「飲んだ後にちょっとマッサージに寄りたいけれど、それって大丈夫なのか分からない……」
「マッサージの後なら、飲みに行っても大丈夫かな? 」
今まさにそう思っているあなたへ、必見の記事がこちらです。もし、マッサージの前後にお酒を飲んでもよいかが今すぐわかって、大丈夫なタイミングでマッサージができたら理想的ですよね。
しかし、実はマッサージ前後のアルコール摂取は、体にはとても危険なコトなのです。理由は、マッサージとアルコールのそれぞれの効果が組み合わさると、体に酔いがまわりやすく、悪酔いした時のような症状を引き起こしやすくなるからです。
今回の記事では、マッサージ前後の飲酒の危険性についてと、もし飲んだ場合はマッサージまで何時間あけるべきか?について、詳しく解説していきます。また、マッサージの前後に時間をあけずに飲酒してしまった場合、起きやすい症状と対処法についても説明していきます。
今回の記事を参考にしていただくことで、マッサージ前後のアルコール摂取についての注意点や、飲酒後いつからならマッサージが行えるかが、すぐにわかるかと思います。
アルコールとマッサージの関係について正しく理解して、体に負担をかけずにマッサージを行っていただくために、この記事がお役に立てれば幸いです。
1. 実は危険!マッサージ前後のお酒
マッサージの前後にお酒を飲むのは、実はとても危険な行為です。なぜなら、お酒を飲むと「アセトアルデヒド」というアルコールから分解されて生じる〝有害物質〟が体内に発生し、血中で増加して血管を拡張させるのですが(このため顔が赤くなります)、マッサージをすると血行がとてもよい状態となるため、この有害物質が急速に全身をめぐることになるからです(下図参照)。
アセトアルデヒドは心臓や消化器官などの「交感神経」を強く刺激するため、脈拍数の上昇を招いたり、動悸、筋肉の緊張、さらには頭痛や吐き気などの症状を引き起こしやすく、悪酔いした時のような症状が出やすくなるのです。
アルコールが完全に分解されるにはある程度の時間がかかるので、分解されていない間は、アルコールやアセトアルデヒドが肝臓や心臓を経由して体内を何度もグルグルとめぐる状態となります。つまり、この「体内にアルコール分がめぐる状態」と「マッサージで血行が良くなる状態」が合わさると、通常の飲酒時よりも酔いが早くまわり、悪酔いしやすい状態になるということ。このため、マッサージの前後にはお酒を飲まないほうがよいと言えます。
特に、お酒を飲んだ後のマッサージは、アルコールによって血管が拡がって血流が盛んな時に皮膚上から圧をかけることになるので、血管に負荷がかかります。
高血圧気味の方は、絶対に避けたほうがよいと言えるでしょう。
【飲んだお酒は体の中でどうなるのか】
出典:公益社団法人アルコール健康医学協会(飲酒の基礎知識)
http://www.arukenkyo.or.jp/health/base/index.html
飲んだお酒は、まず初めに胃で20%、小腸で80%吸収され、そこから血液中に入ってゆきます。体内で肝臓にたどりついたアルコールは、その大部分が「アセトアルデヒド」へと分解された後、さらに「アセテート(酢酸)」へと分解されます。アセテートは無害の物質で、その後全身をめぐる間に水と炭酸ガス(CO2)に分解されてゆき、最後は尿や汗、呼気となって体の外へ排出されます。
しかし、このアルコールからアセテートへ分解されるプロセスは、一度で完了するわけではなく、分解しきれなかったアルコールやアセトアルデヒドは体内をめぐって再び肝臓へ戻ってくるのです。この工程が何度も体内で繰り返され、「酔い」の症状が発生します。酔いの深さや、アルコールの分解にかかる時間は、体質や体重、その日の体調などによって変わると言われています。
2. 一杯飲んだらマッサージまで最低4時間あける(※)
マッサージをする前にビールやチューハイなどのお酒を一杯でも飲んでいたとしたら、マッサージの施術まで最低でも約4時間(※)はあけたほうがよいです。 (※飲酒量により異なります)
理由は、一杯のお酒のアルコール分解にそれだけの時間を要するからです。下記は日本政府が発表している、アルコール別の体内分解時間(体重60kgの場合)になりますが、アルコール度数7%の缶チューハイをたった1本分飲んだだけで、分解に4時間もかかることがわかります。
出典:政府広報オンライン(アルコールの量と分解時間)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201312/1.html
「純アルコール20g」とは、各酒類の純アルコール量を度数や量から算出したもので、日本では日本酒1合を基準に「1単位」と定め、他の酒量が算出されています(世界各国により基準が異なる)。
たとえば瓶ビールの中瓶(=缶ビール500ml)を1本まず飲み、その後焼酎を2杯飲んだとすれば、アルコールが完全に分解されるのは、なんと約12時間後。飲酒後、当日にマッサージを行うのは危険だと言えるでしょう。
また、「仮眠をすれば大丈夫」と思う方も多いと思いますが、実際は仮眠をとると眠らなかった場合よりも、アルコール分解速度が約2倍かかるというデータが発表されています。
データ出典:政府インターネットテレビ(動画)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5746.html?nt=1
さらに、体重が軽くなるほど血液量も少なくなるためにアルコール分解速度が遅くなります。このため体重が軽い人ほどマッサージ前の飲酒には注意する必要があると言えるでしょう。
今飲んだお酒の処理時間を確認したい方は、下記の「KIRINの自動計算表サイト」でチェックしてみましょう。飲んだお酒の量を入力すると一般的なアルコール処理時間が自動で算出されます。アルコールの分解能力には個人差がありますが、今すぐ知りたい方は目安としてチェックしてみてください。
出典:KIRIN(適正飲酒のすすめ「飲酒習慣診断」)
https://www.kirin.co.jp/csv/arp/proper/check_list.html
3.飲酒前後のマッサージで起きやすい症状と対処法
もしマッサージの前後にお酒を飲んだとしたら、体に不調が現れる可能性があります。
どちらかというと「マッサージの前」に多量飲酒した場合に現れやすいと言えますが、アルコール分解能力にはあくまでも個人差があるので、「少量だから大丈夫」などと過信しないほうがよいでしょう。ここでは、アルコールの摂取によって起きやすい症状と、その対応策を説明していきます。
【アルコール摂取×マッサージ】で起きやすい症状 |
・顔面や全身の紅潮・発汗 ・動悸、呼吸困難、胸痛、低血圧 ・体温の低下 ・頭痛、めまい ・嘔吐や口の渇き |
↓↓↓↓↓
【アルコール摂取×マッサージ】の症状への対応策 |
・ミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲んで血中アルコール濃度を下げる ・タンパク質やビタミンE含む食品を摂取し、アルコール分解を促進する ・ベルトやネクタイなどを緩め、体を締めつけないようにする ・体温を下げないように保温し、安静にする |
上記のような不調が現れるタイミングには個人差があり、症状もさまざまです。万一マッサージの前後に飲酒をしてしまった場合には、水分補給をしてできるだけ安静にするよう心がけてください。
また、アルコールの分解を促進する栄養素が含まれた食品(肉や魚、豆類などのタンパク質・ナッツ類などのビタミンE)を摂取して、アセトアルデヒドの分解を早めるようにしましょう。
4.まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、下記についてご紹介しました。
「マッサージ前後の飲酒の危険性」
「マッサージ前に飲酒した場合にあけるべき時間」
「マッサージ前後の飲酒で起きやすい症状と対処法」
マッサージ前後の飲酒は、一見どちらもリラックス効果がありそうなので良さそうに感じますが、実は体に負担がかかることになるので、できれば避けたほうが賢明です。
健康のために行うマッサージでかえって不健康な状態になることのないよう、飲酒のタイミングに気をつけて、リラックスしたマッサージタイムを楽しんでください。
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