動揺こそ病の敵。上手に病を治す人は過度に心配しない

動揺-病

■コラムテーマ
『言葉は身体のコントローラー』

医師・医学博士 原田文植先生
1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。

「病そのものではなく、不安が掻き立てる言説に殺される(スーザン・ゾンタグ)」

大病をしても上手に治っていく人には傾向がある。
病のことをあまり心配していない
(心配していないように見えるだけかもしれないが…)
鈍感ゆえ、本当に病に対して心配でないのだろうか?
もしくは「トボケテいる」だけなのだろうか?
いずれにして、他人に動揺しているように見せないのは共通している。

何らかの病になったとき、その原因がこれまでの生活習慣と全く無縁ということはまれだ
(食中毒などある種の急性疾患は別だが)。
であれば、これまでのやり方で治る確率は低いはずだ。
とすれば、新たなやり方を導入するために医療従事者の助言を得る必要がある。
では、信頼できる専門家を選ぶにはどうすればいいか?
魔法のようなテクニックはないが、必要となる心構えは存在する。
それは「動揺しない」ことだ。動揺すると、間違いを犯しやすくなるからだ。
動揺すると、交感神経が活性化し、「闘争か逃走」状態に陥る。
オレオレ詐欺で別人の声が息子の声に聴こえてしまうような状態だ。
これまでの人生で考えてみてほしい。心配しながらうまくやれたことはあっただろうか?
受験や試験、スポーツの試合、発表会などなど。心配していては勝てないし、演奏も失敗する。
持っているスペックを最大限発揮し、淡々とやるには冷静さが必要だ。
病への対応においても全く同じで、動揺は治癒にとって邪魔でしかない。

ところで、子どもは病に治るのがうまい(現に治ったから大人になっている!)。
生来、子どもには「心配」という概念がない。大人が身につけさせるものだ。
症状そのものに正直に反応する。だから症状が消えれば、元気に遊んでいる。
症状に連続性がないのだ。
対して大人は「心配」と格闘し、動揺する。
「いつまでも続くのだろうか?」「死ぬような病ではないだろうか?」
四六時中、それこそ症状が消えているときまで、病のことで頭がいっぱいになる。
しかも、いつでも再現できるような言葉まで開発する。
「丸太で後ろから殴られたような痛みです」
絶対に経験ないだろ!
そんな状態では仕事や生活に支障をきたすに決まっている。

人間の行動規範には、優先順位というものが存在する。
病や健康を高い優先順位に設定しない方がいい。
「健康」は「おカネ」と同じくツールでしかない。
自分の人生における「志(こころざし)」に忠実に生きた方がいい。
治癒するのはそういう人だ。

万人に共通する健康法なんてないと思っていた方がいい。
誰でも病になりうる。軌道修正すればいいだけだ。
信頼できる専門家を見つけ、治療法を粛々と遂行する。
病に動揺しているとき、特別なアンテナが立っていると思った方がいい。
そのアンテナはやたらとノイズを拾う。
動揺につけ込む商売人の罠にはまりやすくなる。
動揺せず、常に冷静になることだ!
難しいって?
大丈夫、かならずできる!
子どもの頃には間違いなく持ち合わせていたスペックなのだから。

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◆執筆◆

原田プロフィール
医師・医学博士
原田文植(はらだ ふみうえ)先生

1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。2018年、医療と教育に特化したONE LOVEビルを建設。医療従事者向けに「日本メディカルコーチング研究所」、一般の患者向けに「よろず相談所 One Love」を開設。武道家・格闘家との交流、映画出演、音楽ライブ活動など幅広く活躍。著書に『病は口ぐせで治る!』(フォレスト出版)がある。

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