仕事の日の朝、スマホのアラームが鳴っても頭がボーッとして体がすぐに動かせないことはありませんか?
それでも頑張ってシャキッと起きなきゃいけないときは、その場で軽くストレッチをするのがおすすめです。
今回は、寝起き直後の眠気やだるさを吹き飛ばすストレッチをいくつか紹介します。誰もが知っている超簡単なストレッチですが、寝起き直後にやるだけでスッキリと起きられます!
また、ストレッチの効果を高めてさらに目覚めを良くするコツや、起床直後にストレッチをする際の注意点に加え、そもそも寝起きがなぜしんどいのかを解説していきます。
毎日毎日、朝起きても眠いししんどい、と感じている方は、ぜひ今回紹介するストレッチを試してみてくださいね。
1.眠気やだるさに効く?寝起き後のストレッチがもたらす効果
ストレッチの手順を説明する前に、そもそも寝起き後のストレッチにはどんな効果があるのか解説していきます。
1-1.目が覚めてキビキビ動けるように
朝の起床後にストレッチをすると体が休眠モードから活動モードに切り替わり、目がスッキリ覚めて体をキビキビと動かせるようになります。
実は寝ているときの体勢が悪いと、筋肉が縮こまって血流が悪くなることがあります。寝起きのストレッチには、そういった筋肉の緊張をほぐして血流を改善し、体の動作をスムーズにさせる効果があります。
そのうえ、交感神経(こうかんしんけい)と呼ばれる自律神経が活発になり、脳も働くようになります。
つまり寝起きのストレッチには眠気やだるさを軽減し、体内の活動スイッチをONにする効果があるわけです。
1-2.コリや頭痛、腰痛の改善につながる
寝起きのストレッチは、肩や背中のコリ、頭痛、さらには腰痛の改善にも効果的です。
就寝中は体勢が悪かったり寝返りの回数が少なかったりして、体のどこかに負担が掛かりがちです。それが肩だと肩が凝りますし、腰や太もも、背骨や内臓に負担が掛かると起床時の腰痛に悩むことになります。また、体勢のせいで呼吸が浅くなり、酸素を肺から脳に上手く取り込めず、翌朝に頭痛を発症するケースもあります。
起床時にゆっくりとしたリズムで呼吸をしながら筋肉のこわばりをほぐすことで、肩や背中のコリ、頭痛、腰痛が緩和されます。
ちなみに寝起きの腰痛をあくまで予防したい場合は、就寝前のストレッチがおすすめです。
1-3.女性必見!むくみが取れて基礎代謝が上がる
特に女性にとってうれしいのが、寝起きにストレッチをするとむくみの緩和や基礎代謝の向上が期待できる点です。
睡眠中は体を動かさないため、どうしてもふくらはぎやつま先が冷えてしまう方も多いはず。体が冷えると老廃物が溜まり、むくみが生じてしまいます。
そこで効果的なのが寝起きのストレッチです。冷えて縮こまった筋肉をほぐすと、リンパや血液の流れが良くなります。老廃物が流れやすくなることで、むくみが緩和されます。さらに筋肉が柔らかくなって可動域が広がることで、日常のちょっとした動作が大きくなり、基礎代謝の向上にもつながります。
2.寝起き直後にぴったり!体を活動的にさせる2つの簡単ストレッチ
起床時の眠気やだるさを即効で吹き飛ばしたいときにおすすめの、体の活動スイッチをONにするストレッチを2つ紹介します。
2種類のストレッチを約30秒ずつ、最低でも1分間やってみてください。
どちらもあまり体を大きく動かさず、その場でできる簡単なストレッチです。しかし朝の起床直後は筋肉がまだこわばっており体も温まっていない状態なので、このように筋肉をやさしく伸ばすだけでも、体を活動的にさせるのに十分効果的です。
2-1.全身の背伸びストレッチ
1つ目は、漫画やドラマの寝起きのシーンでよく見る、手足を上下にして全身を伸ばすストレッチです。
とても簡単ですが、無理なく全身に血液を行き渡らせるので、寝起きの最初のストレッチにぴったりです。
【手順】
①仰向けの状態で両手を上に、両足のつま先を下に向け、背伸びの状態で5秒間キープし、フッと力を抜きます。これを3回繰り返します。
②仰向けのまま、両手両足で「大」の字を作り、グーッと伸ばしたまま5秒間キープし、フッと力を抜きます。これを3回繰り返します。
【ポイント】
・立った状態でおこなうのもOKです
・伸ばし続けるのが難しい場合は一旦力を抜き、もう一度手足を伸ばしましょう
・腰が反って痛くなるほど伸ばすのは避けましょう
2-2.手首&足首を回すストレッチ
2つ目は、手首と足首をぐるぐると回すストレッチです。
全身の末端部分まで血流を良くし、寝起き直後の冷えた体を動きやすくします。
【手順】
①まずは仰向けの状態で手足の指に力を入れて抜く、グーパー運動をゆっくり5回おこないます。
②手首、足首を左右に5回ずつぐるぐると回します。
【ポイント】
・立った状態でおこなうのもOKです
3.コレもおすすめ!寝起きの不調に効く目覚めストレッチ
起床時の肩こりや腰痛が気になる方には、以下のストレッチもおすすめです。
眠気やだるさ対策の2章のストレッチと組み合わせて、ぜひ実践してみてください。
3-1.肩こりが気になるときのストレッチ
朝目覚めて肩や首、背中のあたりがゴリゴリと凝っていたり、疲れが溜まっていたりするときにおすすめなのが、肩甲骨を寄せて胸を大きく開くストレッチです。
特に横向きで猫のように体を小さく丸めて寝ていると、肩のあたりには大きな負担が掛かってしまいます。肩甲骨付近の縮こまった筋肉をしっかり伸ばし、胸を大きく開いて1日の始まりに新鮮な空気をたっぷり吸い込みましょう。
【手順】
①あぐらの状態で背中の後ろで両手を組み、肩甲骨を寄せるようにしてグーッと腕を伸ばし、15秒間キープします。
②そのまま両手を背中側の床につき、あごを天井に向けて頭を後ろに下げ、胸をグッと押し出した状態で15秒間キープします。
【ポイント】
・立った状態でおこなうのもOKです
・呼吸が苦しくない範囲で体を伸ばし、鼻から息を吸って口から吐くようにしましょう
3-2.腰が痛いときの2つのストレッチ
寝起きに腰が痛いときは、就寝時に負担が掛かりがちな腰や太ももの筋肉を伸ばす、2つのストレッチがおすすめです。
どちらも30秒程度で簡単な内容なので、仕事がある日の忙しい朝にもササッとできます。
腰ひねり
【手順】
①仰向けで左足は伸ばしたまま、右足を曲げて体の左側に置き、15秒間キープします。
②足を組み替え、今度は左足を曲げて体の右側に置き、15秒間キープします。
【ポイント】
・腰の筋肉が伸びているのを意識しましょう
太ももと腰伸ばし
【手順】
①仰向けで左足は伸ばしたまま、右足を下に曲げてお尻の横に置き、15秒間キープします。
②足を組み替え、左足を曲げてお尻の横に置き、15秒間キープします。
【ポイント】
・腰が上に反ったり、膝が浮かないように注意しましょう
・お尻の下に足を入れると腰がより痛くなる場合もあるので、無理せず、曲げる方の足はお尻の横に置いてください
4.寝起き直後のストレッチでもっと体を動かせるようにするコツ
ストレッチと組み合わせることで、より体をシャキッと活動的にさせる工夫を2つ紹介します。
4-1.カーテンを開けて太陽光を浴びる
朝起きたら、ストレッチをする前にカーテンを開けて日光を体に浴びましょう。どうしても体が動かなければ、ストレッチ後でも構いません。太陽光は体内時計をリセットして脳や体をシャキッと目覚めさせ、ストレッチの効果を高めてくれます。
太陽光には、体内時計を調整して活動と睡眠のリズムを作る、2種類のホルモンの分泌を促す作用があります。
夜に分泌され眠気を誘う「メラトニン」と、日中に分泌される「セロトニン」です。朝に太陽光を浴びると、セロトニンの分泌が促されて体内時計がリセットされ、その瞬間、約14時間後に眠気を誘うメラトニンの分泌が始まるよう、体内のタイマーが動き始めます。
このように太陽光には、人間の活動や睡眠をコントロールする大きなパワーがあります。朝の日差しの中で体を気持ちよく伸ばしたら、自然と清々しい気分にもなれるはずです。
4-2.白湯などで体を内側から温める
ストレッチの前や最中に、白湯(さゆ)をコップ1杯程度飲んで体を内側から温めるのもおすすめです。
なにせ起床直後は体温が低く、筋肉も温まっていない状態です。白湯を飲んで体が温まり、血流が良くなった状態でストレッチをすれば、筋肉がよりスムーズに動くはずです。
ちなみに白湯とは、沸騰させたお湯を人肌よりやや高い温度(50~60℃)まで冷ましたお湯を指します。一口ずつゆっくりと時間をかけて飲むのが、正しい飲み方です。
白湯を寝起きの一杯として取り入れることで、冷えた体を温めて血流を改善させるほか、就寝中に体内から出た水分を補う役目や、胃腸に働きかけて排泄を促す作用も期待できます。
5.起床直後にストレッチをするときの注意点
朝起きたばかりのストレッチには注意すべき点があります。それを今から説明します。
5-1.体に痛みを感じるときはストレッチを避ける
当たり前ですが、骨折や怪我をしていたり、体に強い痛みを感じたりする場合は、残念ですがストレッチを避けるべきです。
自己判断で無理して体を伸ばしても、かえって症状が悪化する恐れがあります。これは寝起きに限らず、どのタイミングであっても同じです。
骨折や怪我、炎症、患部の強い痛みなどがある場合は、症状が改善してからストレッチをおこないましょう。
5-2.いきなり体を大きく動かさない
起床後にいきなり体を大きく動かすのもNGです。
就寝中は筋肉や関節などをあまり動かさないため、長時間同じ体勢でいることで体が凝り固まっています。そんなときにいきなり体を動かしてしまうと、筋肉や関節がびっくりして痛みを感じてしまうケースもあります。
寝起き直後は、反動をつけず、自然に呼吸できる範囲で無理なく筋肉を伸ばしましょう。
理想は、寝起き後から少しずつ体を動かして温めていくこと。動きが小さく体に負担の掛からないものから、徐々に大きい動きのストレッチに移っていくと、体が自然に目覚めてくれます。
6.寝起きがしんどい意外な3つの原因とは?
シャキッと目覚めたいのに、なぜか頭がボーっとして眠気が抜けないし、体も重くて全然動かせない。
このように寝起きがしんどいと感じる原因は、大きく分けて3つあります。
6-1.実は多少の夜更かしが睡眠不足に
寝起きがツライとき、原因として最も考えられるのが睡眠不足です。睡眠時間が足りていないために、朝スッキリと起きられなくなります。
ここで知っておいてほしいのが、睡眠不足には2パターンあることです。
1つは、前日の夜更かしなどによる単日での寝不足です。これはよくありますよね。
もう1つは連日の寝不足で、これはかなり厄介です。例えばいつもより30分ほど就寝時刻が遅くなったとして、1日だけならあまり影響はありません。ただ、例えばそれが仕事のある平日5日間続いたとして、週末に10時間寝ようが睡眠不足の根本的な解決にはならず、徐々に蓄積した疲労は実は抜けていないのです。
6-2.就寝前の行動や合わない寝具で睡眠の質が低下する
たとえ睡眠時間が足りていても、睡眠そのものの質が悪いと朝の目覚めも悪くなります。
睡眠の質を低下させる原因は、いくつかあります。
例えば日々のストレスの蓄積をはじめ、就寝直前のスマートフォンの操作や激しい運動、熱湯での入浴、カフェイン・お酒・タバコの摂取などです。これらは自律神経を乱し、脳を覚醒状態にさせてしまいます。また、慢性的な運動不足も睡眠を浅くします。
ほかにも、寝苦しさを感じたり、夜中に何度も目が覚めてしまったりする場合は、寝具が体に合っていないか、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群という病気の可能性も考えられます。
就寝前はできるだけ安静に過ごし、寝具も自分の体に合った物を使って睡眠の質を上げることが、そもそも朝にスッキリと目覚めるられるコツです。
6-3.そもそも低血圧だから
低血圧のせいで朝なかなか起きられない、ベッドから立ち上がるときにフラフラする、というケースも多くあります。
血圧とは、心臓から送りだされた血液が血管の内壁を押す力を指します。
つまり、血圧が低い=血が巡りにくいということです。血液が脳や体の末端に回るまでに時間がかかるため、起床後すぐに脳がうまく働かなかったり、脳に血液が回らず立ちくらみやめまい、頭痛を引き起こしたりします。
つまり、低血圧で脳や体の準備がまだできていないと、寝起き直後はボーっとしてだるく感じます。
そんなときこそストレッチで少しずつ心拍数を上げ、血流を良くして体を温めるべきです。
7.まとめ
寝起き直後にだるさを感じるとき、頭や体をシャキッとさせるストレッチを紹介しました。
全身の背伸びストレッチと手首&足首を回すストレッチを、ベッドや布団の中、もしくはリビングで白湯やコーヒーでも飲みながら、ササッと試してみてください。
就寝中に体が凝ってしまって起床時に不調を感じる場合は、肩こりが気になるときのストレッチや腰が痛いときの2つのストレッチもおすすめです。
また起床直後にストレッチをする際は、まだ筋肉がこわばっているため、いきなり体を大きく動かすのは避けましょう。
ちなみに朝に太陽光を浴びたり、白湯を飲んだり、といった工夫を取り入れることで、ストレッチの効果が高まってさらに頭や体がシャキッとしますよ。
睡眠不足はもちろん、睡眠の質が低下する行動も極力避けながら、ストレッチを習慣化させて毎朝の目覚めを良くしていきましょう!
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