全身が布団にくるまっているのに、足の指先が冷たすぎて眠れない…
そう悩んでいませんか?
女性やデスクワーカーに多いとされる冷え性は、肌荒れや腰痛、頭痛のみならず、悪化するとこわばりやしびれを発症するケースもあります。
そうなる前に、早くから冷えを対策していきませんか?
本稿では特に足の冷えに焦点を当て、足の指先までポカポカにするためのマッサージ方法や、マッサージ前にオススメのウォーミングアップを紹介します。
また寝つきを良くする方法や、4つの冷えタイプの特徴と原因、冷えやすい体質を根本から改善する方法もお伝えします。
毎日布団に入った瞬間寝落ちしてしまうような、幸福を感じるほどの快眠ライフを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.寝る前に足先をポカポカ温めよう!足の冷えに効くマッサージ
寝る前に足の血行を良くして冷えを取り除きたいなら、まずふくらはぎを、次に足指や足裏をマッサージしましょう。
足先の冷えが気になる方はふくらはぎも冷えているケースが多く、足指や足裏だけマッサージしても血流が良くならない可能性があるからです。
では順番にふくらはぎのマッサージ、足指と足裏のマッサージのやり方を説明していきます。
1-1.ポンプ機能を復活させよう!ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎのマッサージは足首から膝に向かって、下から上に血流を促すよう揉みほぐすのがポイント。
具体的なやり方は以下を参考にしてください。
【手順】 ①ヒラメ筋のマッサージ 親指を下(ヒラメ筋側)、親指以外の4本指を上(骨側)にして、両手で包み込むようにふくらはぎを掴む。 足首から膝に向かって、親指でヒラメ筋をグッグッとプッシュして刺激していく。 これを3回繰り返す。
②すねの内側のマッサージ 内くるぶしから膝に向かって、両手の親指を使って骨と筋肉のキワに当て、グッグッとプッシュして刺激していく。 これを3回繰り返す。
③すねの外側のマッサージ 外くるぶしから膝に向かって、両手の親指を使って骨と筋肉のキワに当て、グッグッとプッシュして刺激していく。 これを3回繰り返す。 ④仕上げ ふくらはぎの両側に手のひらをそっと当て、足首から膝に向かって、肌表面をさするようにやさしく流す。 これを3回繰り返す。 【ポイント】 ・力加減は痛気持ち良い程度が目安。 ・指だと力が入らない場合は、体重をかけるようにして押すのがコツ。 ・上半身に向かって血液循環を促すため、下から上に向かって流していく。 |
ちなみに、どのくらいふくらはぎが重要かを詳しく説明すると、本来ふくらはぎの筋肉は心臓から送られてきた血液を体の末端から心臓に向かって送り返す、ポンプのような役割を果たしています。
ところが、ふくらはぎの筋肉が冷えて硬くなったままだと血管が圧迫されているため、足指や足裏だけマッサージしてもふくらはぎから上に血液をうまく送れません。
つまり足先だけマッサージしても血液循環が良くならず、冷えが解消されない可能性があるわけです。
冷えた足を温めたいなら最初にふくらはぎの筋肉をほぐし、血流をスムーズにしてから足指と足裏のマッサージをおこなうのが重要です。
1-2.末端まで血行促進!足指と足裏のマッサージ
ふくらはぎが終わったら、次は足指と足裏のマッサージです。
以下に目安の時間や回数を記載していますが、特に冷えが気になる箇所のマッサージは、さらに時間を延ばして構いません。
【手順】 ①足指の準備運動 足の裏側から、すべての足指の間に手指を差し込む。足指が適度に開いた状態にしてグルグルと円を描くようにまわす。 これを10秒おこなう。 ②足指の体操 足の裏側から、すべての足指の間に手指を差し込む。足指と手指で握手を交わすように、ギュッギュッとお互いに力を込める。 これを10回繰り返す。
③爪周辺のもみほぐし 足の爪の先から根元に向かって、親指から小指を1本ずつグリグリともみほぐす。 ④足裏ほぐし 最後に両手の親指の腹を重ねて、足裏全体をグリグリとまんべんなくもみほぐす。 【ポイント】 ・1回5分程度でOK。 ・③④のマッサージは「痛気持ち良い」と感じる程度の力加減でおこなう。 |
2.さらに足を温めよう!マッサージ前にオススメのウォーミングアップ
マッサージ前にオススメのウォーミングアップを、箇条書きでいくつか紹介します。筋肉を動かしてからマッサージすることで、さらなる血行促進効果が見込めます。
今日は全然体を動かしてないな、というときや、1章のマッサージを試しても改善が見られなかったときは、マッサージ前にウォーミングアップを付け足してみてください。
ふくらはぎ、足指の順にウォーミングアップを紹介しますので、できれば1つずつ選んで実践してください。
A)ふくらはぎのウォーミングアップ
<爪先立ち>
床に立ち、爪先に体重を乗せてかかとを上げ下げします(10回×2回)。
<アキレス腱伸ばし>
片足を前に出し、もう片方の足を後ろに下げて腰を落とし、アキレス腱を伸ばします(片足10秒)。
<足首伸ばし>
両足を前に伸ばして床に座り、足首を手前に曲げたり奥に伸ばしたりを交互に繰り返します(往復10回)。
B)足指のウォーミングアップ
<グーパー運動>
足指に力を入れてギュッと握り、力を抜いて外側に開くのを交互に繰り返します(10回)。
ゆっくりとしたスピードでおこないましょう。
3.すぐに入眠したい方必見!夜寝る前のOK・NG行動
「いつも足が寒くてなかなか寝付けないけど、今日こそはベッドに入ったらすぐ眠りにつきたい…」
そんなときは足のマッサージに加えて、以下のような、入眠を促す工夫を取り入れてみましょう。
反対に睡眠の妨げとなる行動もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
3-1.スヤスヤ快眠したいなら!夜寝る前にやるべきOK行動
ベッドや布団に入って速効で寝たいと思っているなら、就寝前にやるべき行動は3つです。
A)就寝1~2時間前に入浴
就寝時刻の1~2時間前に入浴すると就寝時間が近づくにつれて体の深部体温が少しずつ下がり、ベッドに入ったときにちょうど「深い眠りにつける体温」になります。
B)睡眠のための環境づくり
日中に使われる白い蛍光灯でなく、就寝前は常夜灯と呼ばれるやさしいオレンジ色の灯りに変えて照明を落としましょう。
ほかに、アロマキャンドルを焚いたりルームミストで部屋を好きな香りで満たしたり、水の流れる音や木々の揺れる音など自然界のヒーリングミュージックを流すのもオススメです。
室温は季節に応じて快適な温度に調整しましょう。
就寝直前の工夫ではないですが、環境づくりの点では自分の体型に合った寝具を使うのも、もちろん大切です。
C)呼吸を整える
寝床についたら、呼吸を深くしましょう。
仰向けになって腕や足、肩など全身の力を抜いたら、3秒かけて息を吸い、倍の6秒かけて息を吐きます。
深呼吸に慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしてさらに呼吸を深くしましょう。すると心拍数が落ち、体が自動的におやすみモードに入ります。
3-2.余計に眠れなくなる!夜寝る前のNG行動
一刻も早く寝たいなら、就寝前に次の5つの行動を避けるだけで眠りやすくなります。
A)就寝3時間以内の食事
寝る前3時間以内の食事は避けましょう。
胃腸が活発に動いていると体が休めず、眠りも浅くなってしまいます。
B)カフェインやアルコール、ニコチンの摂取
個人差はありますが、カフェインの作用で睡眠が阻害されるケースもあります。アルコールについては入眠サポートになることもありますが、量を飲みすぎると睡眠の質が落ちたり夜中に目が覚めやすくなったりするので要注意です。
煙草に含まれるニコチンも体の覚醒作用があるため、就寝前は避けましょう。
C)スマホやPCの操作
寝る直前までスマートフォンやパソコンを操作するのはNGです。LEDブルーライトは脳を刺激して交感神経を活発にしてしまいます。
夜更かしせず、ゲームや映画、仕事のメールチェックは明日に持ち越しましょう。
D)激しい運動
軽い運動ならまだしも、激しい運動は体を覚醒状態にして眠りから遠ざけてしまうため、寝る直前に息が上がるような運動をするのは避けましょう。
E)あれこれと考えすぎる
スムーズに眠りにつきたいなら、仕事でのミスや人間関係の悩み、将来の不安について、ベッドに入ってからあれこれと考えるのはやめましょう。ストレスや不安、緊張などの精神的ストレスもおおいに入眠を妨げます。
夜寝る前に不安な気持ちになってあれこれと考えてしまうときは、呼吸を深くすることに集中しましょう。
4.冷え性を4つに分類!自分のタイプと原因を知ろう
実は冷え性は4つのタイプに分かれ、それぞれ体が冷える原因も異なります。
まずは本章で自分がどのタイプなのか、何が冷えの原因なのかを確認しましょう。その後次章で適切なケアを知り、冷え対策に役立ててください。
<冷え性の4タイプ>
※横スクロールで確認できます。
| なりやすい人 | 特徴・症状 | 原因 |
下半身型 | ・30代以降の男女 ・デスクワークなどで長時間座ったままの姿勢を取りがち ・運動不足 | ・腰から下が冷える ・手は暖かいのに足は冷たい ・上半身に汗をかく ・足指やふくらはぎの冷えが特に気になる | ・お尻から腰、ふくらはぎにかけて下半身の筋肉が凝って血行不良が起きる ・加齢や運動不足による下半身の筋肉の衰え |
四肢末端型 | ・10~20代の女性 ・ダイエット中 ・痩せ型 ・体に疲れが残りやすい ・運動不足 | ・手足の末端が冷えやすい ・冷えだけでなく肩こりや頭痛、立ちくらみ、ニキビ、月経痛も起こる | ・過度なダイエットによる食事量の不足、疲労による自律神経の乱れ ・運動不足や月経による血行不良
|
内臓型 | ・30代以降の男女 ・ストレスや疲労を溜め込みがち ・運動不足 ・ぽっちゃり体型 ・冷たい飲み物を好んでよく飲む ・毎日シャワーだけで済ませる ・平熱が低い | ・手足は温かいのにお腹周りだけ冷えやすい ・汗をかきやすい ・お腹を触るとひんやりしている ・寒い場所では太ももや二の腕も冷えやすい ・便秘や下痢になりやすい
| ・ストレスや疲労による自律神経の乱れ ・体外に熱が逃げやすい体質 ・発汗により体温が下がる ・運動不足、その他生活習慣による血行不良
|
全身型 | ・10~20代の男女、高齢者
| ・特定の部位ではなく全身が冷たく感じる ・常に体温が低い ・身体的なだるさがある ・季節を問わず、1年中全身が冷えやすい ・自覚症状がない場合も | ・元々の体質や服用している薬の影響 ・運動不足、食事量の不足による筋力と基礎代謝の低下 ・病気が隠れている可能性もある |
5.冷えのタイプに合わせて体質から根本改善する方法
冷え体質を根本改善したいなら、マッサージだけでなく他の日常的なケアも取り入れましょう。
続けることで少しずつ冷えの原因が取り除かれ、冷えにくい体へ変化していきます。
4章で確認した自分の冷え性タイプを参考にしながら、適切なケアを見つけてぜひ今日から実施してみてください。
5-1.運動をして筋肉をつける
<全部のタイプにオススメ>
運動(ランニング・水泳・筋トレ・エクササイズなど)による筋肉量の増加は、冷え性改善に欠かせません。
なぜなら運動不足が冷えに直結するケースが最も多いからです。
普段運動をする機会が少ない場合、筋肉量が落ちて筋力も衰えていきます。すると基礎代謝が低下し血流が悪くなるため、体温を上げにくくなります。
筋力をつけるには筋トレがベストですが、ハードルが高いと感じる方は簡単な運動から始めるといいでしょう。軽い運動でも、週に4~5日の頻度でおこなえば、少しずつ筋力も高まります。
通勤時に駅の階段を使う、仕事や家事の合間に散歩をする、お風呂の後にエクササイズやストレッチをする。これくらい気軽に始められて続けやすい運動で構いません。
5-2.シャワーで済ませず湯船に浸かる
<全部のタイプにオススメ>
冷えが気になる方は、40℃の温度で10~15分ほど全身浴をするのがオススメです。
熱めのお湯だとのぼせたり湯冷めしたりする可能性があるため、少しぬるめのお湯にゆっくり浸かって体の芯まで温めましょう。
体の深部までじっくり温めたほうが、熱が外に逃げにくくなります。半身浴でもいいのですが、体を温める効果がより高いのは全身浴です。
ちなみに入浴は就寝1~2時間前が最適です。
人間は体温が低下するときに眠気を感じます。入浴によって体が温まったあと、1~2時間かけて体温が少しずつ低下し、睡眠に最も適した体温になります。
また、入浴剤の種類で血行促進効果も変わってきます。炭酸ガス(炭酸泉)は毛細血管を刺激して血行を促してくれるので、冷えが気になる方にとてもオススメです。
参考:入浴科学者が指南!冷え性におすすめのお風呂の入り方|@DIME アットダイム
5-3.防寒グッズで寒さから体を守る
<全部のタイプにオススメ>
どうしても寒いときは、手袋や靴下、腹巻き、ネックウォーマー、ブランケット、カイロなどで気になる箇所を温めましょう。外側から体を温めるのは一時的な解決にしかならないので、体がさらに冷えて痛みやしびれなどの症状が出ないための対策となります。
例えば夏でもエアコンが効きすぎて寒いときは、薄手のストールやブランケットで首やお腹、手足をカバーしましょう。冬も冷気対策として靴下や手袋、マフラー、腹巻きなどで冷えが気になる部位を温めてください。
さらに衣類のちょっとした工夫で、血管が細くなるのを防いで体温調整をサポートできます。タイトなジーンズ、ストッキング、ガードルなど締め付けの強い衣服を避けることで、手足の末端まで血流が行き渡りやすくなります。
5-4.食事を工夫して体を内側から温める
<四肢末端型・内臓型にオススメ>
四肢末端型はエネルギー源となるタンパク質を中心に、食事量を増やすといいでしょう。
食事で熱のエネルギー源を確保し、手足の先端まで血流を行き渡らせることが冷えの改善につながります。
内臓型は内臓を温める食材を優先的に摂取し、体を内側から温めましょう。同時に冷たい飲み物や食べ物を控えると、より効果的です。
定番の生姜や唐辛子をはじめ、根菜類や発酵食品などは消化器官の働きを促進し、血行を良くします。
詳しくは以下を参考にしてください。
体を温める食材
- 生姜・唐辛子・シナモン
- にんじん・かぼちゃ・じゃがいも・レンコン・カリフラワー
- 納豆・キムチ・みそ・漬物・ヨーグルト・甘酒・味噌汁
- ココアなど
6.まとめ
足の冷えが気になる方にオススメのマッサージを2つ紹介しました。
まずふくらはぎの筋肉をほぐすマッサージ、次に足指と足裏のマッサージをおこないましょう。
マッサージ前にウォーミングアップをすれば、より血行促進効果を得られます。
足先が寒いせいで寝つきが悪い方は、就寝前に以下の行動を試してみてください。
<スヤスヤ快眠したいなら!夜寝る前にやるべきOK行動>
・就寝1~2時間前に入浴
・睡眠のための環境づくり
・呼吸を整える
<余計に眠れなくなる!夜寝る前のNG行動>
・就寝3時間以内の食事
・カフェインやアルコール、ニコチンの摂取
・スマホやPCの操作
・激しい運動
・あれこれと考えすぎる
冷え性は4つのタイプに分かれます。
体質から改善し、冷えにくい体を手に入れたい方は、4章の冷え性タイプ診断、5章の改善方法を参考にしてください。
マッサージだけでなく日常的なセルフケアも取り入れて、冷え知らずの快眠体質を手に入れましょう。
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