肩こりが慢性化しているが、時間が無くマッサージ店に行く暇がない。
そんな時、家に大量にストックしているカイロでなんとか肩が楽になればなぁ・・・と思ったことはないでしょうか?
本記事では「カイロで肩こりを楽にしたい!でも、どの場所にどういう風に貼って良いかわからない」という方に向けてカイロの貼り方を紹介します。
また後半では貼る際の注意事項や貼るのを控えるべきケースについても紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.使い捨てカイロで肩こり解消
まずはカイロは肩こりに効くというおばあちゃんの知恵のような何となく知っている話ですが、そのカラクリを説明します。
1-1.肩こりの原因は首や肩周りの筋肉の緊張で老廃物が溜まるから
肩こりの根本的な原因の特定は理由が多岐に渡るため非常に困難です。
姿勢の悪さや運動不足といった<生活環境>、体型や骨格、癖といった<身体的特徴>、枕やベッドなどの<睡眠環境>、長時間のデスクワークやストレスといった<労働環境>などがあり、枚挙に暇がありません。
ただし、根本的な原因は何であれ最終的には肩の筋肉が緊張して血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が溜まることで肩こりが生じます。
人は痛みを感じると反射的に力んでしまうように、肩こりを一度感じると無意識に肩に力が入り血行不良も解消しづらくなるという負のサイクルに陥るのです。
つまり、慢性的な肩こりとは無意識に肩の筋肉にずっと力が入ってしまい、肩の筋肉内の老廃物を塞き止め続けている状態なのです。
1-2.カイロの血行促進効果で溜まったこりを流す
そこで肩の筋肉に溜まった疲労物質を流すことで、こりやこわばり、痛みなどを解消できれば良いわけです。
患部やツボ、その周りのゾーンを温めることは、そこに流れる血液の量を増やすことに繋がります。
筋肉は寒いと熱を逃がさないように収縮し、暖かいと緩むという性質を持つためです。
「使い捨てカイロ」で温めることは筋肉の緊張を解き、血液循環を良くすることから肩こり改善に効果があるというわけです。
2.肩こりに効果的な場所2選
どこにどのようにカイロを貼れば良いのかこの章で具体的に紹介していきます。
ちなみに写真についてですが、貼る箇所を説明するのに地肌に貼っているかのような写真を使っています。
しかし、3-1章で記載している通り、多くのカイロは地肌に直接貼りませんのでご注意下さい。
また、理由については4-1章で記載しているのですが突発的な肩こりはむしろ冷やすべきですので、ここでは慢性的な肩こりに対して効果のある貼り方を紹介しています。
2-1.カイロが1枚の場合は首の後ろ
意外かも知れませんが、1枚の場合には患部ではなく首の後ろが効果的です。
そもそも首まわりの皮膚表面近くには太い血管が通っていることから、首まわりを温めること事態が血液を循環させやすくする効果があります。
そのため脈拍を測る際にも手首と同様に首の脈が活用されるのです。
さらには首の後ろ(付け根)には免疫力や代謝を高める大椎いうツボがあり、大椎を温めることで全身の血行を促すことが知られています。
首を温めるだけでなく、首の後ろ側にある大椎でさらに血行促進を促すため2つが掛け合わさる首の後ろは肩周りの血行促進に適した箇所といえるのです。
1枚でカバーできる範囲ですので、1枚しか手元に残っていないという方は首の後ろがおすすめです。
【カイロの当て方】
図のように首の付け根に貼ってください。
首を前に倒した時に首の付け根に骨の出っ張りが現れます。
また大椎という場所はその出っ張りのすぐ真下になります。
【コツ紹介】
もし安定しない場合はカイロの上からマフラーやストールを巻いて頂ければ安定します。
ちなみに貼らないタイプのカイロしかない手元にない場合、この方法であれば首の後ろを温められます。
マフラーやストールなどに一旦カイロを巻いて、カイロが大椎に部分にくるように首に巻けばOKです。
2-2.カイロを複数枚使用するなら肩回り
肩の血行を良くするためにはやはり肩周りの筋肉に貼ることが直接の効果が見込めます。
その中でも肩こりの代表的な患部として知られる僧帽筋は肩の筋肉で一番大きいためおすすめです。
僧帽筋というのは前かがみの姿勢時に、頭の重みを受け止める筋肉になりため、血行が悪くなりやすい特徴を持っています。
視力が低下している場合や長時間のデスクワーク、あるいは単純に姿勢が悪い場合は、長時間に渡って首が前方に傾きます。
その際に体の10分の1を占める頭部の荷重が肩の一番大きな筋肉である僧帽筋に圧し掛かってしまうのです。
この僧帽筋は体の深いところにある深層筋ではなく、体の肌面近くにある表層筋になるため使い捨てカイロで温め、筋肉を解すことが可能です。
また、先ほど紹介した首の付け根のすぐ下にある大椎と肩先の間には肩こりの特効薬と呼ばれる肩周りの血行を良くする肩井というツボがあるので効果が高まります。
使い捨てカイロが複数枚ある場合は肩井を含め肩周りに貼りましょう。
もし肩こりに効くツボについて興味を持たれた方がいましたら、こちらの記事もおすすめなので、ぜひ読んでみて下さい。
関連記事【カイロの当て方】
肩に貼る場合、肩井は左右どちらの方にもあるため、図のように両肩に貼ってください。
また、枚数に余裕がある場合は上図のように背中まで貼ってください。
僧帽筋は肩の筋肉で最も広範囲に渡り、下図のように背中の一部までも覆っているためです。
猫背に体を曲げた時に背中側で膨れ上がる筋肉が背中にある僧帽筋です。
3.カイロ使用時の注意事項
製品自体の注意書きにも記載されていますが、本当にしてほしくないことなので本章でも触れます。
暖房グッズに共通するのですが、カイロを使用していて恐いことは“低温やけど”です。
そして、この低温やけどは体温よりも少し高く60度以下の温度でなる気づきにくい火傷です。
熱さや痛みを感じにくいため以下の用法は守りましょう。
3-1.肌に直接貼るのはNG
そもそも粘着力が強く、皮膚が荒れる可能性があるため肌に直接貼ってはいけません。
また、衣類や下着を介さないことによって低温やけどになる可能性が高まるためです。
ただし、商品によっては例外的に肌に直接貼るタイプがあります。
肌に直接貼るタイプのカイロについては肌に直貼りで大丈夫ですが、下の2つのNG事項は避けてください。
3-2.上から圧迫させるのはNG
圧迫事態が血行不良に繋がるので効果が落ちるだけでなく、皮膚の温度が上がるため低温やけどになる可能性が高まります。
そのため2章ではマフラーで熱を閉じ込める方法を紹介していますが、圧迫するまできつく巻くことはしないで下さい。
また、熱いと感じたらマフラーを外して下さい。
特にベルトやサポーターなどで上から強く固定するなどは絶対にしないで下さい。
県のHPなどでもカイロを圧迫することに注意を促しています。
参考:https://www.pref.saitama.lg.jp/b0304/syouhintest/kairotest.html
3-3.寝るときに使うのはNG
私生活において、長時間使用の可能性が最も高いのが寝ている時です。
低温火傷も含めてやけどは、「時間×温度」の関係で発症することがわかっています。
加えて、寝相によっては圧迫の可能性もあります。
疲れが溜まっている場合やお酒を飲んでいる場合などいつの間にか眠りに落ちてしまう場合などは極力使用を控えるようにしましょう。
4.湿布のほうが適しているケース
急性の炎症の場合はむしろ冷やすことが大切です。
以下の2種類に肩の異変については慢性的な肩こりと間違いやすいので、くれぐれもカイロで温めないよう気をつけて下さい。
4-1. 肩の筋肉痛の場合は使用NG
肩こりには動かすことで起こる緊張と、動かさないことで起こる緊張の2種類に分けられます。
前者が筋肉痛で、後者が血行不良です。
この前者にあたる“肩の筋肉痛”は徹夜での長時間作業やスマホ疲れなどから来る「肩が凝っちゃったー」というような肩こりで休養を取れば治ります。
学生時代の部活後などに急性の筋肉痛が起きた際には冷却スプレーをしていたように筋肉の炎症には温めることよりも冷やすことが応急処置として適切です。
4-2. 四十肩や五十肩の場合は使用NG
四十肩や五十肩は別名:肩関節周囲炎といい、加齢によって肩関節や肩の筋肉が老化することで起きる怪我です。
炎症なので、炎症を取り除く努めるのが処置として好ましく、カイロではなく湿布を貼ることが好ましいです。
さらには冷湿布には消炎鎮痛剤が含まれており、痛みの感覚を和らげることが期待できます。
5.まとめ
肩こりの時にカイロを貼るべき場所がおわかりいただけたましたでしょうか。
・カイロで温めるべきは1枚なら首の後ろ・複数枚なら肩周り
・低温火傷の可能性のある使用方法は避ける
・慢性的な肩こりではない場合はカイロではなく、湿布
ちなみに本気時を読んでカイロでツボを刺激できるのかと疑問に思った方に
カイロはお灸の代用になります。
ツボに働きかける方法は、大きく分けて指圧(押す)・鍼(刺す)・お灸(温める)の3種類です。
その中でカイロはツボを温めて刺激するというお灸の役割を自果たしているのです。
カイロを貼るべき箇所を説明する際に肩こりに効果のあるツボにも触れましたが、もしも本記事でツボについても興味を持ったとい方はお近くの鍼灸サロンが検索可能なページを貼り付けておきますので、ぜひ検索してみて下さい。
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