「サウナって本当に健康や美容に効果があるのかな?」
「サウナの効果ってどんなものがあるんだろう?」
あなたは今、そう思っていませんか?「最近、忙しくて体がクタクタ、肩こりや冷えもあってつらい。でもジムに通うとよけいに疲れる……」そんなときに、サウナでスカッと爽快な汗をかいてリフレッシュして、さらに健康と美容に確かな効果があったらありがたいですよね。
そんなあなたに良いお知らせです。「サウナは健康と美容に効果があります」この記事を読めばそのことがわかり、さらにサウナの具体的な効果もよくわかるようになります。
巷では「サウナに効果はある」とか「いや、ない。むしろ健康に悪い」とか、よく論争が起こります。確かにサウナでの事故も耳にします。しかし、「サウナの正しい入り方」を理解して、サウナを安全に使えば、健康に良い効果が得られるというデータは国内外にさまざまあり、心臓疾患や高血圧の治療にサウナを役立てている医療機関も多くあります。
しかもサウナは一時の疲労回復や美容効果だけではなく、この記事で紹介するような効果的な入り方を定期的に続ければ、アレルギーや自律神経からくる症状の軽減や、体質そのものの改善も期待できるのです。
今回は、サウナに効果がある理由から、サウナの種類別の効果、効果を最大限に得るための入り方までご紹介していきます。サウナの効果は本当に幅広く、奥深いものです。サウナのことをよく理解して、ぜひ日々の健康と美容にお役立てください。
1.サウナは健康と美容に効果あり!その理由
サウナには健康と美容にさまざまな効果があります。その理由は、カンタンに一言でいうと「血流が良くなるから」です。血流が良くなれば、溜まっていた老廃物や疲労物質は排泄されます。細胞にも栄養と酸素が行き届き、傷ついた細胞は修復され、体の各機能は回復していきます。
その結果、疲労回復はもちろん、冷えや肩こり、腰痛、月経前症候群や便秘、肌荒れなど、さまざまな症状の改善に効果が期待できるのです。それではサウナに入ると具体的にどんな作用が起きて血流が良くなり、それが体にどう良い効果をもたらすのか、説明していきましょう。
サウナの基本的な入り方について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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1-1.サウナ効果の2大特徴「短時間で体温が上がる」「自律神経が整う」
サウナの効果の大きな特徴は2つあり、1つは「短時間で体温が上がること」です。サウナは低温のもので40〜60度、通常のもので70〜100度前後あり、中に入ると5〜10分で体温が1度上昇します。
体温が1度上がれば代謝が12〜13%アップ、免疫力は5倍上がると言われています。もちろん個人差はありますが体温が上がれば血流が良くなって代謝が上がり、体にいい効果があるのは明らかです。
サウナの効果の大きな特徴のもう1つは、「交感神経と副交感神経が交互に刺激されて、自律神経が整うこと」です。
サウナを2〜3回出入りするだけでも効果はありますが、水風呂に入ればさらに大きな温度差が刺激となって、自律神経がピシッと目覚めます。そして最後にゆっくり休憩をとることで、大きく揺り動かされた心身が調和され、深いリラックスが得られます。
サウナはこのように「体と体の両面に健康効果をもたらす」のが最大の魅力と言えます。それでは次にサウナに入る順番を追って、サウナ効果を説明していきましょう。
1-2.サウナに効果がある理由その1
全身の血流が良くなって代謝が上がる、発汗する
サウナ室の中で得られる主な効果は「血流が良くなること」と「発汗」です。
それにより何が起こるか見ていきましょう。
①血流増加で各機能が亢進・回復する
まず、サウナに入るとその熱の刺激で交感神経が活発になり、心拍数が上がって発汗作用が起こります。しばらくすると熱に慣れ、副交感神経の働きで血管が開いて血圧が下がってきます。血管が開くと心臓に負担をかけずに血流が良くなります。血流が良くなることで体の隅々まで栄養と酸素が運ばれて代謝が上がり、血管や内臓、脳の機能が亢進・回復していきます。
②大量の発汗で、デトックス
全身にある汗腺は約200万〜400万個あり、1回サウナでかく汗の量は300〜400mlもあります。この大量の汗と一緒に、体内に溜まった老廃物や疲労物質、重金属、シミのもとになるメラニン色素などが排泄され、体調改善のほか、女性に嬉しい肌荒れや便秘の改善効果も期待できます。
③眠っていた発汗機能が目覚める
現代人は1年中エアコンの効いた室内にいるので、温度を感知する皮膚と脳にあるセンサーが狂いがち。汗腺も休眠状態だと言われています。サウナでよく汗をかくことで、これらの発汗組織の機能回復にも役立ちます。夏バテ、熱中症、冷え対策に効果的です。
1-3.サウナに効果がある理由その2
HSP(ヒートショックプロテイン)が増加して、細胞の修復が進む
サウナの中で起きる重要なことがもうひとつあります。それはHSP(ヒートショックプロテイン)が増加することです。サウナは汗をかきはじめたら体温が38度くらいになっています。熱ストレスを受け、体温が38度以上になるとHSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質が増えます。
HSPには細胞を修復する作用、免疫増強作用、抗炎症作用などがあり、疲労回復や美容はもちろん、アレルギー改善効果も期待できると言われています。またこのHSPは、脂肪を燃やす褐色脂肪細胞を活発にするので、サウナを継続的に使うことで脂肪が燃えやすい体質になり、ダイエット効果も期待できます。
1-4.サウナに効果がある理由その3
温冷効果で自律神経が整う
サウナを出て水風呂に入ると、低温に交感神経が刺激されて血管が締まり、血圧が上がります。しかし少し経つと水に慣れて、副交感神経の働きで爽やかな気持ちよさを感じます。そして、水風呂を出て休憩をするとさらに副交感神経が優位になって、血管が緩み、血流が最大になって体がポカポカと温まります。
このように、温冷刺激を繰り返すことで交感神経と副交感神経の働きが活発になり、次第に自律神経が整ってくるのです。自律神経が整うことで、動悸、息切れ、めまいなどの症状が改善されます。
1-5.サウナに効果がある理由その4
入浴の水圧や運動の筋肉疲労がなく効果が得られる
「血流が良くなるという効果なら、お風呂や運動でも同じじゃない?」と思われるかも知れませんが、それが全然違うのです!お風呂は中に入ると水圧で血管が細くなるのに対して、サウナは水圧のストレスもなくサウナの熱で血管を広げます。血管が広がると血圧は下がり、たくさんの血流が全身をめぐるようになります。
また、運動は筋肉が緊張して乳酸が生まれ、疲労感が溜まりますが、サウナは反対に乳酸を血流で流して筋肉のコリを解消、疲労の解消が期待できます。ズバリ、サウナは入浴や運動より効率的に血流を良くしてくれるスグレモノと言えるでしょう。
1-6.サウナで期待できる7つの効果
サウナで改善が期待できる症状には、次のようなものがあります。
●1.肩こり、腰痛
肩こりや腰痛の主な原因は、冷えや疲労物質が滞ることで起こります。サウナで血行を促進することで体が深部まで温まり、疲労物質の排泄を促し、筋肉がほぐれて、症状が改善されるでしょう。
●2.肌荒れ、ニキビ、シミ
サウナで皮脂や肌の汚れ、老廃物、シミのもとになるメラニン色素の排泄が促され、美肌効果が期待できます。また新陳代謝も上がるので、肌の活性が良くなる可能性があります。水風呂も併用すれば、肌の引き締め効果も期待できるでしょう。
※ドライサウナの中は湿度が10%ほどと乾燥しているので、サウナ後にたっぷりと保湿をしてください。
●3.むくみ
サウナで汗を大量に出し、余分な水分を排泄することはむくみにも効果的です。むくみは食生活や運動不足から体の循環が悪くなり、余分な水分が細胞間やリンパに溜まることで起こります。サウナを継続することで運動と同じような効果が得られ、血行やリンパの流れの改善が期待できます。
●4.免疫力アップ
サウナに入って体温が38度以上になるとHSPという細胞を修復してくれるタンパク質が増加します。HSPが増加することで細胞の再生能力が上がり、病気の予防や回復に役立つと考えられています。
●5.冷え
サウナに入ると、隅々の毛細血管にまでよく血流がまわるようになります。継続することで冷え性の改善も期待できます。
●6.ダイエット(痩身)
代謝が上がって、運動と同じような血行促進効果や老廃物促進効果があるので、継続することで痩せやすい体質に変わることが期待できます。
※サウナは発汗することで体重が減るのではありません。水分補給は充分にしてください。
●7.低血圧
サウナと水風呂を繰り返すことで、心臓や血管のポンプ機能、自律神経が鍛えられ、低血圧の改善に役立つと考えられています。
このようにサウナには、自分の本来の機能を高めたり、回復させたりする効果がさまざまあります。継続的に使うことで、アレルギーの軽減やダイエットなど、体質改善にも効果があることが報告されています。
サウナの本場のスウェーデンでは、20年以上に渡ってサウナ愛好家を追跡調査したデータもあり、「週1回サウナに行く人と比較して、週4〜7回行く人は認知症の発生リスクが66%低くなる」「サウナに週4以上行く人の方が、心臓病リスクや死亡率が低い、長寿である」などの結果も出ています。
2.サウナの種類別の効果
サウナにもいろいろな種類があって、得られる効果にも違いがあります。それぞれの特徴を知って、自分の症状に合うサウナを選びましょう。
2-1.ドライサウナ
水風呂と併用することで機能亢進力や回復力が高まり、全般的な不調に効く一番オススメのサウナです。日本でサウナと言えば、このドライサウナが主流です。高温サウナとも呼ばれ、室温はだいたい80〜100度前後に設定されています。
湿度が10%と低いので、爽快に汗がかけると男性に人気です。短時間で高い血行促進効果があり、疲労回復、肩こり、腰痛、痩身、リフレッシュにオススメです。
2-2.ロウリュー
髪や肌を乾燥で痛めないので、女性に人気があるサウナです。フィンランド式サウナとも呼ばれ、サウナストーンに水をかけて、その熱い水蒸気を浴びるサウナです。
温度は80度以下とドライサウナより低いところが多いのですが、湿度が高いので、体感温度は上がります。(湿度が高い方が空気中に水を多く含むので、熱の伝導率が上がるため)しっかり体の芯まで温まり、肌や髪も潤います。
サウナストーンに掛けるのがアロマ水の場合は、アロマ効果も体に染み込むので、さらにリラックス効果や機能亢進効果が得られます。
2-3.低温サウナ
温度が40〜60度くらいの遠赤外線サウナで、体に負担がかからず、心臓や高血圧の改善に病院の治療の一貫として使われることもあります。
低温サウナでも10分以上で体温が上がり、血行促進、機能亢進・回復効果があります。15分程度で出れば、交感神経を激しく刺激することもなく、リラックス効果が高くなります。
2-4.ミストサウナ
美容と心の鎮静にオススメのサウナです。温度は40度前後と低く、湿度は100%にもなります。たっぷり潤いたい女性に大人気のサウナです。
実は温度が高いサウナより、低温サウナやミストサウナはストレス発散にもオススメです。それは、温度が42度以下だと副交感神経が優位になるからです。
戦闘モードの交感神経はお休みし、気持ちが開放され、血管は緩んで循環が良くなります。日頃、緊張を強いられる環境の人、心配事が多い人にオススメです。安眠効果を高めたいときは、からだが冷めきらないうちに布団に入ってください。
3.効果を得られる1番良い入り方
「とりあえず全般的に健康と美容に効果がある入り方が知りたい!」という方にオススメなのが「ドライサウナに温冷交代浴で入る」方法です。日本のサウナ愛好家たちが、ハマっている王道のサウナの入り方です。
3-1.新陳代謝を高める万能の入り方【温冷交代浴】
「温冷交代浴」は「温める」→「冷やす」→「温める」を繰り返す方法で、温冷の刺激によって血行が促進され、各身体機能が活性化し、自律神経も整っていきます。それでは入り方の順を見てみましょう。
①水分をとる
サウナでは多いときは1ℓの汗をかきます。サウナに入る前にコップ1〜2杯の水かスポーツドリンクを飲んでおきましょう。
また空腹で入るのは低血糖になるので危険です。満腹も消化に悪いので、1〜2時間前に食事は済ませておいてください。
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②体と髪を洗う
サウナに入る前に、体と髪は洗っておくのがマナーです。
体も少し温まって汗をかきやすくなって一石二鳥です。
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③体をよく拭いて、サウナに入る
よく汗をかくために水滴はよく拭いて入ってください。サウナの中は上段が温度高め、下段が低めになっています。好きな場所にタオルかマットを敷いて座ってください。
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④サウナの中は5〜12分。長くても15分で出る
室温にもよりますが、5〜12分、長くても15分くらいで出ましょう。体が温まって、気持ちよく汗をかいたらOKです。熱いのをがまんしたり、やたらたくさん汗をかいたりする必要はありません。むしろ交感神経が興奮して疲労が溜まり、逆効果になります。
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⑤シャワーで汗を流す
サウナの汗をぬるめのシャワーで流しましょう。
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⑥水風呂に30秒〜1分入る
水を手足から徐々にかけて慣らしてから、水風呂に入りましょう。中ではジッとするのがコツ。ほどなく体のまわりに膜ができて冷たさがやわらいできます。(この膜を「羽衣」と言います。)水風呂が苦手な人は足先を冷やすだけでもいいし、30度くらいのぬるい湯船かシャワーを使ってもいいです。
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⑦5〜10分くらい休憩する
水風呂から出たら体を拭いて、外気にあたりながらゆっくり休憩してください。外が寒い場合は、中で休んでもいいです。ここで休憩することで、温冷の刺激から開放された体がホッと息をついて、元気に甦ってきます。必ず休憩を入れてください。
ここまでが1セットとなります。
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⑧またサウナに入る
体が冷えきらないうちにまたサウナに入りましょう。休憩中に汗が出た場合はシャワーをしてからサウナに入ってください。このサイクルを2〜3回繰り返し、最後にゆっくり長く休んで終了です。
「温冷交代浴」には平常時の2倍の血行促進力があります。この基本の入り方をするだけでも、充分な健康増進効果が期待できます。「今の症状にどの入り方をしたらいいか?」と迷ったら、とりあえずこの「温冷交代浴」で大丈夫です。
3-2.効果を高める入り方の4つのコツ
さらにより良い効果を得るためのポイントをお伝えします。これがわかると自己流のアレンジもできるようになります。
①休憩をおろそかにしない
サウナと水風呂の後の休憩こそが「サウナの効果」を得られる最大のポイントです。サウナで温められて開いた血管が、水風呂でキュッ!と引き締められ、その後ゆっくり休憩することでじんわりと緩んで開放されていき、血流が一気に勢い良く全身を巡り始めるからです。休憩こそが、血流が栄養や酸素を細胞に運び、体に元気を、脳に目覚めを、心に癒しを与えてくれる時間なのです。
②気持ちいいところで止める
サウナでガマンは禁物です。血行を良くするのがポイントなので、ガマンをすると交感神経が緊張してしまい血管が締まったり、ストレスが溜まるので逆効果です。サウナの熱や水風呂は「気持ちいい範囲」で止めてください。たくさん汗をかくこと=効果が高いわけではありあません。温冷の繰り返しも、やりすぎると効果がダウンするデータがあります。3回で止めておきましょう。
③サウナの温度を使い分ける
サウナの温度で効果が違います。サウナの温度が高いと体の機能亢進が高まり、肉体的な疲労に効果があります。サウナの温度が低いと副交感神経優位の働きで心の鎮静効果が高まります。また、サウナの室内は階段の上の方が温度は高く、下の方が温度は低くなります。一段違うごとに10度くらい変わります。よく温まりたいときはサウナの上段に、足先も上に上げる体育座りやあぐらで座ってください。熱いのが苦手な人はサウナの下段に座って調整してみてください。
④入浴をプラスしたり、水風呂を省いたりしてみる
冷え性や皮下脂肪が厚めで温まりにくいという人は、サウナの前に入浴して温まっておくのがオススメです。サウナで汗がかきやすくなります。またサウナ初心者や水風呂が苦手な人は、水風呂を省いて大丈夫です。要は、サウナの熱が冷めればいいので、30度くらいのぬるい風呂に入るか、休憩をとればOKです。足先だけでも水をかければ、皮膚がキュッと引き締まって熱を逃がさず、保温効果が高まります。
サウナの効果的な入り方について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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4.サウナの注意事項
サウナは入り方を間違うと健康に悪影響も出ます。また狭い部屋に大勢の人が入ります。マナーを守って気持ちよく使いましょう。以下の注意をよく守って安全に使ってください。
5.まとめ
サウナの効果はよくおかわりいただけたでしょうか?ポイントをまとめますと……。
- サウナは短時間で運動と同じような「高い血行促進力と発汗作用」が得られる!
→機能亢進・回復、免疫向上、疲労回復、リフレッシュできる - 水風呂と併用したり、休憩を入れることで自律神経が整う!
→自律神経失調症への効果があるとされる - サウナを継続使用すれば、体質改善にも効果が期待できる!
……でした。サウナは正しく使えば、安全で爽快なレジャー施設です。もしお近くにサウナがあるなら、ぜひ有効に使って、健康と美容の維持にお役立てください。
サウナの温度について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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