「髪にいいと思って頭皮マッサージをしてるのに、なんだか最近頭がかゆくてフケが出る…。もしかしてやり方が間違ってて頭皮が荒れちゃってる!?」
「あれ?頭皮のマッサージをしたあとのほうがいつもより髪の毛が抜けてる…?」
そう焦っていませんか?
実はマッサージのしすぎは頭皮や毛髪に悪影響を及ぼします。
本稿では頭皮マッサージのやりすぎによるデメリットをはじめ、間違ったマッサージのやり方、正しいマッサージのやり方、正しく頭皮をマッサージしたときに期待できる効果について解説していきます。
頭皮や毛髪のことで悩んでいる方はぜひ正しいやり方を覚え、ご自宅で実践してみてくださいね。
1.頭皮マッサージをやりすぎるとどうなる?
先ほどもお伝えしたとおり、頭皮マッサージのやりすぎは頭皮や毛髪に悪影響を与えます。
本章では「やりすぎ」を、「頻度が高すぎる場合」と「力加減が強すぎる場合」に分け、それぞれどのようなデメリットがあるかご説明します。
1-1.頻度が高いとかゆみやフケ、ニオイ、抜け毛、薄毛の元に
頭皮マッサージの頻度が高すぎる場合は、かゆみやフケ、ニオイ、抜け毛、薄毛が発生、もしくは悪化する可能性があります。
頻度が高いと必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥してかゆみを感じやすくなります。その後皮膚を守るために皮脂が過剰分泌されると、皮脂が頭皮に残ってしまって古い角質と合体し、フケが出てしまいます。
そして皮脂やフケを餌にして雑菌が繁殖し、イヤなニオイが発生するケースも見られます。
また乾燥など頭皮環境の悪化が毛髪の成長を阻害し、抜け毛や薄毛につながることもあります。
1-2.力加減が強すぎると炎症やかゆみ、フケ、ニオイ、抜け毛、薄毛の原因に
力加減が強くゴシゴシ頭皮を刺激しすぎると、傷や炎症、かゆみ、フケ、ニオイのほか、抜け毛や薄毛にもつながります。
誤った力加減でマッサージすると、頭部の毛細血管が傷ついて地肌表面が炎症を起こし、乾燥によるかゆみが生じるリスクがあります。頻度が高い場合と同様、皮膚を保護しようと皮脂が多く分泌され、その結果余分な皮脂と古い角質が合わさってフケが生じ、ニオイが発生する可能性も考えられます。
加えて、無理やり頭皮を動かしたりすると、大切な髪が抜けてしまう恐れもあります。乾燥や炎症など頭皮環境の悪化によって抜け毛が増え、毛髪が育ちにくくなり細くなった結果、薄毛が加速することもあり得ます。
2.セルフでの頭皮マッサージのやり方
1章の内容を踏まえ、間違ったやり方を具体例にしてお伝えしたうえで、正しい頭皮マッサージのやり方を動画付きで解説していきます。
2-1.間違った頭皮マッサージとは
間違った頭皮マッサージの具体例を以下に挙げます。
間違った頭皮マッサージの具体例
[頻度] 1日2回以上、朝晩に分けてマッサージをしている
[力強さ] 頭皮に赤みが出るくらい指先に力を込めてゴシゴシしている
[その他] 爪を立てている
[その他] ブラシなどを用いて頭を叩くようにマッサージしている
では、上記の具体例をNGとする理由をお伝えしていきます。
頻度に関しては1日2~3回、朝晩に分けて複数回おこなっている方は要注意です。
洗髪時にマッサージする方がほとんどかと思いますが、何度も頭皮を洗浄していると必要な皮脂まで洗い流してしまいます。乾燥状態になった地肌を保護しようと皮脂が過剰に分泌され、イヤなニオイが発生する可能性があります。
また、よく見られるNG例が、毛穴に詰まった皮脂や洗髪料をキレイに除去して血行を良くしよう、強く押したほうが気持ち良いから、という理由で指先に思いっきり力を込めてマッサージするケースです。刺激によって赤みやかゆみが出たりする恐れがあるので避けましょう。
爪を立てておこなうのも、同じ理由でNGとなります。
さらに、ブラシなどのグッズを用いて頭をぽんぽん叩くようなマッサージも控えましょう。柔らかい素材ならまだしも、皮膚に当たる先端部分が木製やプラスチック製になっているブラシは固すぎて、頭皮に余計な刺激を与えてしまいます。
ダメージを受けた皮膚が炎症を受けてかぶれたりする恐れがあるので避けましょう。
2-2.正しい頭皮マッサージとは
間違ったやり方を理解したところで、覚えるべき正しい頭皮マッサージのやり方を、具体例と動画で紹介します。
正しい頭皮マッサージの具体例
[頻度] 基本的には1日1回、上限は1日2回
[力強さ] 指が頭皮に軽く触れている
[その他] 指の腹や手のひらを使う
まず頻度については基本的に1日1回、夜の入浴時に洗髪ついでにおこなうだけで構いません。
元々皮脂量が多い方は朝晩と2回に分けて洗髪しながらマッサージをしてもいいのですが、頭皮が乾燥気味だと摩擦や洗髪料によって皮膚が逆に乾燥し、頭皮トラブルにつながるおそれがあります。
また強く力を込めがちですが、力加減は指が頭皮に軽く触れている程度で十分です。強く押す必要は全くなく、皮膚表面をなでるだけでも血流は良くなります。もし強めの圧でこりをほぐしたい場合でも、あくまで心地良いと感じられる程度に留めましょう。
爪は立てず、指の腹や手のひらなど、ぷっくりとした柔らかい部位でマッサージするのも重要なポイントです。余計な刺激は避けましょう。
<POINT>
ちなみにシャンプーのついでに頭皮マッサージをするのもいいのですが、シャンプーをして軽くタオルドライした後に、薄毛・抜け毛対策なら育毛剤、ニオイ対策ならオイルを付けてマッサージするとより効果的です。
具体的なやり方は下記の動画で学べます。側頭部、頭頂部、後頭部と3つの筋肉に広く働きかけ、頭部全体の血行を促進できます。
またマッサージ方法だけでなく、動画の序盤では使用する手指の位置、エッセンスの塗布の仕方も確認でき、大変参考になります。
毎日やりたい!頭皮マッサージ 基本編【セルフマッサージで頭皮も変わる!】
0:00~ マッサージで使う手の位置
0:21~ エッセンスの塗布の仕方
0:50~ マッサージ方法
【手順】 ①側頭部~頭頂部のマッサージ 手のひらの母指球(※1ぼしきゅう)を耳の上に当て、押しまわして後ろに引き上げるように、3箇所に分けてマッサージする。1箇所目が耳の上、2箇所目がハチの上、3箇所目が頭頂部。
②頭頂部のマッサージ 手の平の母子球を百会(※2ひゃくえ)のツボに当て、グルグルと押しまわす。
③後頭部のマッサージ 親指から小指の腹を使い、襟足から頭頂部に向かって、3~4箇所に分けてゆっくりとしたリズムで地肌を押しまわしていく。
【回数】 ①~③の工程を2、3回繰り返します。
※1母子球…手のひらの親指の付け根にあるふくらんだ部分。 ※2百会…頭頂部の真ん中にあり、やや窪んでいる部分。目の中間と両耳の上端を結んだ交差点に位置する。東洋医学観点では、気の流れを整えて育毛をはじめさまざまな効果があるとされる。 |
3.頭皮マッサージがもたらす効果
正しいやり方で実践すれば、頭皮のマッサージには以下のように多くの健康・美容効果が期待できます。
①頭皮環境の改善
余分な皮脂や整髪料などの残留物が取り除かれると、当たり前ですが頭皮環境は良くなります。汚れが落ちて血行が良くなるからです。
具体的には毛穴に詰まった汚れが落ちると、油っぽいイヤなニオイが緩和されます。また毛の成長に邪魔だった汚れが除去されて血行が良くなることで、細く短い毛が育ちやすくなり毛髪のハリ・コシの改善が期待できます。
ただ、残念ながらAGA(男性型脱毛症)に関しては男性ホルモンが原因なので、頭皮マッサージで発毛させるのは難しいでしょう。頭皮のマッサージはあくまで毛髪が育ちやすい環境づくりに過ぎないと心に留めておきましょう。
髪の本数を増やすのは難しいのですが、髪にハリやコシが出てきた結果ボリュームがアップしたように見える可能性は多いにあります。
②リフトアップ効果
頭皮のマッサージにはリフトアップ効果も見込めます。頭部の筋肉が顔のたるみやむくみに影響しているからです。
特に関係しているのが、耳の上あたりに広がる側頭筋です。側頭筋のコリをほぐすと、顔の筋肉もそれに連動してうまく動かせるようになり、結果的にフェイスラインが引き上げられます。また血行やリンパの流れが良くなることで、頭から顔にかけてのむくみも緩和されます。
③癒し効果
個人差はありますが頭皮マッサージにはストレスの緩和やリラックス効果、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。手指で刺激して頭部の緊張状態を解くことで、副交感神経が優位になるからです。
実際にヘアサロンなどで施術中に眠気を感じてウトウトしたり、施術後に頭が軽くなってスッキリしたり、といった経験はありませんか?マッサージによって頭部(脳)の緊張が緩和され、副交感神経が優位になった結果、心がリラックスしてついウトウトしたり、頭がスッキリと軽くなってモヤモヤが楽になったりします。
4.まとめ
正しく実践すれば毛が育ちやすい頭皮環境が整い、さらにはリフトアップや癒し効果も得られるのが頭皮マッサージの良いところ。
ただし頻度が高すぎたり力が強すぎたり、やりすぎると頭皮や毛髪にとって逆効果になり、乾燥や皮脂過多、フケ、ニオイのほか、抜け毛や薄毛の原因にもなりますので気をつけましょう。
具体的なマッサージ方法は「正しい頭皮マッサージのやり方」を参考にしてください。
今まで間違った方法で頭皮をマッサージしていた方は、ぜひこれを機にやり方を見直してみてください。
これから少しずつ頭皮環境を健やかにしていき、毛髪のボリュームアップを叶えましょう。
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