めるというのもおすすめです。
編集部
電車の中でスマホ画面を見続けた後に、
窓の外の景色をボーッと見るといったことでしょうか。
福田
そうです。オフィスの中なら、パソコン画面を見続けたら、
部屋の隅とか天井に目線を移すといった具合に、
違う距離のところを交互に見てみる。
編集部
これで、目の筋肉を鍛えるのでしょうか。
福田
どちらかというと、ストレッチですね。
目はカメラのような構造をしていて、近くを見るときには
筋肉を縮めてピントを合わせようとします。
一方、遠くを見るときは、目の周りの筋肉はゆるんでいます。
この「縮める」「ゆるめる」を交互に行うことで、目の周りの筋肉のストレッチになり、血流が促される。
すなわち目を疲れにくい状態に導いてあげるのです。
編集部 (実践中)
あれっ、ゆるめるのが意外と難しい……。
福田
人類史の99%は狩猟・採集生活だといわれますが、
昔は動物を追ったり追われたり、遠くを見たり近くを見たり、
もっと人はきょろきょろしていたはずです。
そういう風に人間の目はできているのに、一ヵ所をずっと見ているというのは、目にとってはかなり過酷な状態にあるといえますね。
編集部
そうですね。気付くと近くにピントを合わせっぱなしになっている、
ということがよくあります。これからは、1時間に1回ぐらいは
“ぼんやり”を取り入れてみたいと思います。
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医学博士・健康科学アドバイザー
福田千晶(ふくだ ちあき)先生1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年より、フリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。医療機関での診療、企業の産業医活動も行う。『自分でスッキリ消せる! 肩こり・腰痛・ひざの痛み』(永岡書店)、『心も体もきれいになる!その場で「あたため」ストレッチ』(講談社+α文庫)、『花粉症がみるみるよくなる62の対策』(日東書院)、『1日10分! 足の悩みは自分で治せる』 (実業之日本社) など著書・監修書多数。
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