平日の夕方、鏡に映ったのは疲れ顔。「なんだか昔より肌にツヤや弾力がなくなった気がする…」と感じることはありませんか?自宅でのスキンケアに加えて、サロンで特別なお手入れもしたほうがいいのか悩みますよね。そんなときフェイシャルエステサロンのページを見ていたら、『新メニュー登場!ヒト幹細胞培養液をポレーションで導入して、若々しい肌へ導きます』なんて興味を引かれるメニューがあったりして、ますますエステを受けたくなりますよね。
でも、『ヒト幹細胞培養液』という単語が聞き慣れないこともあり、具体的にどんな効果があるのか、成分は安全なのか、疑問や不安を抱きませんか?
そこで今回は、ヒト幹細胞培養液を用いたフェイシャルエステがもたらす効果、成分の安全性、実際の施術内容などについてお話しします。興味を持った方のために、ヒト幹細胞エステを取り扱っているサロンや、自宅で使えるコスメも紹介します。
自分の抱えている肌の悩みに対してヒト幹細胞培養液が有効かを知り、気になった方はぜひエステサロンやコスメをチェックしてみてください。
1.ヒト幹細胞エステの効果と培養液の成分
はじめに、ヒト幹細胞培養液を用いたフェイシャルエステの効果や、培養液の成分についてお話しします。
1-1.具体的な美容効果
ヒト幹細胞エステで改善が期待できる肌トラブルは、以下の通りです。
- シワ
- シミ
- たるみ
- 毛穴の開きや黒ずみ
- ほうれい線
- くすみ など
特に加齢による悩みに有効とされ、肌に透明感や潤い、ツヤ、弾力を与え、若々しい肌へ導いてくれるのがヒト幹細胞エステです。
1-2.成長因子がカギとなって効果が生まれる
なぜ上記のような効果が得られるのか。それは、培養液に多くの「成長因子」が含まれているからです。
成長因子の働きについて知るには、まず幹細胞の能力と役割を理解する必要があります。
幹細胞は、分裂して自分と同じ細胞を複製する能力と、異なる種類の細胞に分化する能力を備えています。この2つの力によって細胞の数を増やし、体内のさまざまな組織を再生する役割を担っているのです。
ここからが本題です。
美肌効果を得るためには、幹細胞のうち「表皮幹細胞」と「真皮幹細胞」の活動を活発にすることが重要です。なぜなら、これらが肌のターンオーバーや美容成分の生成を司っているからです。
ヒト幹細胞培養液に含まれている成長因子は、表皮幹細胞や真皮幹細胞に働きかけて、細胞の複製や分化を促します。その後、分化によって新たな表皮細胞や線維芽細胞がつくられます。
その結果、ターンオーバーが加速し、美容成分(コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなど)が増産されます。そして肌が健康的な状態を維持しやすくなり、シワやシミ、たるみ、毛穴の開きや黒ずみ、ほうれい線、くすみなどが緩和されるのです。
従来の基礎化粧品は、老化によって減少したコラーゲンやヒアルロン酸などの美容成分を直接肌に塗布して補う、というものでした。しかしヒト幹細胞培養液は、成長因子を肌に補給することで細胞を活性化させ、自ら美容成分を作り出せる肌を目指す点において、他のものと大きく異なります。
培養液に含まれる代表的な成長因子
- EGF(上皮細胞成長因子)…表皮幹細胞に働きかけ、ターンオーバーを促進させる
- FGF(線維芽細胞成長因子)…真皮幹細胞に働きかけ、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどの美容成分を増産させる。
- TGF(トランスフォーミング成長因子)…細胞の再生をサポートし、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンの産生を促す。
- IGF(インスリン様成長因子)…細胞の再生をサポートし、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンの産生を促す。
1-3.成分の安全性は高い
ヒト幹細胞培養液の安全性は高いといえます。理由は以下に述べる通りです。
まずヒト幹細胞培養液とは、人間の皮下脂肪やへその緒から採取した幹細胞を培養したときに分泌された成分から、幹細胞を取り除いたものです。「他人の細胞を肌に導入するって危なくないの?」と不安に思われる方もいるようですが、培養液の中にヒトの幹細胞は含まれていません。
細胞移植ではないので医療行為にも当たらず、異物が体内に侵入した際の免疫反応や拒絶反応も起こらないとされています。厚生労働省が定めた基準に従い、ヒトの幹細胞を完全に除去して精製しています。
また、製造過程での検査や衛生管理も徹底されています。ドナーに感染症や疾患がないかチェックしたうえで幹細胞を採取し、無菌室で製造。その後も何度か検査を重ねて基準をクリアしたものだけが製品として出荷されます。
次の1-4.の表を見てもヒト由来ではないものに比べ、安全性が高いとわかります。
新しい技術だからこそ検査が徹底されているヒト幹細胞培養液。成分には、ひとまず安心していいでしょう。
1-4.ヒト・動物・植物幹細胞培養液の違い
幹細胞培養液はヒト由来のほか、動物や植物から採取して製造されたものもあります。それぞれの違いを表でまとめてみました。
| ヒト幹細胞培養液 | 動物幹細胞培養液 | 植物幹細胞培養液 |
効果 | エイジングケアに効果的 | ハリの改善が期待できる
| 肌表面を守る保湿力や抗酸化作用に優れている |
相性 | 最も人間の肌に適している
| 細胞の仕組みが人間に近く、肌に馴染みやすい | 細胞の構造が異なるため、人間の肌に馴染みにくい |
細胞活性能力 | 熱による殺菌処理が不要なため、たんぱく質が多く含まれており、細胞活性能力が高い
| 熱処理によってたんぱく質が分解されてしまい、細胞活性能力が低い
| そもそも細胞活性能力がない |
安全性 | 高い | 飼育環境などを考慮すると成分の安全性に不安が残る | 肌にどう作用するか判明していない部分が多い |
原料 | ヒトの皮下脂肪、へその緒の臍帯血(さいたいけつ) | 羊の胎盤、羊の毛根 | リンゴ、アルガンツリー |
2.エステサロンでの施術内容・料金・理想の頻度
ヒト幹細胞培養液を使ったスキンケアは、エステサロンで受けられます。施術内容や料金、理想の頻度について紹介します。
2-1.マシンでヒト幹細胞培養液を肌に導入
クレンジングと洗顔をしたあとにヒト幹細胞培養液(美容液)をマシンで肌に導入し、マッサージをして整肌、という流れが一般的です。このように、美容液としてヒト幹細胞培養液を扱っているサロンがほとんどです。
また、高圧の空気を利用する「高圧ジェットエアー」、電気パルスで一時的に皮膚に穴を開ける「エレクトロポレーション」、微粒子化して噴射する「スプレーガン」の3種類のマシンが、美容液導入によく使われているようです。
2-2.料金は60分で10,000円~20,000円、90分だと15,000円~25,000円
ヒト幹細胞エステを取り扱っているエステサロン約40店舗を調査した結果、施術時間が60分の場合は10,000円~20,000円、90分だと15,000円~25,000円で提供しているお店が多く見られました。まだ新しい技術のため広く普及しておらず、ベーシックなエステメニューよりも高価となっています。
2-3.理想の頻度は2週間~1ヶ月に1回
まずは、2週間に1回のペースで通いましょう。ヒト幹細胞エステは比較的料金の高いメニューなので、金銭面を考慮しつつ、施術効果が切れるタイミングで再び肌に栄養分を補給し、乱れたターンオーバーを正常に戻すのが最初のステップとなります。
肌の調子が整ってきたら、1ヶ月に1回程度のペースに切り替えて、定期的にメンテナンスしましょう。年齢によって異なりますが、通常、肌細胞は28日程度で新しく生まれ変わります。この周期に合わせれば、常に新しい細胞に対してアプローチすることができ、美肌をキープしやすくなります。
3.ヒト幹細胞エステを取り扱っているサロン
ここまで読んで興味を引かれた方は、ヒト幹細胞エステを提供しているサロンを実際にチェックしてみましょう。
EPARK内における「ヒト幹細胞培養液」の検索結果はこちら
4.自宅で使えるコスメ
ヒト幹細胞培養液が入ったコスメを自宅で使いたい方に向けて、現在販売されているコスメの種類や、購入時のポイントを簡単に紹介します。
4-1.スキンケア用・メイク用がある
美容液やオールインワンジェルなどの基礎化粧品のほか、ファンデーションやリップなどのメイク用品も販売されています。
今回はEPARKリラク&エステ編集部が注目する、コスメ賞受賞やメディア掲載実績のある人気商品を4つ紹介します。
≪美容液≫
ヒトユライ プレミアム クリア セラム
商品説明:2017年モンドセレクション金賞受賞。細胞の活性化が期待できるヒト脂肪細胞順化培養液に加え、メラニンの増殖を抑えて美白効果を促すヒト神経細胞順化培養液の2種類を高配合。発売当時、初めてヒト神経幹細胞培養液を配合した美容液として注目を集めた。エイジングケアをしながら美白ケアもしたい方におすすめ。 内容量:15mL 販売価格:10,780円(税込) 出典:公式オンラインショップ |
≪オールインワン≫
ピュールビオ ワン
商品説明:エステセレクション2018金賞。遺伝子研究で明らかになってきたテロメア(※1)の働きに着目し、バイオテクノロジーとオーガニックを融合することで「肌再生」を目指す、新発想のコスメ。テロメラーゼ活性抽出液(※2)、ヒト幹細胞培養液のほか、保湿系美容成分や天然植物オイルをたっぷりと配合したオールインワンクリーム。高品質にこだわりつつ、スキンケアを時短したい方におすすめ。 内容量:40mL 販売価格:30,800円(税込) 出典:オンラインショップ ※1…染色体の末端にあり、細胞の寿命を司る役割をもつ。細胞が分裂するたびにテロメアは短くなり、細胞の能力が低下して皮膚が老化する。 ※2…天然植物から抽出された成分。テロメアの断片を維持する、もしくは再び伸ばす作用が期待できる。 |
≪ファンデーション≫
エックスリュークス プロケアビヨンド セラムファンデーション
商品説明:雑誌で紹介されて人気を博した、ヒト幹細胞培養液のほか保湿成分が多く含まれたリキッド状美容ファンデーション。パール効果でくすみをカバーし、なめらかなツヤ肌を演出。全5色展開。公式通販サイトや店舗で購入可能。 内容量:30mL 販売価格:7,859円(税込) 出典:公式オンラインショップ |
≪リップ≫
ルシフェル リッププランパー
商品説明:2019年9月7日に発売され、多数のメディアに掲載された唇用美容液。ヒト幹細胞培養液やリンゴ果実細胞培養液(※1)を配合。日本人の唇や肌質に合わせて無添加にこだわった、肌にやさしい仕上がり。乾燥やひび割れをケアし、ふっくらとした唇へ。 内容量:10g 販売価格:2,080円(税込) 出典:Amazon ※1…リンゴの幹細胞を培養したときに分泌された、保湿成分。 |
4-2.配合率・成分をチェックして購入しよう
特に基礎化粧品を購入する際には、ヒト幹細胞培養液の含有率や、他にどんな美容成分が含まれているかを確認しましょう。
高濃度かつ肌質や悩みに適したものを選べば、より効果を実感しやすくなります。配合量の順番に成分名が書かれていますので、まずはヒト幹細胞培養液が先頭近くに記載されているかチェックします。
さらに、他にどんな美容成分が含まれているかも忘れずに確認してください。
例として、4-1.で紹介した「ピュールビオ ワン」の全成分を参考にすると、以下の通り、先頭付近に培養液の名前が書かれているのがわかります。培養液よりも配合量の多い成分(水、グリセリンなど)があるのは、品質低下を阻止する、テクスチャを良くする、刺激を抑えるなどの目的で、化粧品自体の配合バランスを取るためです。
※水色の下線部がヒト幹細胞培養液、黄色の下線部が美容成分です。
基礎化粧品に使われる代表的な美容成分
美白成分(シミ、毛穴の黒ずみ、くすみ、そばかすが気になる方はここをチェック)
- ビタミンC誘導体
- ルシノール
- アルブチン
- プラセンタエキス
- リノール酸
- トラネキサム酸
保湿成分(乾燥、シワ、毛穴の開き、たるみが気になる方はここをチェック)
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- エラスチン
- セラミド
- スクワラン
5.まとめ
ヒト幹細胞培養液を使ったフェイシャルエステについて、具体的な美容効果や成分の安全性などをお伝えし、エステサロンでの施術詳細、取り扱いサロン、自宅で使用できるコスメも紹介しました。
・ヒト幹細胞エステは、成長因子によって特に加齢による肌トラブルを緩和し、透明感や潤い、ツヤや弾力を与え、若々しい肌へ導いてくれる。(1-1./1-2.)
・ヒト幹細胞培養液は動物性や植物性のものと比べても安全性が高い。(1-3./1-4.)
・エステサロンではヒト幹細胞培養液を美容液として使用することが多い。マシンで肌に導入し、マッサージして整肌という流れが一般的。(2章/3章)
・ヒト幹細胞培養液を含有した自宅用コスメも数多く販売されている(4章)
エイジングケア効果が期待でき、安全性が高いとされるヒト幹細胞エステ。
興味を持ったらぜひ一度エステサロンで体験し、自らの肌でハリツヤ効果を実感してください。