30代になって、身体が全体的にぽてっとしてきたと感じませんか?
20代の女性のメリハリあるボディラインを見ると「あのシャープなシルエットを取り戻したい!」と思ったり…。
でも、ストイックなダイエットには、なかなか踏み出せないもの。
そんなとき、「寝ているだけでボディラインが引き締まる施術がある」と言われたら、ちょっと興味がわきますよね。
実は、その魅力的な施術こそ、エステの定番メニューEMSです。
この記事では、EMSに本当に効果があるのか、どのような施術なのかを解説。料金の目安や施術を受ける頻度といった具体的な情報も交えて紹介します。
ぜひ最後までお付き合いください。
1.ボディラインを整えるEMSの3つの効果
「寝ているだけで引き締め効果あり」と言われても、なかなか信じられないのは無理もありません。
でもEMSは本当に寝ているだけでボディラインを引き締める効果があります。
EMSは、簡単に言うと、外部からの電気刺激によって筋肉を鍛える一種の“筋トレ”です。
自ら動く必要がないので、施術を受けている間は寝ていることも可能です。
それでいて、筋肉はしっかり鍛えられます。
つまりEMSは、きついトレーニングなどをせずに、エステでボディラインを整えたい方にぴったりの施術なのです。
具体的には、引き締め効果をはじめとする次の3つの効果が得られます。
①引き締め効果
筋肉は鍛えると引き締まるので、EMSで気になる部分の筋肉を引き締め、たるんだボディラインを改善できます。
②代謝アップ効果
筋肉を鍛えると、基礎代謝量(生命を維持するための活動に必要なカロリーの量)が上がります。
つまり、何もしなくても多くのカロリーを消費する身体になるので、運動や食事制限といったダイエットを助ける効果があります。
③血流促進効果
筋肉を動かすと血流が促進されます。血流が良くなると、むくみの原因である老廃物の排出が進むので、ボディラインがすっきりします。
なお、EMSは筋肉にアプローチする施術なので、直接脂肪を減らす効果はありません。
「筋肉が引き締まり、むくみもとれるので、見た目が細くなる」というのが、EMSの効果です。
2.EMSのメカニズムと特性
EMSがどのような仕組みで筋肉にアプローチするのか、解説します。
また、電気刺激の周波数による効果の違いなど、EMSの特性も併せて紹介します。
2-1.人工的な電気刺激で筋肉を動かす
EMSは、電気の刺激によって筋肉を収縮させ、鍛える施術です。
通常、私たちの筋肉は、電気信号として伝わる脳からの指令によって動いています。
EMSでは、筋肉を動かすため、そうした脳の指令の代わりに人工的な電気刺激を使うのです。
なお、EMSを痩身のための筋トレとして考えた場合、通常の筋トレに比べて次のようなメリットがあります。
本人は頑張らなくてもよい
適切な位置に電極パッドを取り付けたら、施術中は動く必要がない“楽にできる筋トレ”です。だからこそ、運動が苦手な人でも抵抗なく施術を受けられます。
ターゲットの筋肉をピンポイントで鍛えられる
EMSではターゲットの筋肉をピンポイントで鍛えることができるので、「太ももだけ引き締めたい」といった場合に効果的です。
一方、通常の筋トレでは、身体を動かすときに複数の筋肉が連動するので、特定の部位の筋肉だけを鍛えるのは困難です。
逆に、EMSには通常の筋トレにはないデメリットもあります。それは、施術に際してピリピリという痛みを感じること。
電気刺激の周波数や個人の感じ方により、ほとんど気にならない場合もありますが、電気を使うがゆえの難点です。
2-2.電気刺激の周波数により効果が異なる
EMSによる電気刺激は、その周波数によって低周波・中周波・高周波に分けられ、それぞれ特性が異なります。
ちなみに、エステが導入している業務用のマシンの多くは、低周波から高周波まで使用可能です。
一方、家庭用マシンの多くは低周波のみを使用します。
各波の特性と主な作用は、下の表のとおりです。
最近は、このような周波数による特性の違いをうまく利用して、身体の奥まで届き、なおかつ筋肉への作用も強い「効率のよい電気刺激」をつくり出せるマシンも普及しています。
気になる方は、施術を受ける前に、どのような電気刺激を使用するのか聞いてみてもよいでしょう。
3.エステのEMS 特徴・料金・頻度・注意点
EMSの施術は、適切な部位にジェルを塗り、その上に電極パッドを固定して電気刺激を送るという単純なものです。
そしてエステでは、EMSが単独で提供されることはほとんどありません。
実際にどのようなかたちでEMSの施術がおこなわれるのか、料金の目安や施術を受ける際の注意点などと併せて紹介します。
3-1.脂肪にアプローチする施術とセットで効果アップ
EMSは、脂肪にアプローチする施術と組み合わせることで、ボディラインを整える効果がアップします。
たとえば、超音波で脂肪を溶かすキャビテーションのあとにEMSをおこなうと、血流促進効果により溶けた脂肪がしっかり排出されます。
溶けた脂肪は、排出されないと再び脂肪細胞に取り込まれてしまうので、EMSによる効果は重要です。
もちろん、EMSによる引き締め効果もあるので、「キャビテーション+EMS」では、脂肪を減らして筋肉を引き締めた、より美しいボディラインが目指せるのです。
多くのエステでは、こうした相乗効果を活かすため、ほかの施術と組み合わせた「痩身コース」の一部としてEMSを提供しています。
なお、キャビテーションのほかにEMSとセットになることが多いのは、高周波を使って脂肪を燃焼させるハイパーナイフ、固まった脂肪を柔らかくして燃焼しやすくする揉みほぐしといった施術です。
3-2.自宅でするEMSとの違い
現在、家庭用のEMSマシンも数多く販売されています。
そうした機器を使って自宅でEMSをするのと、エステでEMSの施術を受けるのには、2つの大きな違いがあります。
ひとつは、エステならではのサービスの有無です。
まず、上述したような「ほかの施術とセットにした相乗効果」は、自宅では得られません。
またエステでは、しっかり効果が出るよう、施術者がパッドをつける位置や電気刺激の周波数などを調整しています。
そのような知識と技術の恩恵も、自宅では受けられません。
もうひとつは、マシンの特性の違いです。
業務用マシンと家庭用マシンの主な特性は、次のとおりです。
業務用のEMSマシン
- 「キャビテーションもできる」「干渉波が使える」「フェイシャルも兼用」など多機能。
多くは、低周波から高周波まで1台で調整可能。
家庭用のEMSマシン
- 「腹筋用」「フェイシャル用」など使用部位が限定されているものが多い。
- 業務用のマシンに近い効果を望める製品もあるが、比較的高価格(最高で150,000円程度)。
- 多くは低周波のみを使用(中周波が使えるものもある)。
現在は家庭用マシンも多様化しており、価格を気にしなければある程度本格的なEMSを体験できます。
しかし、一般的に業務用マシンのほうが高性能で、施術効果も高いと言えるでしょう。
なお、自宅でEMSをする際のコストを考えるとき、マシン本体の価格に、パッド部分など消耗品の費用も上乗せする必要があるのでご注意を。
3-3.料金の目安は5,000円~15,000円
すでに述べたように、EMSはほかの施術とセットになった「痩身コース」の一部として提供されることが多く、その料金は、初回割引やクーポン利用などを考慮すると5,000円~15,000円ほどになります。
また、EMSをオプションとして追加する場合や、EMSが単独で提供される場合の料金の目安は、3,000円~5,000円ほどです。
3-4.頻度は多くても週1、2回に
EMSの施術を受けるのは、多くても週1、2回にとどめてください。
なぜなら、EMSによる筋肉の疲労の回復に、2日から3日ほどかかるからです。
また、EMSは一種の筋トレなので、何回で終了という目安はありません。
「太りにくくなった」とか「ボディラインが変わった」など、自分が納得できたタイミングで終えるとよいでしょう。
3-5.妊娠中はNGなど、注意すべきこと
EMSは電気刺激を用いる施術ということもあり、使用に注意が必要なケースが少なくありません。
以下に該当する方は、施術を受けないでください。
心臓に障害がある
心臓は電気の刺激にとても敏感なので、心臓に障害がある方はEMSを使用できません。
また、健常者でも心臓付近に電極パッドをつけるのは避けましょう。
ペースメーカーや人工心肺など医療用電子機器を使用している
電気刺激により、医療用電子機器に不具合が起こる可能性があります。
妊娠中である
電気刺激が子宮の筋肉に届いて収縮させてしまうと、流産・早産を引き起こす可能性があります。
生理中である(腹部のみ)
電気刺激で子宮の筋肉を収縮させると、生理痛が悪化する可能性があります。
なお、二の腕など腹部から遠い部位への施術は可能です。
ほか、何らかの疾患やケガ、健康上の不安などがある方は、施術を受ける前に必ず施術者に相談してください。
4.エステ以外でEMS 整骨院・ジム・自宅
自宅でEMSを体験できることにはすでに触れましたが、ほかにも整骨院(接骨院)やスポーツジムでEMSを受けることができます。
エステで受けるEMSのように、ほかの痩身メニューとの相乗効果は望めませんが、それぞれメリットもあるので紹介します。
4-1.整骨院ではシンプルな施術を低価格で提供
近年、EMSの施術を提供している整骨院(接骨院)が増えています。
提供されるのは、電極パッドをつけて数十分間寝ているだけのシンプルな施術がほとんどで、ボディラインへの効果はエステより劣ります。
メリットは低価格であること。1回1,000円~3,000円ほどが目安です。
4-2.ジムのEMS筋トレはハードでも短時間で効果
EMSを取り入れた筋肉トレーニングができるスポーツジムも増えています。
お腹、太もも、二の腕などの位置にEMS機器が仕込まれたボディスーツを着てトレーニングをおこなうと、通常のトレーニングに比べ6倍ほどの運動効果があるとも言われます。
メリットは、ボディラインの改善を図れるハードなトレーニングを、1回20分程度でおこなえること。
「ハードでも短時間なら…」と興味を持った方はお試しを。
なお、多くのジムで、初回は体験コースとして3,000円~5,000円ほどでEMSトレーニングを受けられますが、正式にジムの会員になる場合は、別料金が必要です。
4-3.自宅で手軽にEMS!マシン選びは慎重に
市販されているマシンを使って自宅でEMSをすることのメリットは、なんといっても手軽さ。身体につけたまま活動できるコンパクトなマシンを使うなら、家事などをしながらEMSができます。
コンパクトなマシンは比較的低価格で、多くの場合、「腹部用」など用途が限定されます。
一方、高価格のマシンは、業務用と同様、効かせたい部位に電極パッドをつけて使用するタイプが多く、電気刺激の送り方を工夫するなどして施術効果を高めています。
自宅でEMSをする場合、自分の目的、想定している使い方、かけられる費用を考慮したうえで、使用するマシンを選ぶことが大事です。
なお、家庭用マシンの価格は2,000円~150,000円ほどと幅広く、とくに価格が低い製品のなかには、性能や耐久性などの面で評判が悪いものもあります。
通販サイトのユーザー評価や、商品比較サイトの口コミ情報などを参考に、よく検討してから購入することをおすすめします。
5.まとめ
エステの定番痩身メニューEMSには、ボディラインを整える「引き締め」「代謝アップ」「血流促進」の効果があることをお伝えしました。
また、EMSが脳からの指令に模した電気刺激によって筋肉を動かしていることや、脂肪にアプローチする痩身メニューとの相乗効果も紹介しました。
・ボディラインを整えるEMSの3つの効果
・EMSのメカニズムと特性
・エステのEMS 特徴・料金・頻度・注意点
・エステ以外でEMS 整骨院・ジム・自宅
記事のなかでも述べたように、EMSは寝ているだけでよい気楽に受けられる施術です。
ボディラインが気になっている方は、ぜひ一度お試しください。