女性の体はなぜ冷える?|医学博士インタビュー⑤

日本人女性の9割が抱えているという『冷え』。

「手足が年中、氷のよう」「生理が来ると体が冷える」「ふと温泉に行きたくなることがある」……。そんな人は要チェック!

医学博士・健康科学アドバイザーの福田千晶先生のインタビュー連載・第5回目は、冷えのメカニズムや女性が冷えやすい理由に迫ります。

■コラムテーマ
女性の5大不調 ~その原因とリセット法

学博士・健康科学アドバイザー福田千晶先生
1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。

福田千晶先生インタビュー【第5回目】は、女性に多い『冷え』の原因とメカニズムについて

冷えとストレスは現代女性の大敵

編集部
今回、女性の5大不調を取り上げるにあたり、
男性はどうなんだろうと調べたら、5大不調はほぼ同じなんですね。
ただひとつ、『冷え』が男性にはなかった。

福田
あぁ、そうかもしれませんね。
代わりに腰痛かな。

編集部
いや、それが「特にない」だったんです。
俺は大丈夫だ、ということなのでしょうか。

福田
その可能性はありますね。
自信を持っているのと、体に関心がいっていない。
両方のケースが考えられます。

たとえば昔、何か運動をやっていたりすると、「体は強いから大丈夫!」と、
悪いところに気づかない。健康診断の結果も見ないという方もいます。

編集部
一方、女性は、体の変化に敏感にならざるを得ない
シーンが多いようにも感じます。

福田
そうですね、オフィスの椅子ひとつとっても、
最近は日本人に合わせているなどといいますが、
だいたい欧米の男性の体格が基準になっていると思います。
部屋の温度も男性に合わせると、女性は寒く感じやすい。
いろいろなところで微調整が必要になってきますね。

編集部
今でこそ電車でも弱冷房車というものがありますが、
オフィスや映画館などでは、カーディガンやストールで
寒さ対策をしている女性を多く見かけます。
先生はたくさんの患者さんを診ていらして、
やはり冷えに悩む女性は多いと感じますか。

福田
はい、冷えは女性の定番の悩みですね。
日本人女性の9割が冷え性といわれるほどです。
そして私は、産業医として人間ドックや健康診断で
年間約2万人の受診者を診ていますが、そんな中で実感するのは、
冷えとストレスこそ現代女性の大敵だということです。

ふと温泉に行きたくなったら冷えてるサイン!?

編集部
その『冷え』について、いろいろと教えてください。
まず、冷えの定義ですが
冷えとは、どのようなものを指すのでしょうか。

福田
簡単にいうと、血の巡りが悪くなることで体が冷えて、
不快に感じられる状態を冷え、冷え性といいます。
まず手先や足先などの末端から冷えていき、冷えが全身に及ぶと、
おなかや腰など中心部まで冷たくなってきます。
ちなみに、冷えの指標は『本人の自覚症状』になります。

編集部
冷えの要因としては、どのようなものが考えられますか。

福田
運動不足、ストレス、冷たいものの取りすぎ、
薄着、エアコンなどの冷気などですね。

編集部
このとき、なぜ体は冷えるのでしょう。

福田
寒さを感じた時、あるいはストレスを受けたとき、
私たちの体は、無意識に力を入れてしまうんですね。
すると血管が縮まり、血流と共に運ばれるべき熱が
体のすみずみまで届かないのです。

とくにストレスがかかると、血液は生命維持に関わる脳や筋肉に
優先的に届けられ、手足は冷たくなる
生理中も腹部に血液が集まるので、手足が冷たくなりやすいです。
これも女性が冷えを抱えやすい要因のひとつですね。

編集部
確かに、ストレスがあるときは、
顔色が悪くて手がひんやりしている気がします。

福田
そういうとき、「温泉に行きたいわ」「南の島に行きたいわ」って思いませんか?
暖かくてリラックスできるところ。

編集部
思います。「バリ島行きたい!」って。

福田
寒さは死に結びつく可能性があるので、
人は冷えを察したときに反射的に温まろうとするんです。
疲れているときに、「北国に行きたいわ」「冷たい川で泳ぎたい」っていう人って、あまりいないではないですか。

編集部
はい、できれば温まりたいですね。

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  • お話を伺った人

    福田プロフィール
    医学博士・健康科学アドバイザー
    福田千晶(ふくだ ちあき)先生

    • 1988年、慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、1996年より、フリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。医療機関での診療、企業の産業医活動も行う。『自分でスッキリ消せる! 肩こり・腰痛・ひざの痛み』(永岡書店)、『心も体もきれいになる!その場で「あたため」ストレッチ』(講談社+α文庫)、『花粉症がみるみるよくなる62の対策』(日東書院)、『1日10分! 足の悩みは自分で治せる』 (実業之日本社) など著書・監修書多数。

      ホームページ

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