近年「表情筋トレーニング」が話題になっていますが、一方で「表情筋マッサージ」はあまり知られていません。
ヨガやエクササイズなどのトレーニングに比べて、マッサージはあまりキツイ思いをせず楽にできるのがメリット。
ただ、表情筋マッサージにはちゃんとリフトアップ効果があるのか、顔のマッサージをするとシワができやすくなるという噂は本当なのか、気になりますよね。
本記事ではまず、表情筋マッサージには本当に効果があるのかどうかを解説し、実際のマッサージ方法を紹介します。
そのうえで表情筋トレーニングとの違いや、「顔のマッサージをすると余計にシワができる」という噂の真相、表情筋はなぜ衰えるのか、どうやって表情筋の衰えを対策すればいいのかもお伝えしますので、老け顔が気になる方はぜひ参考にしてください。
1.顔のたるみやこわばりには表情筋のマッサージが効果的
顔のたるみや筋肉のこわばりは、表情筋のマッサージで改善できます。
まず、表情を作るときに使う顔の筋肉をまとめて「表情筋」と呼びます。表情筋はおでこからあごまで、顔全体に30種類以上あります。下記に代表的な表情筋のイラストを載せますので、各筋肉の場所や役割をイメージするための参考にしてください。
出典:美肌の化学
普段から使う機会がないと、筋肉は衰えて皮膚の弾力が低下します。逆に使いすぎていると、筋肉はモリモリと発達していきます。表情のクセなどによる筋肉の使用量の差が、たるみやこわばりとして顔に現れるわけです。
表情筋のマッサージで衰えた筋肉を刺激して血行を促進すると、肌に栄養分や酸素が行き渡りやすくなり、肌の弾力アップにつながります。
また、使いすぎて凝り固まった筋肉をほぐして柔らかくすることで、こわばりを緩和できます。
2.表情筋マッサージのやり方
表情筋のマッサージを動画付きで2つ紹介します。
1つ目はおでこから頬まで、2つ目は口周辺の表情筋にアプローチする内容となっていますので、お悩みの箇所に合わせて実践してみてください。
2-1.目元のシワなど顔上部が気になる方に!おでこ~頬までのマッサージ
まずは、おでこや目元のシワ、頬の筋肉のたるみやこわばりなど、特に顔上部の老けた印象が気になる方におすすめのマッサージです。
このマッサージでは、前頭筋(ぜんとうきん)・皺眉筋(しゅうびきん)・側頭筋(そくとうきん)・小頬骨筋(しょうきょうこつきん)・大頬骨筋(だいきょうこつきん)をほぐします。
出典:表情筋を鍛えてたるみとバイバイ。老け顔を阻止する5つのトレーニング–コスメニスト
前頭筋・皺眉筋が弱ると目がぱっちり開きにくくなり、側頭筋・小頬骨筋・大頬骨筋が弱ると頬から唇にかけてハリがなくなり、たるんだ印象になってしまいます。
そこでマッサージによってコリをほぐしながら血行を促進し、細胞レベルで肌を活性化させることで、肌表面のハリを取り戻します。
【手順】 ①前頭筋のマッサージ 《やり方》 両手の人差し指・中指・薬指の3本を使い、おでこの表面を少し強めに押さえながら、指先でグルグルと円を描くようにマッサージする。まぶたのすぐ上から髪の毛の生え際まで、おでこ全体をじっくりとマッサージ。 《時間》 1~3分 《位置・役割》 おでこの表面を覆っていて、まぶたを上に引き上げる筋肉。
②皺眉筋のマッサージ 《やり方》 両手の人差し指と中指の2本で、眉毛の内側の端から少し上をグリグリともみほぐす。 《時間》 1~3分 《位置・役割》 眉毛の内側の端から上についている筋肉。眉間を寄せる働きをもつ。
③側頭筋のマッサージ 《やり方》 両手の人差し指・中指・薬指の3本でグルグルと円を描くようにもみほぐす。 《時間》 1~3分 《位置・役割》 目尻と耳の上を結んだ少し上にあり、こめかみの周囲に位置する筋肉。側頭筋が衰えると頬が下がって、覇気のない顔になってしまう。
④頬骨筋(小頬骨筋・大頬骨筋)のマッサージ 《やり方》 人差し指・中指・薬指の3本でグリグリと円を描くようにもみほぐす。 《時間》 1~3分 《位置・役割》 頬骨と唇の周囲にある。小頬骨筋は特に上唇を、大頬骨筋は口角を斜め上に引き上げる。
【ポイント】 ・指先にコリコリとしたしこりを感じる箇所は、よりていねいにほぐす。 ・皮膚が弱っていて長くやりすぎると皮が剥けたりする可能性があるので、初めは弱めの力で、短めの時間でおこなう。 ・数日間おこなって、慣れてきたら徐々に力を強めて時間を長くする |
2-2.口元の緩み・ほうれい線が気になる方に!口周りのマッサージ
続いては、特に口元の緩みやほうれい線が気になる方におすすめの、口周辺の表情筋のマッサージです。
このマッサージでは、特に唇周辺にある口輪筋(こうりんきん)にアプローチします。
口輪筋は下図のように、唇の周囲を囲むように位置しています。口を閉じたり、口をすぼめたりするときに使う筋肉です。
口輪筋が弱くなると口角が下がってしまったり、上唇に梅干しジワができたりします。さらに、すぐ上の小頬骨筋や大頬骨筋と連動しているため、唇の上から頬にかけてのほうれい線にも影響してきます。
出典:口輪筋 ~裏側矯正 東京~|見えない裏側矯正|小伝馬町 馬喰町 東日本橋の矯正歯科専門
【手順】 ①口上のマッサージ 両手の人差し指・中指の2本で、口と鼻の間をグリグリと円を描くようにもみほぐす。 10~20秒を3セット。
②口下のマッサージ 両手の人差し指・中指の2本で、口下をグリグリと円を描くようにもみほぐす。 10~20秒を3セット。
③口横のマッサージ 両手の人差し指・中指の2本を唇の両脇に当てる。左右から中央に向かって、唇をすぼめて鳥のくちばしになるようにグッと押す。10~15回を3セット。
【ポイント】 ・1日1回が目安 |
3.表情筋マッサージとトレーニングの違い
表情筋を鍛えるトレーニングとして、顔のヨガやエクササイズはよく知られていますよね。一方で表情筋のマッサージについて詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで本章では、表情筋のマッサージやトレーニングにはそれぞれどんなメリットがあるのかを解説していきます。
3-1.マッサージは「日常的に使っている筋肉のコリをほぐすのに最適」
表情筋をマッサージするメリットは、一言でいえば「普段から酷使しがちな筋肉のコリをピンポイントにほぐせること」です。
人によって表情にはクセがあり、頻繁に使われる筋肉も異なります。
普段から使われない筋肉は衰えて弛緩し、たるみが生じます。さらに血行不良が起こって老廃物が流れにくくなるため、むくみやくすみにもつながります。
逆に使いすぎた筋肉は緊張状態が繰り返されることによって、徐々に凝り固まっていきます。接客業などでずっと笑顔を作っているとその表情のまま固まってしまうのが、わかりやすい例です。
そういった筋肉の緊張状態が続くと血行が悪くなっていくため、老廃物なども流れにくくなり、筋肉がさらにゴリゴリと硬くなってしまうのです。
このように、日常的に使っていてゴリゴリと凝り固まった筋肉を、指のマッサージでピンポイントにほぐせます。
指を使って筋肉を動かすためトレーニングよりも楽にできますが、筋肉を鍛える効果は低いといえます。
3-2.トレーニングは「日常的に使っていない筋肉を鍛えるのに最適」
マッサージに比べると、顔ヨガや顔エクササイズなどのトレーニングは少しハードですが、普段使えていない表情筋を鍛えられるのが一番のメリットです。
筋肉を動かすこと自体が血行促進になるほか、筋肉を鍛えることでたるみがちな皮膚を支えられるようになり、リフトアップにつながります。
ただし、普段から頻繁に使う表情筋をトレーニングでさらに鍛えてしまうと、より筋肉が発達して盛り上がってしまう可能性があります。さらに何度も筋肉を動かすことによって皮膚が引っ張られ、「表情ジワ」にもつながります。
また、トレーニングを始めたばかりの頃は弱った筋肉が動かしにくく、ハードに感じることもあるでしょう。
4.表情筋のマッサージは逆効果?シワができるって本当?
「顔をマッサージすると皮膚がたるんでしまって、逆にシワができてしまう」という話を聞いたことはありませんか?
表情筋のマッサージはしたいけど、シワが増えてしまわないかどうか不安ですよね。そこで、噂の真相について調べてみました。
4-1.力加減や回数を工夫すればシワは防げる!
実は、体の筋肉は骨と骨をつないでいるのに対して、顔の筋肉はそのまま皮膚につながっています。そのため、体と比べて顔のマッサージは、刺激によって皮膚がたるみやすく、シワができやすいとされています。
しかし、マッサージをする際に力加減や回数を調整すれば、シワは防げます。というのも、シワができてしまうのは強い圧で何度も何度も刺激を与えることが原因だからです。いくら顔の皮膚がたるみやすいとはいえ、やさしい力加減で数回マッサージをするくらいでは、シワはできません。
シワができるのは、特に乾燥した肌に強い刺激を与えると、摩擦が原因で肌に大きな負担が掛かるからです。また、顔の筋肉を何度も何度も繰り返し動かすと、これも同じように皮膚に負担が掛かって、いわゆる「表情ジワ」ができます。
「皮膚が赤くなるほど強い圧力をかけない」「回数制限を守り、1日に何度も何度もマッサージをしない」のが解決策です。
強い刺激を避け、マッサージは1日1回を目安にするといいでしょう。
4-2.摩擦を起こさないためにフェイス用オイルやクリームを使おう
表情筋のマッサージをする際は、フェイス用のオイルやクリームを使いましょう。肌の摩擦を少しでも軽減するためです。
体用とは別に、顔用のマッサージオイルやクリームがあるのはご存じでしょうか。
下記記事では有名美容雑誌、口コミで大人気のフェイスオイルとクリームを5つずつ紹介しています。商品の購入を検討している方はこちらの記事をお読みいただき、ぜひ参考にしてください。
関連記事5.表情筋が衰える原因は表情のクセ・加齢・筋力の低下・姿勢の悪さ
表情筋は、表情のクセをはじめ、加齢や筋力の低下、姿勢の悪さによって衰えます。
なかでも一番の問題は、実は日本人は普段の生活で表情筋全体の約30%しか使っていないということです。
無表情でいる時間が長い、もしくは一部の表情筋しか使えていないという事実こそが、表情筋が衰える一番の原因なのです。
その他についても説明しますと、顔の筋肉も体と同じです。年齢を重ねたり、普段から使っていなかったりすると、筋力はどんどん低下して筋肉を支えきれなくなり、たるみが発生してしまいます。
さらに猫背や巻き肩など姿勢の乱れも、表情筋が衰える原因のひとつです。首や肩の筋肉のバランスが崩れて顔にも影響し、表情筋のたるみにつながります。
6.まとめ
顔のたるみやこわばりが気になる方には、以下2つの表情筋のマッサージがおすすめです。
2-1. 目元のシワなど顔上部が気になる方に!おでこ~頬までのマッサージ
2-2. 口元の緩み・ほうれい線が気になる方に!口周りのマッサージ
少しハードでも衰えた筋肉を強化させる効果が高い表情筋トレーニングと比べて、筋肉を鍛える効果は低いものの、指を使って楽に筋肉のこわばりをほぐせるのが表情筋マッサージのメリット。
実際にマッサージをおこなう際は、クリームやオイルを用いてやさしい力加減で筋肉をほぐしてください。
表情のクセをはじめ、加齢による筋力低下や、姿勢の悪さによって、表情筋はどんどん衰えていきます。
日頃無表情でいる時間が長いと感じる方は、実はとてももったいない時間を過ごしています。ぜひマッサージだけでなく、普段から意識して表情筋を動かすことで老化を予防し、若々しい印象の顔を目指しましょう!
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