鏡に映るエラが張った輪郭に「どうにかならないかな」とため息をついてしまうことありませんか?
会社の同僚が芸能人を評した「あの人、エラが目立つよね」という言葉にドキッとしたり…。
エラ張りについて「顔の形は生まれつきだから仕方ない」とあきらめてしまっている方、少なくありません。
でもじつは、エラ張りは多くの場合、咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉が原因になっており、簡単なマッサージで改善できます。
この記事では、エラ張りを改善できる簡単な咬筋マッサージのやり方を紹介します。
また、コルギや美容整形など、マッサージ以外のエラ張り対策についても伝えます。
1.エラ張りの悩み、多くはマッサージで改善できる
「エラ張り」の多くは、マッサージによって咬筋(こうきん)のコリをほぐせば、改善することができます。
顎(あご)の両端が張り出し、輪郭が角ばって見えるエラ張りには、下顎の骨の形が原因の場合と、食べ物を噛むときに使う筋肉・咬筋のコリが原因の場合があります。
骨が原因のエラ張りを解消するには、第5章で紹介するように、手術で物理的に骨を削るしかありません。
でも、咬筋が原因なら、マッサージなどの手段で改善可能なのです。
1-1.骨?それとも筋肉?エラ張りの原因を確認する方法
まず、エラ張りの原因が骨なのか、咬筋なのか、セルフチェックする方法を紹介します。次の動作をしてみてください。
・歯を食いしばる
・そのまま口を「イー」の形に横に広げる
このとき、エラがぼこっと盛り上がるようなら、咬筋が原因でエラが張っています。
エラ張りの原因が骨の形の場合は、もっともエラが張っている箇所を手で触れたとき、皮膚のすぐ下に骨があるのを感じられます。
1-2.咬筋のコリをほぐすとエラ張りが改善できる理由
咬筋は頬(ほほ)のあたりにあり、食べ物を噛むとき下顎を引っ張り上げる働きを持つ、とても力の強い筋肉です。
咬筋のコリ(緊張により硬くなった状態)がエラ張りにつながる理由は次のとおりです。
・硬くなった咬筋が横に張り出す
・まわりの皮膚を引っ張り顎のラインを横に広げる
・血液やリンパの巡りが悪くなり、周辺がむくむ
咬筋をマッサージしてコリをほぐせば、これらの現象が解消されるので、エラ張りも改善できるのです。
1-3.ほうれい線もケアできる!咬筋マッサージのさまざまな効果
咬筋にコリがあると、くっついている頬骨を引っ張ってしまいます。その結果、頬骨が位置が下がり、ほうれい線が目立つようになります。
また咬筋のコリは、「口が開けにくい」「顎を動かすと音がする」といった症状がある顎関節症(がくかんせつしょう)の原因にもなります。
咬筋マッサージは、これらの改善・予防にも効果があります。
2.今日からできる!咬筋マッサージのやり方
コリをほぐす咬筋(こうきん)マッサージのやり方を紹介します。
2-1.咬筋マッサージのやり方
- 口の力を抜き、頬骨の下の咬筋に両手の中指と薬指を当て、円を描くようにほぐします(下のイラストを参照)。これを5回繰り返します。指が上に向かうときは圧をかけ、下に向かうときは力を抜いてください。
- 老廃物を集めるように両手の中指と薬指を耳下まで持っていき、首の筋肉に沿うように鎖骨のあたりへリンパを流します。片方が終わったら、もう片方も。
2-2.咬筋マッサージをするとき注意すべきこと
咬筋マッサージを安全に、効率的におこなうため、注意すべきことを挙げます。
力を入れすぎない
力加減は「気持ち良い」と感じる程度が適切です。力を入れすぎると肌にダメージを与える可能性があります。
3~5分程度でおこなう
長時間のマッサージは肌に負担をかけます。ときどき長時間おこなうより、毎日、短時間おこなうのが効果的です。
肌に異常がある場合は控える
ニキビや肌荒れなど肌に異常がある場合、マッサージは控えましょう。刺激によって症状が悪化しかねません。
2-3.咬筋にアプローチする美顔グッズ3選
咬筋マッサージに役立つ美顔グッズもあります。タイプの異なる3種類を紹介します。
リファリズム…心地よく咬筋のコリをほぐせる美容ローラー。
メディリフト…低周波で咬筋の深層までアプローチする美顔器。
フェイシャル ミミリン…耳を縮めて咬筋を伸ばし、ほぐしやすくする。
3.噛みしめ&歯ぎしり対策でエラ張りを緩和
咬筋(こうきん)のコリは、噛みしめや歯ぎしりが原因のケースもあります。
つまり、噛みしめや歯ぎしりがある場合、それをやめることでエラ張りを改善できます。
3-1.増えている噛みしめ癖、意識的に力を抜くなどの対策を
通常、上下の歯が接するのは食事や会話のときのみで、時間にすると1日に20分弱と言われます。
ところが今、パソコン・スマホ使う集中作業やストレス過多が原因で、長い時間、無意識に噛みしめている方が増えています。
こうした噛みしめ癖が、エラ張りにつながってしまうのです。
噛みしめ癖を緩和するには「作業中、意識的に力を抜いて歯を離す」「ストレスを軽減する」といった対策が有効です。
3-2.噛むこと自体を避けるような対策は誤り
エラ張りの改善に必要なのは、あくまでむだな噛みしめをやめる対策です。
ネット上には、エラ張りを防ぐため「奥歯で噛まない」「硬いものを食べない」など、噛むこと自体を避けるよう誘導する言説も見られますが、これはおすすめできません。
なぜなら、使わなくなった咬筋が衰えると、頬がたるみ、ほうれい線が目立つなど、見た目の面でうれしくない影響があるからです。
さらに、噛む力自体が衰えると、「噛む」という刺激が脳に伝わりにくくなり、脳の機能に影響を及ぼすこともあります。
3-3.毎日のように長時間続く歯ぎしりは歯科に相談を
エラ張りの原因にもなる歯ぎしりへの対策は、歯科での治療がメインになります。
歯科では、マウスピースを用いた治療や、薬物治療、矯正治療などがおこなわれます。
また、噛みしめ癖と同様、ストレス過多が引き起こしている場合もあるので、ストレスを減らすことも大事です。
なお、睡眠中の短時間の歯ぎしりは誰にでも見られる現象で、心配ありません。
ただし、毎晩のように1時間以上続くような場合は、歯科に相談することをおすすめします。
4.コルギや小顔矯正など、サロンでエラ張りを改善
エステサロンなどで、エラ張りの悩みを相談することもできます。
エラ張り改善の施術を提供している可能性が高いお店の条件は、次のとおりです。
- 「小顔矯正」や「小顔マッサージ」のメニューがあるサロン
- 「コルギ」の施術をおこなっているサロン
- 「美容鍼」「美顔鍼」を扱っている鍼灸院
これらの条件に当てはまるお店を見つけたら、ホームページなどで「エラ」や「エラ張り」について言及しているか確認しましょう。
よくわからない場合は、エラ張りの改善ができるか、どのような施術でおこなうのか、あらかじめ問い合わせることをおすすめします。
5.エラ張りを改善する美容整形は手術とボトックス
美容整形の施術でエラ張りを改善することもできます。主な方法は手術とボトックス注射です。
5-1.エラの骨を削る手術はさまざま
骨が原因のエラ張りを解決する手段として、美容外科などで骨を削る手術がおこなわれています。
俗に“エラ削り”と呼ばれたりする手術ですが、実際は患者の状態や希望により内容はさまざま。エラの部分の骨を削るだけではないケースも少なくありません。
また、口の中からアプローチする方法、外からおこなう方法など、術式も複数あります。
5-2.ボトックス注射でエラ張りを改善
咬筋(こうきん)が原因のエラ張りは、ボトックス注射でも改善できます。
筋肉を麻痺させるたんぱく質を注射して咬筋の緊張を緩め、エラを目立たなくします。
1回の注射で3~4か月程度、効果が持続します。
5-3.美容整形は費用やリスクを踏まえてよく検討を
美容整形は、健康保険が適用されない自由診療となり、費用はまちまちですが、比較的高額になります。
また手術では、細菌感染などの合併症、感覚麻痺などの後遺症といったリスクがゼロになることはありません。
ボトックス注射も、炎症、かゆみ、頭痛などの副作用がでる可能性があります。
美容整形については、医師と十分に相談し、費用やリスクを把握したうえで、施術を受けるべきか検討しましょう。
6.まとめ
エラ張りの多くは咬筋(こうきん)のコリが原因で、マッサージにより改善できることをお伝えしました。
そして、咬筋マッサージの方法をはじめ、さまざまなエラ張り対策を紹介しました。
記事をお読みいただいた方のエラ張りが改善され、エラを気にすることなく毎日を過ごし、ヘアスタイルやメイクを自由に楽しめるようになれば幸いです。